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レノボ、同社初のゲーミングデスクトップ「Erazer X700」
~保証対象のオーバークロックツールもプリインストール
(2013/3/12 11:00)
レノボ・ジャパン株式会社は、同社初のゲーミングデスクトップPCとなる「Erazer X700」を3月15日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は17万円前後。
1月のInternational CESでも展示された製品。元々は2011年8月にLenovoが買収した独Medionによる製品で、すでに欧州と中国では発売済み。日本は3地域目の発売になるという。ただし、日本市場に合わせ、スペックなどは一部カスタマイズしている。
レノボ・ジャパン執行役員専務の大岩憲三氏は「日本ではThinkPadを軸にコンシューマ市場へ挑戦してきた。そのコンシューマ市場ではコストパフォーマンスの強さを基軸に展開してきたが、その次の取り組みとしてブランド認知度の向上や製品の付加価値を高めることを行なっている。それが2012年から行なったUltrabookとコンバーチブルモデル。それに続く第3弾が今回のErazerである」と話し、本製品をコンシューマ市場獲得に向けた戦略的製品と位置付けている。ちなみに、同社のデスクトップPCラインナップの中での位置付けは、IdeaCentre K430などのKシリーズの上位に位置付けられる。
1モデルのみの販売で、直販サイト、量販店ともに同じスペックとなる。また直販サイトにおいても、スペックのBTOには対応しない。これについてレノボジャパン コンシューマデスクトップ製品担当 藤井宏明氏は「レノボ・ジャパンにとってゲーミングPCは初めての取り組みなので、まずは1モデルを発売し、販売状況や動向を見て考えたい」としており、今後上位スペックの製品や、小型筐体のエントリーモデルなどのラインナップ拡充が検討されているという。
また、ゲーミングPCへの参入にあたっては、パートナーシップも力を入れている。本製品の記者向け説明会には、搭載GPUのチップメーカーであるNVIDIAがGeForce GTX 660の優位性を紹介したほか、カプコンの担当者が3月22日に発売を控える「バイオハザード6」のPC版ならではのポイントを紹介した。ちなみにErazer X700はバイオハザード6のほか、シムシティ、Call of Duty Black Opsの推奨スペックPCとして認定されている。
ちなみに、本製品はデスクトップPCでありながら、キーボードやマウスなどが一切付属しない製品となる。これは「ゲーミングPCを購入するユーザーは、お気に入りのサードパーティ製デバイスを購入するのではないか」(藤井氏)との判断によるものという。
そこで、事前検証やゲーム推奨PCの認定などにおいて、ゲーミングキーボードやマウスはマッドキャッツ、液晶ディスプレイはアイ・オー・データ機器の協力を得たという。ただし現状、この両社と販売面でのパートナーシップは結ばれておらず、例えば直販サイトからマッドキャッツやアイ・オー・データ機器の製品を一緒に購入するといったことはできない。
保証対象のオーバークロック動作も可能なErazer X700
Erazer X700の外観は中世騎士の鎧をイメージしたもので「金属パネルから青色LEDが漏れるようにしており、中世騎士が未来的な雰囲気を持ったようなデザイン」(藤井氏)が特徴。
HDDやSSDはツールレスでメンテナンスできるようになっている。空きベイは5インチ×2、3.5インチシャドウ×3。5インチベイにはDVDスーパーマルチドライブのほか、2個のHDDホットスワップベイを備えている。
インターフェイスはUSB 3.0×3(前面×1/背面×2)、USB 2.0×7(前面×1/背面×6)、音声入出力、Gigabit Ethernet、DVI×2、HDMI出力、DisplayPort、CF/SDカード/メモリースティック/xD-Picture Card対応カードリーダ。
ちなみに、天板は開閉する構造になっており、内部にはUSB 3.0対応のB端子が用意されている。ここに専用のオプションが搭載されるとのことだが、発表時点では対応オプションが国内販売されない。今後の検討事項であるとした。
主なスペックはCPUがCore i7-3820(3.6GHz)、GPUがGeForce GTX 660(1.5GB)、メモリ8GB、HDD 1TB、Intel X79 Expressチップセット、Windows 8(64bit)。CPUの冷却には“レノボリキッドクーリングシステム”と呼ばれる水冷CPUクーラーを採用している。
CPUのオーバークロックにも対応。プリインストールされたチューニングツール「Erazerコントロールセンター」からオーバークロックの設定を行ない、本体上部にある「overclock」ボタンを押すことで、設定したクロックで動作する。
ちなみに、Erazerコントロールセンターから設定したオーバークロック動作による故障などについては通常の保証が適用される。これは、確実に動作可能と思われる範囲内でしか設定変更できないようにErazerコントロールセンターが作られているからだ。説明会の展示機で確認した範囲では、CPUの倍率のみが変更可能で、2段階引き上げられるに留まっていた。Core i7-3820は倍率変更に対応したCPUではなく、ベースクロックは変更できないことから、この指定はTurbo Boost時のクロックを引き上げるものとなる。
発売は冒頭で述べたとおり3月15日を予定。同時に外付けの1TB HDDとバイオハザード6のパッケージ版を先着100名にプレゼントするキャンペーンを実施する。