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ドローン300機が夜空に舞うIntelドローンライトショーがハウステンボスで開催
~開業25周年を記念して8月5日まで毎夜開催
2017年7月24日 14:38
ハウステンボスとインテル、hapi-robo stは、ハウステンボス開業25周年スペシャル企画として、300機のドローンを使った「Intel Shooting Star ドローン・ライトショー」を、7月22日にハウステンボスで開催した。
このショーは、これまでオーストラリアやドイツ、アメリカなど世界各国で開催されているが、日本で開催されるのは今回が初となり、7月22日から8月5日までの期間、毎夜開催される。
開催初日となった7月22日、ハウステンボス内で記者会見が開催され、ハウステンボス 取締役CTO兼hapi-robo st代表取締役社長の富田直美氏が、今回ハウステンボスでIntel Shooting Star ドローン・ライトショーが開催されることになった経緯について説明した。
富田氏は、もともとドローンに造詣が深く、以前よりドローンを使ったショーを開催したいと考え、そのためのドローンやシステムをハウステンボスおよびhapi-robo st自身で開発しようとしていたという。
しかし、その実現には莫大な予算と途方もない開発期間が必要となり、一度は断念。そういったなか、Intel Shooting Star ドローン・ライトショーの存在を知り、自分の夢をIntelがかなえてくれると思い、Intelにコンタクトを取り、計画を開始したという。
その後、実際にIntelのドローン・ライトショースタッフを招き、ハウステンボスの立地や海がそばにあることなどの優位性を実際に見せるなどして説得し、今回のハウステンボスでの開催にこぎ着けた。
最後に富田氏は、「自分で作らなくて本当に良かったと思っています。ドローン・ライトショーのためにぜい肉をそぎ落として、とても軽く、運用システムやプロペラ1つまで、完ぺきに仕上げられていて、私自身非常に感動しました。(ドローンの)プロの私から見ても、信じられないシステムです」とIntel Shooting Starのシステムを絶賛し、説明を終えた。
続いて、Intel ドローンライトショー ジェネラルマネージャーのNatalie Cheung氏が、Intel Shooting Star ドローン・ライトショーで利用されるドローンやシステムなどについて説明した。
今回のIntel Shooting Starドローン・ライトショーで利用されるドローンは、「Intel Shooting Star」と呼ばれるもので、ドローン・ライトショーで利用される機体としては3代目となる最新モデル。
ドローン・ライトショーなどのエンターテイメント用途に特化して独自開発されたドローンで、機体サイズは384×384×93mm(幅×奥行き×高さ)、重量はわずか330gしかなく、カメラなどの不要なシステムはとことん排除して非常にシンプルな設計としつつ、そのなかに高度なテクノロジがつぎ込まれている。底面には赤、緑、青、白のLEDライトを搭載し、約40億色の発色を表現可能。2.4GHz帯域の無線を使用する。
安全性を最大限重視した設計となっている点も大きな特徴。筐体素材にプラスチックと発泡素材を利用して軽量化し、落下時の衝撃を軽減するとともに、4つあるプロペラすべてを保護ケージで囲うことで、安全性が高められている。
また、ドローンはあらかじめ設定された”ジオフェンス”と呼ばれる空間内でのみ飛行するよう設計するととともに、ジオフェンスを2重に設定し、第1段階のジオフェンスに接近したらそれよりも内部に移動、そして第2段階のジオフェンスに達したらその場で電源が切れ落下するように設定しているという。これによって、万が一ドローンがジオフェンス外に出てしまっても、観客のいる場所に落下することがないように配慮されている。
今回のドローン・ライトショーは、300機のIntel Shooting Starを利用するが、フライトコントロールはパイロット1名と補助パイロット1名の、合計2名のみで行なう。
とはいえ、ドローンはあらかじめ設定された飛行パターンにしたがって自律制御で飛行するため、フライト開始を指示することと、万が一のトラブル時に速やかにドローンを着陸させることが、パイロットの主な役割となる。
フライトシステムは、2016年にIntelが買収した「Ascending Technologies」が開発したオートパイロットシステムをベースにしている。そして、Intelがドローンのフライトに関するすべての作業を担当し、ハウステンボスおよびhapi-robo stが日本でドローン・ライトショーを開催するための法的な部分も含めた環境整備、そしてショーのコンテンツ制作などを担当したという。
今回のハウステンボスでのIntel Shooting Star ドローン・ライトショーでは、夜空にエイのような生き物が泳ぐ様子や、花のようなユニークな形状のアニメーション、ハウステンボスのロゴ、Intelのロゴなどが、幅120m、奥行き120m、高さ150mの範囲で展開されるが、それらは300機のドローンにより3Dアニメーションとして実現される。
そのため、見る場所によって形が異なって見えることも特徴となっている。そのため、富田氏やCheung氏は、「いろいろな場所から見て、違いを楽しんでほしい」とアピールした。
最後に、実際に7月22日に開催されたIntel Shooting Star ドローン・ライトショーの模様を写真で紹介する。
7月22日は、ハウステンボスで非常に大きな花火大会「夏一番花火大会2017」が開催され、その花火大会終了直後にIntel Shooting Star ドローン・ライトショーが開催されたため、非常に多くの来場客が花火とともにIntel Shooting Star ドローン・ライトショーを楽しんだ。観客からは、花火とはまったく異なる、これまでにないまったく新しい夜空のライトショーを目の当たりにして、花火大火に負けないほど多くの歓声が上がった。
冒頭でも紹介したように、このハウステンボスでのIntel Shooting Star ドローン・ライトショーは、最終日となる8月5日まで毎夜開催される予定だ。
夜空に展開される300機のドローンによる3Dアニメーションは、写真や動画だけではその臨場感を感じることは不可能。そのため、実際に足を運び、その目で体験することをお勧めしておく。もちろん、その価値は十分にあるので、開催期間中にハウステンボスを訪れる予定があるなら、Intel Shooting Star ドローン・ライトショーも忘れずに鑑賞してもらいたい。