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【懐パーツ】デュアルディスプレイの衝撃、Matrox「Millennium G400 MAX」

Millennium G400 MAX

 1週間この企画をお休みしましたが、単純に筆者が休みだっただけで、ネタが切れたわけではない。約束通りMatrox 3連チャンの最後、「Millennium G400 MAX」を紹介しよう。搭載チップは「MGA-G400」である。

 G400はMatroxが1999年に投入した製品である。言うまでもなく、最大の特徴は「Dual Head」と呼ばれる2系統のディスプレイ出力機能。それこそGeForce 2 MXやRadeon VE以降、低価格ビデオカードでもマルチディスプレイが当たり前となっているが、当時NVIDIA派だった筆者もこの画期的な機能には頭が下がったものである。

 チップは0.25μmプロセスで製造され、従来のG200より3倍高速とされた。256-bit DualBusアーキテクチャの採用により、読み出し/書き込みにそれぞれに独立した128bitバスを持つ。これにより当時3D最高峰だったRIVA TNT 2をも凌駕する性能叩き出し、特に高解像度/多色環境下では威力を発揮した。DirectX 6.0に搭載された環境バンプマッピングをハードウェアでサポートしている点も、注目すべきである。

 G400にはいくつかのバージョンがある。1系統出力の「Millennium G400」と、2系統出力の「Millennium G400 DualHead」、そして空冷ファンを搭載し最大30%の高速化を図ったこの製品である。本製品登場時は史上最高の3D性能であったが、それからわずか数カ月後にNVIDIAから初のGPU「GeForce 256」が発表され、あっさり性能が抜かれてしまったのは言うまでもない。

 搭載しているビデオメモリはSamsung製の「KM4132G112Q-5」である。100ピンPQFPパッケージで、最大駆動周波数が200MHzのデュアルバンクシンクロナスグラフィックスRAMだ。容量は512K×32bit×2バンクなので、1チップあたり4MB、表裏4枚ずつで32MBを実現している。

 ちなみにチップに内蔵されているRAMDACは1系統のみだが、速度は360MHz駆動で、2,048×1,536ドット/32bitカラーという環境下でも85Hzという高いリフレッシュレートを実現していた。もう1系統は外付けで、G400 MAXではこのRAMDACにもヒートシンクが取り付けられている。

ビデオメモリは「KM4132G112Q-5」。ビデオチップ自身は高速化のためファンが取り付けられている