レビュー
コスパ重視のゲーミングノート「OMEN by HP 15/17」フォトレビュー
2016年7月16日 06:00
株式会社日本HPは、デザインを一新したゲーミングノートPC「OMEN by HP 15」(15.6型)、「OMEN by HP 17」(17.3型)を発売した。税別直販価格は前者が119,800円、後者が149,800円からとなっている。いち早く試用する機会を得たので、写真を中心にレビューをお届けする。
OMENは元々HPが買収した「Voodoo PC」時代のブランド。2014年末にゲーミングPC市場への参入を表明し、その時OMENブランドの復活を掲げたが、今回、PavilionやENVYシリーズに分散されていたゲーミング製品をOMENブランドに統合し、ラインナップ拡充を図っている。デスクトップPCや液晶なども同時発表されているのだが、今回はノートPCの方を取り上げる。
新たに発表されたOMEN by HP 15/17は、大手ブランドのゲーミングノートとしては安い部類に入る。例えば2014年末に投入された第1弾の「HP OMEN 15」は、CPUにCore i7-4710HQ(2.5GHz)、GPUにGeForce GTX 860M(4GB)を搭載するという内容で、税別直販価格は199,800円だったが、今回のOEMN by HP 15は、CPUにCore i7-6700HQ(2.6GHz)、GPUにGeForce GTX 960M(4GB)を搭載というスペックアップを図りながら、それよりも実に8万円も安い価格を実現している。同スペックを備えたホワイトボックス系と比較しても遜色ないコストパフォーマンスを実現している。
ただしコストダウンの面影も強く残している。例えばHP OMEN 15はCNC削り出しのアルミニウム素材であったが、OMEN by HP 15/17はいずれも樹脂製。レーシングカーのマフラーをイメージした焼入れのようなデザインのヒンジも省かれ、しかも後部に飛び出すデザインとなった。表面処理もHP OMEN 15には敵わず、表面処理としては「HP Stream 11」に近い。とは言え、つや消しの表面は指紋が目立たず、この価格帯で多い光沢処理の表面よりは落ち着いた印象を受ける。おそらく、Pavilionシリーズの流れであろう。
天板に大きくあしらった新しいOMENのロゴは光沢処理されていて格好いい。バックライトで光ればさらに格好いいとは思うのだが、そこはコストに対する要求のしすぎだろうか。
キーボードはテンキー付きで、ほぼフルピッチであるため窮屈な印象はない。加えてクリック感もしっかりしており、キーのがたつきもかなり少ない。ストロークもこのクラスとしては深い方で、操作していて大変気持ちが良い。ゲームの長時間プレイでもストレスになることはまずないだろう。アイソレーション方式だが、特にいびつなキーや配列もなく、しっかりローカライズされている点は好感が持てる。
タッチパッドに関してはもう少し余裕があっても良いかなとは思ったが、基本的にゲーミングノートは外付けのマウスを使うことになるだろうから、特に問題にならないだろう。同社製の「HP X9000ゲーミングマウス」ユーティリティもあらかじめプリインストールされているが、できればこのマウスを添付して欲しかった。
液晶は15.6/17.3型ともに1,920×1,080ドットのフルHD。開口率の問題からか、最大輝度にした場合は17.3型の方が15.6型よりも明るいが、いずれも非光沢で反射が少なく見やすい上に、広視野角である点も嬉しい。
熱についてはよく処理されており、いずれのモデルもキーボードの中央上部はやや熱を持つものの、そのほかの部位は低温に保たれている。ゲームでは主にA/W/S/Dキーを中心に左手を置きプレイすると思うが、そういったスタイルで問題になることはまずないだろう。騒音に関しては風切り音が気になるが、薄型筐体の製品としては頑張っている方である。スピーカーの音はやはり低域が物足りないが、そこそこの迫力でボリュームは確保されており、音をさほど重視しないゲームであればそのままプレイしても良いだろう。
最後にベンチマークを計測してみた。使用したベンチマークはPCMark 8および3DMarkである。GeForceはPCMark 8時有効にならないので、一般的なCore i7と同じ結果となっている。両モデルともに同じ仕様なのだが、15.6型の方がスコアが低く、具体的に見るとゲームが17.3型の半分ぐらいの結果になっている。放熱のためにIntel内蔵GPUのクロックを下げるなど処理ををしているのかもしれない。一方3DMarkの結果から分かる通り、両モデルともに十分にグラフィックス性能が引き出されている。17.3型の方がややスコアが高いが、これは放熱に余裕があり、GPUクロックが上がっているためかもしれない。
ちなみに付属しているACアダプタは双方ともに120Wタイプで、持ち運びについてはほぼ考慮されていない。基本的に家庭内モバイル/省スペースマシンの代わりといった印象だ。スペースや資金によほどの制限がないのであれば、筆者としては大きい17.3型の方をオススメする。液晶がやや明るい上に、バッテリも換装可能、さらに15.6型にはない光学ドライブまで付いているからだ。基本性能は高く、ゲーミング用途のみならず永く使えるノートPCである。
OMEN by HP 15 | OMEN by HP 17 | |
---|---|---|
CPU | Core i7-6700HQ | Core i7-6700HQ |
メモリ | 8GB | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD+1TB HDD | 256GB SSD+1TB HDD |
OS | Windows 10 Home | Windows 10 Home |
PCMark8 | ||
Home accelerated | 3044 | 3526 |
Web Browsing-JunglePin | 0.327s | 0.322s |
Web Browsing-Amazonia | 0.136s | 0.134s |
Writing | 4.38s | 3.77s |
Photo Editing v2 | 0.256s | 0.249s |
Video Chatv2/Video Chat playback 1 v2 | 30fps | 30fps |
Video Chat v2/Video Chat encoding v2 | 42ms | 41.3ms |
Casual Gaming | 15.6fps | 30.8fps |
Creative Accelerated | 3552 | 4364 |
Web Browsing-JunglePin | 0.331s | 0.322s |
Web Browsing-Amazonia | 0.36s | 0.135s |
Video Group Chat v2/Video Group Chat playback 1 v2 | 30fps | 30fps |
Video Group Chat v2/Video Group Chat playback 2 v2 | 30fps | 30fps |
Video Group Chat v2/Video Group Chat playback 3 v2 | 30fps | 30fps |
Video Chat v2/Video Chat encoding v2 | 44.3ms | 46.3ms |
Photo Editing v2 | 0.257s | 0.256s |
Batch Photo Editing v2 | 20.7s | 18.9s |
Video Editing part 1v2 | 9.3s | 7.7s |
Video Editing part21v2 | 18.1s | 15.5s |
Mainstream Gaming part 1 | 3.8fps | 8.8fps |
Mainstream Gaming part 2 | 1.9fps | 4.6fps |
Video To Go part 1 | 15.7s | 7.8s |
Video To Go part 2 | 20.7s | 10.4s |
Music To Go | 10.19s | 8.89s |
3DMark | ||
Fire Strike | 5206 | 5252 |
Graphics score | 5958 | 6030 |
Physics score | 9240 | 9294 |
Combined score | 2002 | 2005 |
Sky Diver | 16191 | 16391 |
Graphics score | 20334 | 20666 |
Physics score | 8143 | 8172 |
Combined score | 15489 | 15721 |
Cloud Gate | 18515 | 18297 |
Graphics score | 36878 | 37715 |
Physics score | 6751 | 6588 |
Ice Storm | 61777 | 61936 |
Graphics score | 72696 | 72748 |
Physics score | 40492 | 40744 |