やじうまミニレビュー

有線/無線両対応の多ボタンゲーミングマウス、ASUS「ROG Spatha」

~スイッチを交換可能、実際に分解してみた

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。

 既報の通り、ASUS JAPAN株式会社は8日、R.O.G.ブランドより、側面に6つのボタンを備えた有線/無線両対応のゲーミングマウス「ROG Spatha」を発表した。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は21,500円前後の見込み。

 9月9日より秋葉原のソフマップ秋葉原本館および、ツクモDOS/Vパソコン館にて先行販売されており、全国販売は10月15日からの予定。

 今回、同社より製品をお借りすることができたので、写真で紹介したい。

 まずパッケージだが、外箱がほかのマウス製品に比べて明らかに厚い。実測で約165×185×114mm(幅×奥行き×高さ)という大きさは、ほかに類を見ないのではないだろうか。

 そんな大きさの箱を開けてみると、中には本体と取扱説明書およびR.O.G.証明書のほか、「R.O.G.オリジナルキャリングケース」が入っている。大きさの理由は、このキャリングケースにあったようだ。

 ケースには、無線レシーバ機能付き充電ドック、編みタイプUSBケーブル(2m)、ラバータイプUSBケーブル(1m)、交換用スイッチ(オムロン D2F-01F)×2、分解用の星型ドライバ、R.O.G.ステッカー×2が収納されている。

 これはキャリングケースという名の通り、マウスを持ち運ぶためのケースにもなる。最近のASUSはLANパーティーなどでの持ち運びを想定しているのか、ノートPCにスーツケースを付属していたりするので、その流れを汲んだものと思われる。

外箱
パッケージの中身
キャリングケースの中身
キャリングケースには本体を収納可能だが、本体収納時はスタンドなどは入らない

 マウス本体を見てみると、左側面に備えた、独特な形状の6つのボタンが目立つ。MMO向けマウスを謳っていることもあり、側面多ボタンタイプの設計を採用している。上面には左右メインクリック、ホイールのほか、DPI変更用のボタン×2を備える。

 右側面には、滑り止めとしてパターンが彫られたラバーを配置。底面には、独自の形状のソールを4つ備えている。劣化してしまった場合、交換用のソールが公式に用意されているのか不明だが、形状を見るに、汎用ソールの装着も可能だと思われるので、問題ないだろう(右ソールの細い箇所でも幅は4mmほどあった)。

天面。電源を入れるとLEDが発光する
色は変更可能
左側面
側面ボタンも光る
右側面
前面
Micro USBを備える
後面
裏面

 本マウスは大きな特徴として、元々搭載する2,000万回のクリックに耐えるというオムロン製高耐久スイッチ「D2FC-F-7N(20M)」と同タイプのスイッチであれば、自由に交換が可能となっている点が挙げられる。先ほどのキャリングケース内にも、D2FC-F-7N(20M)より若干重いクリック感を持つオムロン製スイッチ「D2F-01F」が付属している。

 実際に交換を行なってみたが、手順は以下の写真の通りで、特に苦労することもなく交換できた。

まずゴムキャップを外す
付属の星形ドライバでネジを外す
トップカバーを外す
本体内部
なおこれ以上の分解は保証対象外となる
バッテリや側面スイッチ用のケーブルが剥き出しなので引っかけないように注意
交換可能なメインスイッチ
ソケット式なので指で引っこ抜ける

 充電ドックは無線レシーバと兼用で、接続時にはLEDが光る。ドックにはスタンドが付属しており、マウス本体を立てかける形でも設置が可能。ドック、マウスともに磁石を内蔵しているため、簡単に外れることはない。

 普段筆者は自宅、オフィスともに有線マウスを利用しているのだが、やはり無線マウスを触ると、ケーブルレスは便利だなと思わされる。

充電ドック裏面。Micro USBポートを備える
ドッキング時
ドックはスタンドで立てることも可能
ドッキング時

 持ってみると、サイドボタンの抵抗感がちょうど良いと感じた。軽すぎると持ち上げる際に握りこんで誤クリックしてしまい、重すぎると何度かクリックするだけで疲労してしまうため、サイド多ボタンデザインのマウスにとっては重要な点だ。上下4ボタンに比べて中央の2つが若干押しにくいが、手首側のボタンが押しにくくなるのは多ボタンマウスの宿命とも言えるので、問題があるとは言いがたい。

 メインスイッチは軽快なクリック感。DPI変更ボタンは少々重いが、逆に軽ければゲーム中の誤クリックにも繋がるため、正しい設計だろう。

持ってみた
上面から

 搭載するレーザーセンサーは、解像度は最高8,200dpi、最大トラッキング速度は150ips、最大加速度は30Gというゲーミングマウスらしい高性能で、レポートレートは有線2,000Hz/無線1,000Hzとなっている。

 今回はPCと無線で接続して試用してみたが、筆者が普段使っている有線ゲーミングマウスと比較しても遅延などは感じなかった。

 しかし、今回の検証で1つだけ本製品の問題が発覚してしまった。それは前述のレシーバと接地するため、「本体に磁石が内蔵されていること」で、当編集部で使っている机がスチール製のため、吸着してしまうのだ。家庭でスチール製のデスクを利用している方は少ないと思われるが、もしオフィスなどでの利用を考えている場合は、一度オフィスで利用している机の材質を確認してから購入することをおすすめしたい。

 「2万円超えのマウス」と聞くと、かなり高価に思えるが、“無線”ゲーミングマウスというジャンルでは、他社製品を含め2万円前後がボリュームゾーンとなっている。その中では、スイッチが交換可能という機能や、多数の付属品など、本製品の持つアドバンテージに魅力を感じるならば、買いの製品と言えるだろう。