■西川和久の不定期コラム■
レノボ「ThinkPad X100e」
2004年に購入した「ThinkPad X31」を相変わらず使っている筆者であるが、まだまだ元気とは言え、去年あたりからそろそろ新しいノートPCが欲しくなってきた。ただネットブックも含め、欲しい条件を満たすものがなかなか出てこない。そして今月、やっと「これかも!」と言うノートPC、「ThinkPad X100e」が発表され、レビュー用に実機が届いたので、ワクワクしながらのレポートをお届けしたい。
ThinkPad X31は古過ぎるモデルなので、あまり参考にはならないと思うが、仕様はCPU Pentium M 1.40GHz(L2 cache 1MB)、チップセット Intel 855PM、メモリ PC-2100 DDR SDRAM/最大1GB、グラフィックス ATI MOBILITY RADEON (AGP 4X) 、HDD 70GB(元々は40GB)、Gigabit Ethernet(GbE)、IEEE 802.11a/b/g、12.1型液晶パネル/1,024×768ドット、サイズ273×223×24.9~30.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量1.64kg。
主な用途は、撮影現場でのデータバックアップと画像の確認、ロケ先でのメールやネット、ちょっとした画像処理、オフの時にBGMを流すプレーヤー……と言った感じだ。あまり大した事には使っていないので、現状でも不満らしい不満は無く、バッテリと液晶パネルは老朽化しているが、どこも痛んでいないので、ずっと買い換える気がしなかった。ただ、さすがに5年以上も経っているので、そろそろ新しいのが欲しくなり、去年(2009年)あたりから条件に合うノートPCを探していた。先のスペックからも分かるように、仕様的にはネットブックでも十分許容範囲内だ。
さて筆者の条件は何かと言うと、「パネルは12型前後で解像度1,366×768ドット」、「有線LANはGbE対応」、「キーボードがしっかりしたもの」、「ボディに模様などが無くシンプルなもの(できれば非光沢)」、「重量は1.5kg前後」……たったこれだけ。解像度以外これらは全てThinkPad X31の満たしている仕様だ。CPUパワーやバッテリ駆動時間などは、今時のノートPCなら特に問題無い範囲。もちろん価格は安いに越したことは無いが、10万円未満だとありがたい。
この条件で意外と厳しいのが「有線LANのGbE対応」となる。ご存知のように、ネットブックは一部の例外を除くと、100BASE-TXまで。CULVノートPCも13~14型パネルモデルはGbEになっているものの、多くの11~12型パネルモデルはほとんど100BASE-TXだ。5年前のThinkPad X31でさえGbEなのに、この点だけは時代が逆行しているように思える。GbEが欲しいのは、撮影データをメインで使っているPCへネットワーク経由で転送する時、100BASE-TXだと、とんでもない時間がかかるのがその理由だ。
パネルのサイズに関しては、13~14型のパネルで1,366×768ドットの解像度は、妙に文字が大きく見える上、ボディのサイズがそれなりになるので、できれば12型前後がいい。キーボードに関してはずっとThinkPadを使っている関係上、フラフラしたりたわむものは感覚的に合わない。トラックポイントに関しては、さすがにタッチパッドに慣れてしまったので、必須条件ではなくなってしまった(笑)。
話は長くなってしまったが、以上のことを踏まえて手元に届いたThinkPad X100eの仕様を見てみたい。
ThinkPad X100e | |
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CPU | AMD Athlon Neoプロセッサ MV-40 1.6GHz(L2 cache 512KB) |
チップセット | AMD M780G |
メモリ | 2GB/PC2-5300 DDR2×1(2スロット/空き1、最大4GB) |
HDD | 250GB |
OS | Windows 7 Home Premium(32bit) |
ディスプレイ | 11.6インチTFTカラー液晶LEDバックライト(非光沢)、1,366×768ドット、チップセット内蔵ATI Radeon HD 3200、アナログRGB出力 |
ネットワーク | GbE(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)、IEEE 802.11/b/g/n、Bluetooth(V2.1+EDR/無しオプション) |
その他 | USB 2.0×3(内1つはpowered)、Webカメラ、4in1カードリーダ、ヘッドフォン出力、デジタルマイク |
サイズ/重量 | 282×209×15~29.5(H)(D)mm/約1.5kg |
バッテリ/駆動時間 | 6セルバッテリ/約5.3時間 |
いかがだろうか。先にあげた筆者の条件を全て満たしているのが分かる。CPUは、AMD Athlon Neoプロセッサ MV-40 1.6GHz(L2 cache 512KB)、TDPは15W。IntelのAtomプロセッサ対抗となるだろうか。Hyper-Threadingなどには対応していないシングルコア/シングルスレッドだ。メモリは標準で2GB。ただし、1枚なのでシングルチャンネル作動となってしまう。もう1枚2GBを加え、計4GBにするとデュアルチャンネル作動になるので、メモリや内蔵グラフィックスのパフォーマンスアップが期待できる。この辺りは後半で検証したい。そしてグラフィックスは、チップセット内蔵のATI Radeon HD 3200。DirectX 10、動画支援機構がありフルHD対応だ。非光沢の液晶パネルも筆者としては嬉しい部分。更に同社が独自に開発/チューニングした、Windows 7向けにシステムを最適化する技術「Windows 7 Lenovo Enhanced Experience」にも対応している。
若干惜しい点としては、CPUがシングルコア/シングルスレッド、そしてアナログRGB出力のみというところだろう。できればデュアルコアのTurion X2などのオプション、そしてせっかくグラフィックスが対応しているのだからHDMI出力も欲しいところだ。ボディの右側にはスペースもある。
カラーバリエーションは、ミッドナイト・ブラック、アークティック・ホワイト、そしてヒートウェーブ・レッド(直販のみ)もあるが、ThinkPadと言えばつや消しのブラックのイメージが強い。
ダイレクトショップでの価格は、メモリ1GB、HDD 160GB、3セルバッテリ、Wi-Fi/Bluetooth無しの最小構成で59,800円(2010年1月現在のキャンペーン価格)から。今回届いた構成だと68,565円(同)となる。BTOで選べるのは、Windows 7 Home Premium/Windows 7 Professional/Windows XP Professional(いずれも32bit版のみ)、カラー、メモリ 2GB/3GB/4GB、キーボード 日本語/英語、HDD 250GB/320GB、バッテリ 3セル/6セル、Bluetooth、Wi-Fi、Microsoftソフトウェアだ。メモリを最大4GB搭載できるのでOSは64bitも選べる方がいいのだが、現在のところBTOメニューには無い。
ネットブックはもちろん、CULVノートPCの安価なモデルと比較してもCPUパワーの割に少し高めだが、ThinkPadの冠にふさわしいプラスαがあれば納得の価格となる。
ThinkPad X100eの仕様などは、すでに公開済みなので事前に分かっていたが、一番気になったのは、ThinkPadとしては非常に安価なモデルなので、「質感」と「キータッチ」が不安要素だった。しかしこの点については、梱包から本体を取り出し開いた時点でいらぬ心配だったことが直ぐに分かった。やはりThinkPadはThinkPadだ。IdeaPadとは全く異なっている。
価格を抑えるため、炭素繊維強化プラスチックを使っていないボディは、安っぽく見えると思ったが、実機を目の前にすると確かに少し従来のThinkPadとは質感が異なるものの、十分合格点。妙にデザインの入ったノートPCよりシンプル&ソリッドでかっこいい。最近流行の光沢天板ではなく、マットな感じなのも指紋あとなどが目立たず、現場で使うには逆に適している。また、強度を増すため、曲線のドーム形状になっている。これは良く見れば、もしくは、定規を天板にあてれば確かにドーム型だと分かるものの(そう言えば、裏返してパネルを外す時に不安定だった)、パッと見た感じは何の変哲も無い普通の天板だ。
重量は6セルバッテリ搭載時で実測1,485g。ThinkPad X31が1.64kgと約200gあるかないかの差であるが、持った感じは随分軽い。ただし、バランス的には後ろの方が重くなる。バッテリ本体は実測337gなので、3セルにすると1.4kgは切りそうな雰囲気だ。後ろの出っ張りも無くなるので、出先によって使い分けたいところ。
11.6型の液晶パネルは非光沢。十分明るく映り込みも無く快適だ。ただし視野角は、上下左右共結構狭い。左右に関してはパネルが小さい分あまり気にならないが、上下に関してはパネルの角度をちょっと変えただけでコントラストなどに差が出てしまう。この辺りは価格的に仕方ないところかも知れない。また、発色に関しては標準設定で色温度が高め、そしてグリーン被り気味。調整するとバランスは良くなるが、赤が非常に地味な発色だ。写真や動画を観る場合、もう少しパンチの効いた赤色が出て欲しいところ。ThinkPad X31の12.1型1,024×768ドットから11.6型1,366×768ドットへの変化は、ドットピッチの関係上若干文字が小さくなる。確かに小さいと言えば小さいが、40代後半の筆者が見ても見辛いと言うことは一切なく、パネルサイズと文字サイズのバランスは良いと思う。
キーボードは、ThinkPad固有の7段から一般的な6段に変更された。ただこの部分に関しては、往年のThinkPadユーザーである筆者でさえも普段使わないキーが多く、実はあまり気にしていない部分だったりする。[PgUp][PgDn]キーが矢印キーの周囲に位置が変更されているのが一番大きい違いだ。しかし実際使ってみるとこの位置にこのサイズであるのは悪くない。逆に自然な感じだ。
それよりもキーボードがアイソレーション・タイプになった事の方が大事件。なんと言ってもThinkPadのキーボードは全てにおいて、他のノートPCとは比較にならない優れもの。それが変わってしまうのは一大事となる。しかし、実際にキーを叩いて見ると、いらぬ心配だった。これまで数多くのネットブックやCULVノートPCを触ってきたが、このキータッチは少し柔らかめとは言えThinkPadそのもの。キートップは微妙に凹みがあり、フワフワした感じやたわみも皆無。何の不満も無い。ここだけでもThinkPadの拘りと、コストがかかっているのが十分に分かる。
ThinkPad固有のトラックポイントは、従来機種よりも厚さを0.4mm薄くし、液晶パネルとのギャップを最小にしたとあるが、触ってみると「変わったかな?」と思うほど差がない。動きもトラックポイントそのものだ。タッチパッドに関しては段差があり、サイズ的に小さめだが必要十分。感度も良く動きもスムーズ。ボタンもストロークが長めでクリック感がある割りに、調度良い軽さなので指に余分な力がかからずに済む。
ノイズや発熱に関しては、CPUの使用率100%になるような処理を長時間行なうと、向かって左側のファンが回り出し、暖かくなるほどの熱風も出るが、通常使用時においては静かで気持ち暖かくなる程度だ。パームレスト部分に手を置くと、振動も若干感じられるが十分許容範囲だろう。
それより一番驚いたのが実は音(スピーカー)だった。昔からThinkPadのA4サイズ前後のクラスは、一部例外はあるものの、音に関してはあまり良い印象が無かった。しかし、このThinkPad X100eは、中域を中心にバランスの良い音質はもちろん、音量も十分以上だ。もちろんステレオ。音楽系のコンテンツをフルボリュームで再生すると、うるさく思える程の音量となる。
以上のように、昔からThinkPad大好きの筆者から見てもこのThinkPad X100eは正にThinkPadそのもの。CPUがネットブック並みなので、発表当初は「ネットブックっぽいThinkPadモドキ」を想像していたが、これは逆に嬉しい誤算だ。明らかにIdeaPadとは別次元で、一気に「X31の後釜に欲しい」モードへ突入した。無いものねだりで唯一わがままを言えば、暗い場所で使うときに便利なキーボード照明LED「ThinkLight」が欲しかったぐらいだ。
●安価でもしっかりThinkPad
まず、起動時のデスクトップはアイコンが数多く並ぶこともなく非常にスッキリしている。この辺りは、昔から余分なアプリケーションが入っていないThinkPadそのもの。Windows 7向けにシステムを最適化する技術「Windows 7 Lenovo Enhanced Experience」は、比較対象となりそうなノートPCを持ち合わせていないので何とも言えないものの、特にサスペンドと休止状態が復帰と共にかなり速く、(ちょっと大げさだが)ほとんど瞬時。またこの時点でWi-Fiも既に接続済みだ。電源ONからWindows起動中の画面に切り替わるのも異様に速い。BIOSやドライバなどをチューニングした結果ということらしいが、この技術が最も安価なThinkPad X100eでも有効だ。
ただ気になるのは、画面を表示する(もしくは表示が戻る)のは早いのだが、トラックポイントなど、ポインティングデバイスが使えるようになるまで数秒間が開くこと。例えば、サスペンドから復帰すると、ログインパネルは即表示されるが、マウスを動かそうとしてもなかなか動かない。数秒遅れてやっと反応し始める。この辺りは改善を望みたい。
もう1点気になる点は、標準設定ではタスクバーの右側に「Access Connections」や「省電力マネージャー」が置かれている。この状態で使うのなら何の問題も無いのだが、タスクバーの設定で「小さいアイコンを使う」へ切り替えると、左側に並ぶアプリケーションのアイコンは小さくなるものの、Access Connectionsなどの表示は同じサイズのままで、結果的にタスクバーが細くならない。特にノートPCの場合は、縦方向の解像度があまりないため、タスクバーの状態に応じて表示サイズを切り替えるようにして欲しいところだ。
先に問題点をあげてしまい少し印象が悪くなったかも知れないが、これ以外はお馴染み「ThinkVantage」がハードウェア的に対応できる部分は全て入っている。先にあげたAccess Connections、省電力マネージャー、そしてHDDを衝撃から守る「ハードディスク・アクティブプロテクション・システム」、ドライバやツール、BIOSなどの更新を簡単に行なえる「System Update」など、まさにThinkPadそのもの。もちろんマウスのプロパティには「UltraNav」のタブが見える。これらはIBMのThinkPadの頃から長年引き継がれているツールであり、信頼性も完成度も非常に高く、ThinkPadにはなくてはならないものばかりだ。
中でも「Access Connections」はWindows 7対応と共に強化され、3GやWiMAXにも対応している。実際パネルを開くと、Wi-Fiの右側に、「モバイル・ブロードバンド」、「WiMAX」の表記が見える。ただし、ボディの裏を開けるとスロットはあるものの、どちらもThinkPad X100eでは未搭載なのでグレーアウトの状態だ。
UltraNav | Lenovo ThinkVantage Tools | Lenovo ThinkVantage Toolbox |
ThinkVantageハードディスク・アクティブプロテクション・システム | Access Connections | 省電力マネージャー |
ベンチマークテストは、いつものWindows エクスペリエンス、CrystalMark、BBenchを使用した。Windows エクスペリエンスは、CPUが3.1以外は、このクラスとしては結構良い値になっている。特にGPUは、ゲーム用グラフィックスも含め、新型Atom用のGMA 3150はもちろん、Intel GS45 Expressよりも上だ。ただし、IONプラットフォームよりは劣る結果となっている。CrystalMarkは、最後のOGLのテストで画面がチラついていたので、正常に計れなかった可能性がある。
参考までに、Celeron SU2300(1.2GHz/cache 1MB)+Intel GS45 Expressのメモリ2GB構成のASUS「UL20A」の各値は、 Windows エクスペリエンス インデックス総合3.3、CPU 3.9、メモリ 4.7、グラフィックス 3.5、ゲーム用グラフィックス 3.3、プライマリハードディスク 5.4(ただしWindowsは64bit版)。CPU以外はThinkPad X100eの方がほぼ同等か頑張った値となっている。しかし、CrystalMarkを比較すると、ALU/FPUなど約半分程度のスコアだ。シングルコアかデュアルコアの違いがそのまま現れている。やはり冒頭で書いたように、全体のバランスを考えると、デュアルコアのTurion X2などのBTOオプションがぜひ欲しいところだ。
驚いたのはバッテリ駆動時間。これまで別のノートPCで何回もこのテスト行なってきたが、おおよその目安は、カタログスペックの約半分だった。しかし結果は4.6時間。カタログスペックの約5.3時間には及ばないものの、かなりいい線だ。省電力マネージャーの設定が効いているのだろう。
また、Adobe Flash Player 10.1のハードウェア・アクセラレーションは、内蔵GPUのATI Radeon HD 3200に対応している。試しにYouTubeでHD動画を再生したところ、ノーマルの状態だとCPU使用率はほぼ100%でコマ落ちが発生するが、10.1のβ2では、CPU使用率が50~60%前後まで下がり、全画面表示も含めコマ落ちせずに再生できることを確認した。CPUパワーが無い分、内蔵GPUが補っている格好となる。10.1の正式リリースが待ち遠しいところだ。もちろん、いつもテストで使っている1080pのMP4動画も、ディスプレイの都合で解像度は下がるもののスムーズに再生している。
メモリ2GB×1のシングルチャンネルの状態と、メモリ2GB×2のデュアルチャンネルの状態とを比較するためメモリを増設し、再度Windows エクスペリエンス インデックスと、CrystalMarkでその差をチェックした。
まずWindows エクスペリエンス インデックスは、グラフィックスのみ0.1ポイントの上昇で他は変わらず。ただし、このスコアとは無関係にWindows本体がメモリに余裕が出来る分、体感的にはけっこうサクサク動くようになる。CrystalMarkは、内蔵グラフィックスも含め、メモリが関係する部分が若干のスコアアップだ。いずれにしてもWindows 7が32bit版なので、約1GBは無駄になっている。また経験上、32bitより64bitの方がWindows エクスペリエンス インデックスの値が上がる事が多いため、メモリの無駄も含め、是非BTOで64bit版も選択可能にして欲しい。同時に発表された13.3型パネルを搭載した「ThinkPad Edge」は64bit版も選べるようになっている。
BIOSのAMD-V。標準では[Disable]になっているので、XP Modeなどを使うときは[Enable]に切り替える |
なお、AMD Athlon Neoプロセッサ MV-40は、AMD-Vにも対応している。従ってAnytime UpgradeでProfessional以上にすれば、XP Modeも利用できる。この時、BIOSの標準設定はAMD-V無効になっているので、有効に切り替える必要がある。CPU自体がシングルコアなので、あまりパフォーマンスは期待できないものの、互換性の問題など何かの時には役に立つだろう。
CPUのパフォーマンスが全体のバランスを考慮するとイマイチと言っている筆者であるが、かなり気に入った。事務所だけではなく、自宅にもThinkPad X100eを持ち帰り、いろいろ遊んでいたのだが、実のところ、YouTubeも含めたインターネットや、撮った写真のサムネイル表示/全体表示、音楽と動画の再生程度であれば特にストレスを感じる事も無く普通に使えている。加えてThinkPadらしいキーボードとトラックポイントがあり、気分良く操作できる方が、多少速いCPUが乗っているものの、その辺りがイマイチのノートPCを扱うよりもずっと快適だ。ぜひ量販店などで実機を触って頂きたいのだが、筆者の良く行く店にはIdeaPadはあるものの、ThinkPadは全般的に置いていなかった。この価格帯のThinkPadに関しては、同社にはダイレクトショップだけでなく、量販店対策も行なって頂きたいと思う。
ThinkPad X100eは、59,800円からと安価になったとは言え、ボディそしてキーボード、ソフトウェア、どれを取ってもやはりThinkPadだ。ネットブックっぽさはどこにも無く、比較して少し高くなっている部分はプラスαが十分にカバー。昔からのThinkPadユーザーである筆者でさえも、使っていて気持ちいい。唯一残念なのは、バランス的にCPUパワーが今一歩のところ。できればBTOでデュアルコアのオプションも欲しい。いずれにしてもThinkPad X31の後釜にほぼ確定の1台となりそうだ。