やじうまPC Watch

猫レベル1の記者が一気に猫レベル10に上がったわけ

~アドビが猫の日に“猫モテ”撮影講座を開催

プレゼン中も容赦なく動き回る猫。会場「てまりのおうち」は無法地帯と化していた

 “にゃんにゃんにゃん”。別にふざけているわけではない。猫好きの方が多いとお見受けするPC Watch読者諸氏のおかれては、本日2月22日が「猫の日」であることはもちろんご存知だろう。ちなみに猫の日は、猫の日実行委員会が1987年に定めたとWikipediaに書かれており、制定から30年近く経っている猫による猫のための記念日である。

 さて、時折思い出したように猫情報をお届けしている我々PC Watchだが、筆者は今日、吉祥寺の猫カフェ「てまりのおうち」さんに潜入し、取材を行なってきた。なんでもあのPhotoshopなどで有名なアドビ システムズがスマートフォンを使用した猫撮影講座とともに、猫写真家の石原さくら氏を招き“猫と仲良くなる方法”を伝授されるとのこと。

 普段物言わぬハードウェアに愛を感じる我々PCオタクと言えど、やはり卑怯なまでの愛くるしさを振りまく猫の前には形無しである。骨抜きである。「これは猫好きが集まるPC Watchとしてぜひとも取材に行かねばならない!」。使命感に燃えた筆者は取材地の武蔵野市吉祥寺へと赴いたわけである。

猫カフェ「てまりのおうち」
場所は東京都武蔵野市吉祥寺本町2-13-14の3階
「てまりのおうち」に着くと、取材者用の机とござが用意されていた
取材者への注意書き。取材中は踊り子……ではなく、猫の抱っこなどは固く禁じられている。各自猫じゃらしが配備
プレゼン中も我が物顔で振る舞う猫たち。ここまで集中できない取材も初めてだ
筆者がキーボードを叩いているときに猫が机に乗って来た。抱きしめたい(懇願)
猫写真家でデボンレックスとシンガプーラのブリーダーでもある石原さくら氏

 猫写真家の石原さくら氏はまずこう説く、「猫には小さな子供に話しかけるように接しましょう」と。大きな声を出すと驚いてしまうし、急にワーッと接近を図っても警戒させてしまうだけ。これでは猫とお近付きにはなれない。猫と仲良くなるにはちょっとずつアプローチしていく必要があるそうだ。これは外にいる猫や猫カフェで良好な猫体験をするために重要とのことで、石原氏は「かわいいねえ、いい子だねえ」と優しく接していきましょうとおっしゃっていた。

 「人間は猫からすると大きいので、急に触ろうと手を伸ばすと威圧感で怖がらせてしまいます。外では完全にNG。写真が撮れません」、「顔を覗き込む行為は御法度で、これは猫同士でやっている威嚇行為と見なされます。目が合ってしまったら何回かゆっくりと瞬きし、敵じゃないですよという猫流の挨拶をしてください」、「お互いにリラックスできることが大切です。できるだけ猫と同じ目線になるように座るなど位置を低くしましょう」、「スマホで撮るならカメラ部分が下になるようにすると猫目線で撮れます」など、石原氏は猫と仲良くなるための的確なアドバイスを聞かせてくれた。

「かわいい!」と思っても、ぐっとガマンで大きな声を出さない
「かわいい!」と思っても、すぐには近付かない
「かわいい!」と思っても、急に触らない
「かわいい!」と思っても、顔を覗き込まない
とにかくリラックスすること、させることが大切
猫モテテクニックその1「おもちゃ」。おもちゃは猫の興味を引くために有効なアイテム
猫モテテクニックその2「新しいもの好き」目新しいものが来るとどうしても気になってしまうそうだ
猫モテテクニックその3「よそ見」。大抵の猫は構おうとすると逃げがちだが、逆にそばで無視していると構って欲しくてちょっかいを出してくるそうだ。これは知ってる、“ツンデレ”みたいなもんでしょ?
家の猫の場合、カメラとスマートフォンに慣れてもらい、撮影タイムが楽しいと思ってもらえるようにする良い
猫カフェでは深追いしない。やり過ぎるといやがられてしまう
外の猫はゆっくりと接近を図るアプローチが大切。石原氏は猫にすぐに近付かず、興味がない振りをして向こうが寄ってくるように仕向けるとか……策士だ
猫を可愛く撮るには猫の目線で撮影するのが良いという。猫がいたらしゃがんだり寝転がることに躊躇してはいけない
猫が可愛く見えるアングルはいろいろあり、上から撮ると上目遣いに、下から斜め45度で撮ると口元が笑ってるように見えるとのこと
瞬間的な写真を撮りたいならおもちゃを片手に持って撮影する
撮りやすい写真は猫がジャブ(猫ぱんち)を繰り出していいるところ。ジャンプよりも狙い目という
背景はシンプルな方が良いが、猫の色と同色のカーペットなどだと背景に溶けてしまう

 実は猫を飼ったこともなければ、「ねこあつめ」すらやったことがない猫レベル1の筆者からするといちいち目からウロコである。道端で出会った猫を撮ろうとするとなぜそっぽ向かれてオシリばかり撮影する羽目になるのかようやく合点がいった。普段仏頂面の筆者も「これで猫と親密になれる!」と勝利を確信し、この日ばかりは笑顔(薄気味の悪い)を浮かべていたに違いない。

プレゼンを見ている猫

 石原氏の講座が終わると猫たちの昼食タイムが挟まれ、自由撮影タイムとなった。20人くらいいた各メディアもしくはライターの取材者たちは早速石原氏から教わったテクニック駆使し、猫たちに熱烈なアプローチを図っていく。ちなみに取材者たちの男女比率は男性9割女性1割ぐらいだった。会場(てまりのおうち)では必死に猫たちを追いかける男共の見苦しい姿が拝めたわけだが、全員猫に振り向いてもらおうと必死なので、なり振り構ってなんていられなかった。

一心不乱に昼食をむさぼる猫たち

 その後はアドビ システムズのCreative Cloudエバンジェリストである仲尾毅氏による「Photoshp Mix」の使い方を説明。そう言えばそんな話もありましたねと夢中で猫を撮影していた取材者たちは、渋々と席に戻って仲尾氏の講座に耳を傾けた。

アドビ システムズでCreative Cloudエバンジェリストを務める仲尾毅氏。プレゼン中でも容赦なく猫が襲う

 仲尾氏によればPhotoshop Mixは、PC版のPhotoshop CCのような高機能なものではないが、iOSとAndroid版が用意されており、無料で使用できるとのこと。「スマホで撮影した猫の写真をそのまま共有するのも良いですが、ちょっと加工をしてから共有してみると違いが出て面白い」と仲尾氏は言う。Photoshop Mixでは撮影した猫を切り抜いて、別の背景写真と合成し、そのままInstagramといったSNSに投稿できる機能を備えている。

 アドビ システムズらしく切り抜き機能は優秀で、仲尾氏がスマートフォン上の猫の写真の縁を指でなぞっていくだけで境界を見極めて輪郭が切り取られていった。ミスしてしまった部分も簡単に元に戻し、より合成が違和感なく見えるように境界線をぼかして背景と馴染ませるといった機能も披露。仲尾氏は猫をスタンプ複製するといった機能も駆使し、井の頭公園を飛ぶ3匹の猫の写真を作成して見せた。

Adobe Photoshop MixはiOS/Android用のアプリで無料でダウンロードして使用できる
この写真では猫と背景を合成している
別の背景を合成してみた
ポートレート機能を使うと、モノクロに
猫だけ選択してポートレートの色反転が可能。猫の存在が強調された
飛んでる猫の写真を素材として使うために切り抜く
切り抜き時はピンチインとピンチアウトで画面拡大/縮小を適宜しつつ、輪郭をなぞっていく
井の頭公園の池と合成
猫をコピーして配置
顔認識機能もあり、写真によっては猫も顔として認識できるとか
笑っている顔にすることも

 なかなか貴重な体験ができた今回の取材。石原氏から猫と仲良くなるテクニック知った筆者の猫レベルは、一気に10ぐらいにアップしたに違いない。ちなみに本日に限って、Photoshop Mixのページが猫の日仕様になっているとのこと、ソフトが気になった人もそうでない人も、1日限定の猫ページを確認されたい(Photoshop Mix紹介ページへのリンク)。

CreativeCloudのライブラリにて石原さくら氏の写真が公開されている(リンク)
Photoshop Mixで加工した猫画像でツイートすると抽選22名にオリジナルトートバッグをプレゼントするキャンペーンが本日から3月6日まで行なわれている。ハッシュタグ「#アドビにゃん」を付ける必要がある

猫ギャラリー

 以下、「てまりのおうち」で撮影した猫写真を掲載しているのでご覧いただきたい。なお、取材が終わり外に出てみると、入り口前には30人ほどの女性客が並んでおり、空くのを待っていた。なかなかの人気振りが窺える。

(中村 真司)