やじうまPC Watch

AMDなのにIntel用CPUクーラーが使えるマザーボード

A78F2-TI

 ECSのサイトで、AMDのA78チップセットを搭載したThin Mini-ITXマザーボード「A78F2-TI」に関する製品情報が公開されている。

 Thin Mini-ITXはIntelが提唱する薄型PCのフォームファクタで、マザーボード上のバックパネルI/Oや搭載部品の高さを抑えることで薄型化を実現する。Intelが提唱しているだけあって、Intelプラットフォームでは6シリーズ以降多くの対応製品をリリースしてきたが、AMDは対応製品がなかった。

 A78F2-TIはその状況を打破したとも言える製品で、これによりようやくAMDプラットフォームでも、小型でなおかつ薄型のPCが自作可能になったと言える。

 ここまでならどのメーカーも作ろうと思えばいくらでも実現できそうだが、A78F2-TIのユニークなところは、K8時代から続いたCPUクーラーのリテンションモジュールを装着しておらず、LGA115xソケットのCPUクーラーと互換の位置にCPUクーラー装着用のホールが開いている点だ。

H87H3-TIの画像を重ねたところ

 実際、同社のIntel向けThin Mini-ITXマザーボード「H87H3-TI」と画像を重ねて確認してみたところ、ホールの位置が一致した。

 Thin Mini-ITXでは筐体の薄型化を実現するために、CPU上部にヒートシンクやファンを装着するのではなく、ベース部からヒートパイプを横に伸ばし、マザーボードのスペース外で放熱する仕組みが採られている。

 しかし、現時点ではAMD向けのThin Mini-ITXマザーボードが本製品だけとなるため、AMD向けのThink Mini-ITX対応CPUクーラーやケースを製造しているところはない。よって、本製品は既存のThin Mini-ITXケース/冷却装置がそのまま利用できるよう、LGA115x互換のCPUクーラー装着機構を備えているのだと思われる。

 もちろん、AMDはソケット上にCPUが乗る構造上、Intelよりも厚みが出るし、すべてのLGA115x用CPUクーラーが使えるわけではないだろう。実際固定できるのはバネとネジ、バックプレートで構成されたタイプのCPUクーラーに限られると思われる。とは言え、異なる冷却関連の特許が存在するプラットフォーム間で、固定機構が共通化したのは面白い。

 このほか、2基のSO-DIMMスロット(DDR3)や2基のSATA 6Gbpsポート、2基のMini PCI Expressスロット(mSATA対応)などを搭載。電源はATX用24ピンではなくACアダプタから供給する。

 バックパネルインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×2、Gigabit Ethernet、HDMI出力×2、DisplayPort、音声入出力など。

(劉 尭)