ニュース

AMD、組み込み向け製品強化でパチンコ市場にも進出

~HSA対応となる第2世代組み込みAPU Rシリーズ発表

AMD Rシリーズ
5月20日(現地時間)発表

 米AMDは20日(現地時間)、組み込み市場向けSoC「AMD R」シリーズ5製品を発表した。

 発表されたのは第2世代となるAMD Rシリーズで、「Bald Eagle」(ハクトウワシ)のコードネームを持つ。2013年に発表された第1世代は、2基ないし4基のPiledriver CPUコアと、VLIW 4系Radeon HD 7000シリーズGPUコアを内蔵する32nmのAPUだったが、Bald Eagleは、同数のSteamroller CPUコアとGCN GPUを内蔵する28nm APUとなる。

高性能組み込み向け製品となる「Bald Eagle」。このセグメントでは今後、ARM Cortex A57コア採用の「Hierofalcon」SoCも予定されている

 アーキテクチャの更新により、3Dグラフィックス性能はIntelの同等のHaswellに対して最大44%、第1世代Rシリーズに対して55%、演算性能はそれぞれ46%、66%向上しているという。演算性能が向上しているのは、HSAに対応したためで、GPUの並列処理能力を汎用演算にもより効率的に活用できる。

3D性能は前世代から55%向上
HSA対応も加わり演算性能は66%向上

 また、2月に発表された組み込み向けのメモリオンチップ型GPU「Radeon E8860」と組み合わせることも可能で、この場合デュアルグラフィックスにより、3Dグラフィックス性能はAPU単体より64%向上し、最大で9台(APU側が4台、GPU側が5台)までのディスプレイを接続可能となる。

 なお、GPUコアを内蔵しないCPU製品も提供される。

 各製品の主な仕様は下表の通り。

製品名RX-427BBRX-425BBRX-225BBRX-427NBRX-219NB
CPUコア数44242
周波数(標準-最大)2.7-3.6GHz2.5-3.4GHz2.2-3GHz2.7-3.6GHz2.2-3GHz
GPUコア数86300
周波数(標準-最大)600-686MHz576-654MHz494-533MHzn/an/a
対応メモリDDR3-2133DDR3-1866DDR3-1600未定DDR3-1600
TDP35W35W35W35W17W

 AMDでは近年、PCへの注力を減らし、x86はもとよりARM製品も含んだ組み込み市場向け製品の強化を図っている。ARMでは64bitコアのみを採用することにも表われている通り、組み込みの中でもハイエンドな部類の市場を狙い、製品を供給していくが、中でも、ゲームマシン、デジタルサイネージ、医療イメージング、産業制御と自動化、新クライアント、通信インフラの6分野に集中する。これらの市場では、可視化が関わり、ある程度の性能も求められ、APUがその威力を発揮できるからだ。

 ゲームマシン分野では、家庭用のPlayStation 4やXbox Oneにすでに同社のAPUが採用されているが、同社組み込み製品ディレクターのカマル・コウリ氏は、組み込み市場においては、カジノなどのほか、グラフィックスによる派手な演出が求められる日本のパチンコやパチスロも重要な市場と捉えていると説明する。

 また、HSAに対応したことで、プログラマがメモリ空間の事を意識することなく、ヘテロジニアスなコードを書けるようになり、組み込みという制約のあるフォームファクタの中で、プロセッサの電力を最大限に効率化できるようになるとしている。

AMDカマル・コウリ氏
AMDが注力する6つの組み込み市場
これはデュアルグラフィックスの説明スライドだが、用途の1つとして「パチンコ」と明確に記載されている

(若杉 紀彦)