やじうまPC Watch
レノボPCをかけたメディア間バトルロワイヤルが勃発
~そして今明かされるレノボのゲーミングPC復活秘話
(2016/3/25 16:00)
レノボ・ジャパン株式会社は24日、自社のゲーミングPC「ideacentre Y700」を使ってのメディア対抗のゲーム大会を開催した。ゲームタイトルはスクウェア・エニックスのF2Pゲーム「フィギュアヘッズ」によるトーナメントで、全7メディアが参加。優勝賞品のideacentre Y700(ディスプレイ/キーボード/マウス一式)とYOGA Tab 3 Pro 10をめぐっての熾烈な争いが繰り広げられた。
さて、LenovoのゲーミングPCと言えば、2013年の12月に登場した同社初の「Erazer X700」を知っている方もおられるだろう。しかし、マーケット的にはあまり成功したと言えない製品であり、シリーズとして展開されることはなく、フェードアウトしてしまうかに見えていた。
試合開始前の席で、Erazer X700を担当していたレノボ・ジャパン コンシューマ製品事業部 プロダクトマネージャーの藤井宏明氏は、当時のことを“黒歴史”と苦々しくユーモアを交えて語るなど、周囲の笑いを誘っていた。しかし、本音のところではゲーミングPCを出す機会を辛抱強く待ち続けていたということで、会話の節々からゲーミングPCにかける同氏の熱い想いが垣間見えてもいた。
そして、満を持して発売したその2世代目「ideacentre Y700」はレノボ・ジャパンの直販サイトで好調な滑り出しを見せているという。過去の芳しくない販売実績から、ゲーミングPCに対する社内での風当たりが強い中(本人談)、なぜ藤井氏は再度ゲーミングPCに挑戦し、製品化できたのか? 藤井氏は、六本木ヒルズにあったオフィスが、オタクカルチャーの街である秋葉原に移ったこと、それに相まって昨今のeスポーツの勃興が足がかりとなり、社内で「あれ? ゲーミングPCやってもいいんじゃ……」という空気が醸成されていったためという。
ただ、ゲーミングPCを復活させるなら「ideacentre」というブランドはおよそゲームを想起する名前ではない。なぜ「Eraser」を使わなかったか。藤井氏はその和訳からすると少々縁起が悪いということと、過去の実績を鑑み、あえて「ideacentre」を採用したという。ブランド名に関しては悩ましいところだったようだが、Lenovoが展開する“idea”の名称を使った方が良いと判断したようだ。
なお、製品名にある「Y700」に関しては、前回が「X700」だったため、“X”の次の“Y”という意味で付けているそうだ。Erazerというブランドはその名前の通り消えてしまったが、今回のY700がゲーミングPCの紛う事なき第2弾であることは明確に示されている。
そして、製品を展開していく上で、ゲーマー向けのアピールは必須ということで、ゲーミングデバイスのメーカーであるRazerとのコラボモデルを展開するといった施策も行なっている。CES 2016でも展示されていたが、ideacentre X700の上位モデル「ideacentre Y900 Razer Edition」として販売予定とのこと。Y700はアクセントカラーにレッドを用いているが、Y900ではRazerのコーポレートカラーであるグリーンが使われているといった外見上の違いもある。
LenovoはデスクトップのゲーミングPCだけでなく、ノートPCも展開しており、昨年(2015年)の12月に15.6型の「ideapad Y700」を発売済みだ。会場にはパートナーであるNECパーソナルコンピュータ 商品企画本部 コンシューマグループ主任の三島達夫氏も来ており、自身がゲーム好きという理由から別会社ながらLenovoのideapad Y700の企画に携わっていることを明かしてくれた。NEC PCとLenovoの間でリソースの共有が行なわれ、開発体制が最適化されていることは以前から両社が言っていることだが、パートナーでありながらライバルでもある両社の風通しの良さが窺える一面を見ることができた。
前述の通り、Y700の販売が順調とのことで、藤井氏はLenovoによるゲーミングPCの展開に力を入れていく構えだ。
メディア対抗ゲーム大会で割とがんばったPC Watch。から殻割り失敗野郎の営業Mも参戦
さて、今回はレノボ・ジャパンによるゲーミングPCのアピールとともに、その催しとしてメディア対抗のゲーミング大会も開催された。ゲームタイトルはスクウェア・エニックスが現在オープンベータを実施しているF2Pのマルチ対戦ゲーム「フィギュアヘッズ」だ。
フィギュアヘッズはTPS(第三者視点)で戦う5対5のストラテジックシューターとなっており、プレイヤーはロボットを駆り、敵側の陣地を破壊すれば勝利というルールになっている。プレイヤーには自身が操作するロボットのほかに、2機のNPCロボットがサポートとして付いており、それぞれに攻撃や拠点制圧、防衛といった命令を下すことで戦略に深みを持たせられるのが特徴だ。つまりスリーマンセルで行動するアクションTPSなわけだが、例えるならユービーアイソフトが展開しているゴーストリコンシリーズ(フューチャーソルジャーなど)が近いだろうか。
ちなみにフィギュアヘッズのWebサイトを見ると2次元美少女キャラをウリとしているように見え、閃乱カグラで有名な絵師さんの八重樫南氏が描いたキャラクターなどが見られるが、ゲーム中は無骨なロボットの頭にピョコッと吹き出しのように見えるだけなので、そこに期待するゲームではなさそうだ。実際のゲームは割と硬派な出来である。
通常は5対5でやるものの、今回は変則的な2対2でトーナメントを開催。PC Watchを含め、以下の合計7メディアが参加した。
- 4Gamer
- ASCII
- BCNランキング
- ITmedia
- PC Watch
- ファミ通.com
- マイナビニュース
ちなみになぜGAME WatchではなくPC Watchが参加しているのかと疑問に思った方がいるかもしれないが、それは単にPC Watchが(筆者が)出たかっただけだ。GAME Watchはメンバーの都合が付かなかったようである。
PC Watchからは筆者と先日掲載した「CPUを万力で挟んではいけない」で好評?だったAKIBA PC Hotline!の担当営業――M氏とする――が参戦した。彼はジサカーであるとともに生粋のゲーマーでもあるので、ゲームは得意中の得意。「全員ボコボコにしてやりますよ」と鼻息荒く、強い意気込みを見せていた。
【やじうまPC Watch】CPUを万力で挟んではいけない~自称自作派の弊社社員、買って数日でCore i7-6700Kを破壊するhttps://t.co/URRw65HCj2pic.twitter.com/qOBWHf8Uwd
— PC Watch (@pc_watch)2016年3月18日
なお、現地に行くまで特に賞品があると伝えられていなかったので、ただ遊ぶだけかと思っていたのだが、なんと優勝すると「ideacentre Y700」とディスプレイ、そしてRazer製のキーボード&マウスがもらえるという。また賞品には「YOGA Tab 3 Pro 10」(LTEモデル)も付いており、俄然やる気が出たのは言うまでもない。
事前に対戦順を決めるくじを引いていたわけだが、トーナメント表は以下のようになった。
参加人数が7名と中途半端だったため、数合わせのためにレノボ・ジャパンチームが参加している。左側に強豪と思われるファミ通.comや4Gamerがおり、激戦区の様相を呈していた。しかし、そのガチ勢を制してきたのは以外にもジサトラコンビのASCII。後でASCIIの人がポロッと漏らしていたが、実は朝方までフィギュアヘッズを予習プレイしていたとのこと。4Gamerを制したファミ通.comと激戦を見せていたが、見事に打ち破っていた。
なお、我々PC WatchはというとM氏の活躍により、BCNとITmediaを破り、実は決勝に進出していた。準優勝者にはideacentre Y700の本体が提供されるので、とりあえずノルマは達成したなと思っていたのだが、ここまで来たらぜひ勝ちたいもの。これまで通りM氏が先陣を切り、私は後ろを固めるという布陣で挑むことにした。
しかし、フィギュアヘッズはストラテジックシューターを名乗る通り、戦略が鍵を握るゲームだ。ここまでは筆者は割とゴリ押しで勝てていたのだが、ASCIIに有利なポジションを固められ、遠距離からスナイパーに狙撃され、拠点の制圧に苦戦。後で見て分かったが、ASCIIはサブで付いているNPCロボットを要の場所に配置して重要拠点をキープしていたのである。NPCロボットをただ後ろに引き連れているだけだと、ただ狙いやすい的になり、なおかつ拠点の防衛も疎かになる。敗北とともになかなか戦略性があって奥が深いゲームだなと感心した次第。
反射神経ではなく、頭を使って仲間と連携して勝つゲームなので、Call of Dutyシリーズのように展開が早く、身体能力で優位さが出やすいゲームが苦手という人にも楽しめることだろう。
なお、後で優勝者から1回選敗退者まで等しく同じ賞品がもらえることが判明。まんまと乗せられてしまった感はあるが、レノボ・ジャパンの気前の良さに感謝するとともに、PC Watch読者諸氏には「ideacentre Y700」とディスプレイ/キーボード/マウスを一式プレゼントしたい。詳細は後日のプレゼント記事にて掲載する予定である。