西川和久の不定期コラム
日本HP「HP Pavilion 11-n000 x360」
~液晶が360度回転するBay Trail-M搭載ノートPC
(2014/5/24 06:00)
日本ヒューレット・パッカードは5月19日、2014年夏モデルのモバイルノートPCを発表した。今回はその中から液晶が360度回転するノートPC「HP Pavilion 11-n000 x360」が編集部から送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。
4モードに変形できるコンバーチブルPC
これまで同社のノートPCを数多く試用してきたものの、液晶が360度回転するタイプは無く、今回ご紹介する「Pavilion 11-n000 x360」は、Lenovoの「Yoga」シリーズと同様、普通のノートPCモードに加え、スタンドモード、テントモード、タブレットモードと、4つのモードに変形できるコンバーチブルPCとなる。
「Pavilion」シリーズなので、対象は一般ユーザーであり、スペックなどをある程度抑え、価格を優先した構成になっている。主な仕様は以下の通り。
【表】日本HP「Pavilion 11-n000 x360」の仕様 | |
---|---|
プロセッサ | Celeron N2820(2コア、クロック 2.13GHz /バースト時2.39GHz、キャッシュ1MB、 TDP 7.5W/SDP 4.5W) |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 500GB(ハイブリッドHDD) |
OS | Windows 8.1(64bit) |
ディスプレイ | 11.6型HD(光沢)、10点タッチ対応、1,366×768ドット |
グラフィックス | プロセッサ内蔵Intel HD Graphics、HDMI出力×1 |
ネットワーク | Ethernet、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0 |
その他 | USB 3.0×1、USB 2.0×2、 SDカードスロット、92万画素Webカメラ、 音声入出力、加速度センサー、 デジタルコンパス、ジャイロスコープ |
バッテリ駆動時間 | 最大4.5時間 |
サイズ/重量 | 308×215×21.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.5kg |
店頭予想価格 | 65,000円前後(税別) |
プロセッサはBay Trail-MのCeleron N2820。2コアでクロックは2.13GHz。Burst時には2.39GHzまで上昇する。キャッシュは1MB。TDPは7.5W、SDPは4.5W。Bay Trail-Tほど省エネではないものの、Core系と比較すれば、随分省エネなのが分かる。
メモリは4GB、ストレージはハイブリッドタイプの500GB HDDを搭載している。OSは64bit版Windows 8.1。手元に届いたシステムはWindows 8.1 Updateにはなっていなかった。日本HPはUpdate適用済みのデスクトップPCを出しているが、ノートPCはまだのようだ。
ディスプレイは光沢式11.6型のHD解像度(1,366×768ドット)で10点タッチ対応。グラフィックスは、プロセッサ内蔵Intel HD Graphics。外部出力用としてHDMIを備えている。
ネットワークは有線LANがEthernet、無線LANがIEEE 802.11b/g/n。Bluetooth 4.0にも対応。Gigabit Ethernet非対応なのは残念なところだ。
そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×1、USB 2.0×2、SDカードスロット、92万画素Webカメラ、音声入出力、加速度センサー、デジタルコンパス、ジャイロスコープ。
一通り揃っている上に、このクラスのノートPCとしては、デジタルコンパス、ジャイロスコープを内蔵しているのは珍しく、タブレットモードでの使用を意識してのことだろう。
サイズは308×215×21.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.5kg。バッテリ駆動時間は最大4.5時間。モバイルPCとして考えると重量とバッテリ駆動時間が今一歩か。店頭予想価格65,000円前後(税別)も内容を考えると若干高めかも知れない。
筐体は本体のフチも含め真っ赤。少し派手だが、個人的には好みだ。Beats Audioのロゴも目立つ。塗装は指紋が付きにくい「ソフトタッチペイント」を採用。実際気になるような指紋は付かないのが特徴だ。
液晶パネル中央上にWebカメラ、中央下にWindowsボタン。左側面にロックポート、電源ボタン、USB 2.0×1、音声入出力、音量±ボタン。右側面に電源入力、Ethernet、HDMI、USB 3.0×1、USB 2.0×1、SDカードスロット、HDDアクセスLEDを配置。裏は手前にスピーカーがある。メモリなどへアクセスする小さいパネルは無いが、Bay Trail-Mと言うことを考えると特に必要無いだろう。バッテリは内蔵式で着脱はできない。付属のACアダプタのサイズは約90×35×25mm(同)、重量169gとコンパクトだ。
液晶パネルは10点タッチ対応の11.6型を搭載している。IPS式でないため視野角は狭く、発色もクラス相応と言ったところ。あと一歩のクオリティアップを望みたい。
キーボードの周囲やパームレストはつや消しのアルミ素材を採用。他の赤い部分とのコントラストがいい感じだ。タッチパッドも同様の素材が使われ、物理的なボタンが無い1枚プレートタイプとなっている。
キーボードは10キー無しのアイソレーションタイプだ。たわみも無く、個人的には合格ライン。また一部狭くなっているが主要キーのキーピッチは約19mm確保され、配列なども普通で扱い易いキーボードとなっている。ファンクションキーはそのまま押すと機能キー、[Fn]キーとの併用で従来のファンクションキーの動作となる。
発熱や振動、ノイズに関しては試用した範囲では特に気にならなかった。特に同社の場合、発熱に関しては昔から「HP Cool Sense」を搭載し、効率的にコントロールしている。
サウンドはBeats Audioのロゴが付いているだけに、クラスの割に迫力のある音楽が再生できる。また意外だったのはテントモードで、この形状にすると、裏手前にあるスピーカーが、前を向く上、机に音が反射して、結構いい感じに鳴ってくれる。音楽や動画を再生するときは、テントモードにした方がより楽しめるだろう。
なお、360度回転するヒンジ部分はメーカーによると45,000回の開閉テストが行なわれており、安心していろいろなモードに変形させることができる。
Bay Trail-Mなのでパワーはそれなり
OSは64bit版Windows 8.1。先に書いた通りWindows 8.1 Updateはあたっていない。スタート画面とアプリ画面は2画面。デスクトップは、壁紙の変更とマカフィーへのショートカット1つ。タスクバーにピン止めが3つとシンプルだ。
HDDは500GBでハイブリッドタイプの「ST500LM000」を搭載。事実上C:ドライブのみの1パーティションで約449GBが割り当てられ空きは424GB。メモリ4GBでHDD 500GBと、Windowsマシンとしては標準的な構成だが、ハイブリッドHDDのキャッシュが効いているのか、気持ち普通のHDDよりサクサク作動する感じがする。
有線LANはRealtekのPCIe FE Family Controller、Wi-FiはRalink製、BluetoothはMediatek製だ。センサーに複数のデバイスも見える。
プリインストール済のソフトウェアは、Windowsストアアプリが、「Fresh Paint」、「HP Connected Photo」、「HPに登録」、「Windows 8入門」、「YouCam」、「マカフィーセントラル」。どちらかと言えば同社のアプリが中心の構成だ。
デスクトップアプリは、「HP Control Zone」、「HP SimplePass」、「HP AC Power Control」、「HP Support Assistant」、「Beats Audio」、「CyberLink Media Suite」、「HP Utility Center」、「HP Recovery Manager」、「マカフィーリブセーフインターネットセキュリティ」など。こちらも同社のユーティリティ系が中心となっており、必要以上にソフトウェアはインストールされていない。
ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2の結果を見たい。バッテリ駆動時間テストはBBench。またCrystalMarkの結果も掲載した(今回は2コア2スレッドと条件的には問題ない)。
winsat formalの結果は、総合 3.9。プロセッサ 4.9、メモリ 5.9、グラフィックス 3.9、ゲーム用グラフィックス 4、プライマリハードディスク 5.9。PCMark 8 バージョン2は1193。CrystalMarkは、ALU 11837、FPU 13569、MEM 15896、HDD 12734、GDI 5369、D2D 3312、OGL 3858。
2コアのBay Trail-MだけにCoreクラスと比較するとそれなりに遅い。とは言え、プロセッサ 4.9、メモリ 5.9なので、普通のアプリケーションであれば気にならないレベルで作動する。
BBenchは、省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残9%で15,399秒/4.3時間。仕様上の最大4.5時間とほぼ同等の結果となった。バッテリも着脱できないので、1日外で使うのには無理がありそうだ。
以上のようにHP「Pavilion 11-n000 x360」は、液晶が360度回転し、通常のノートPCモードに加え、スタンドモード、テントモード、タブレットモードと4つのモードに変形できるコンバーチブルPCだ。モバイルデバイスとして考えた場合、デジタルコンパス、ジャイロスコープを搭載しているもの魅力的。
プロセッサがBay Trail-Mなので、あまりパワーが無く、バッテリ駆動も4時間強だが、カラーリングも含めデザインがお洒落と言うこともあり、ライトにタッチ対応のWindows 8.1を使ってみたいユーザーにお勧めの1台だ。