■最新液晶ディスプレイ ピックアップ■
RDT241WH(BK) | |
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液晶サイズ | 24.1型 |
パネル方式 | H-IPS方式 |
表示解像度 | 1,920×1,200ドット |
アスペクト比 | 16:10 |
画素ピッチ | 0.270mm×0.270mm |
表面処理 | ノングレア |
バックライト方式 | 冷陰極管 |
応答速度 | 5ms(GTG) |
コントラスト比 | 900:1 |
視野角 | 水平178度/垂直178度 |
輝度 | 70~300cd/平方m |
表示色 | 約679億6,723万色中、約1,677万色 |
走査周波数 | 水平:31.5kHz~82.3kHz 垂直:56~76Hz(1,280×1,024ドット以下) 60Hz(1,280×1,024より高解像度) |
チルト角度 | 下5度、上30度 |
高さ調節 | 110mm |
スイベル | 340度 |
ピボット機能 | あり |
入力端子 | DVI-D(HDCP対応)×1 DVI-I(HDCP対応)×1 ミニD-Sub15ピン×1 USB 2.0アップストリームポート×1 |
出力端子 | USB 2.0ダウンストリームポート×3 |
スピーカー | なし |
VESAマウント | 対応(100mm×100mm) |
電源 | 内蔵 |
消費電力 | 標準90W |
付属品 | DVI-Dケーブル ミニD-Sub15ピンケーブル USBケーブル×1 電源ケーブル ユーティリティディスク 色調整用チャート |
本体サイズ | 568×220×402~512mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約8.8kg(スタンド含む) |
三菱電機は、同社の液晶ディスプレイの中で、プロレベルの優れた表示品質を誇る「Diamondcrysta Color」シリーズに属する新モデル「RDT241WH(BK)」を発売した。Adobe RGB比107%(カバー率97%)の広色域表示に対応するH-IPS液晶パネルを採用するとともに、ハードウェアキャリブレーション対応のカラーキャリブレーションソフトを付属するなど、プロ用途を強く意識した仕様となっている。価格はオープンプライスで、実売価格は99,800円前後。
●本体デザイン同社の液晶ディスプレイのうち、マルチメディアモデルやスタンダードモデルに位置付けられている製品では、本体に光沢感の強い塗装を施したり、本体下部を曲面にすることで、どちらかと言うとコンシューマ向けの色合いが強くなっているものが多い。それに対しRDT241WH(BK)では、特に目をひくようなデザイン上の特徴はほとんどなく、直線的で非常にシンプルなデザインとなっている。ベゼル部など本体部分は全て非光沢塗装で、画面に集中できるよう配慮されている。
本体サイズは、568×220×402~512mm(幅×奥行き×高さ)。液晶ベゼル部は極端な狭額というわけではないが、24.1型液晶としてはほぼ標準的なサイズと言える。ただ、本体部分の奥行きは、LEDバックライトを採用する製品などと比べるとかなり大きくなっており、横から見るとやや大きく感じる。とはいえ、スタンド部を合わせた奥行きは220mmと大きいわけではなく、設置場所に苦労することはないだろう。
液晶パネル面のチルト角は、下5度から上30度の間、高さ調節は100mmの間でそれぞれ調節可能。加えて、340度のスイベル機構、右に90度のピボット機構も備えている。スタンド後部はカバーが外れるようになっており、ケーブル類をまとめられるようになっている。
液晶ベゼル下部右側には、電源ボタンやOSD操作用のボタンなどが配置されている。カーソル操作用のボタンも含め、全てのボタンが横に並んでいるため、操作に戸惑う場合がある点は少々気になる。ただ、マルチメディアモデルのように多くの入力端子が用意されているわけではないため、我慢できる範囲内だ。
●液晶パネル1,920×1,200ドット表示対応の、24.1型ワイド液晶を採用。パネルの方式はH-IPS方式。Adobe RGB比107%(カバー率97%)の広色域表示に対応しており、高品質な映像表示が可能となっている。視野角は、水平・垂直とも178度と広く、多少視点が移動しても、表示映像の色合いの変化は全くといっていいほど感じられない。応答速度は、中間色で5ms。TN方式の液晶パネルに比べると遅いが、IPSパネルとしては特に遅いわけではなく、映像を表示させた場合でも、残像はほぼ気にならないレベルだ。バックライト輝度は300cd/平方m、パネル表面は非光沢処理が施されている。
●接続端子映像入力端子は、DVI-D(HDCP対応)×1系統、DVI-I(HDCP対応)×1系統、ミニD-Sub15ピン×1系統の計3系統を用意。本体にはスピーカーが内蔵されていないため、音声入力端子は用意されていない。映像入力以外には、USB 2.0アップストリームポート×1とUSB 2.0ダウンストリームポート×3が用意されており、3ポートのUSB Hubとして利用できるようになっている。映像入力端子とUSB 2.0アップストリームポートは、本体背面下部に、USB 2.0ダウンストリームポートは本体左側面にそれぞれ配置されている。
●OSDOSDは、同社のマルチメディアモデルなどに搭載されているものと比較して、非常にコンパクトかつシンプルなデザインのものとなっている。とはいえ、設定できる項目は豊富で、色合いや色の濃さはRGBYCMの6色ごとの調節が可能となっている。もちろん、色温度やガンマなども調整可能だ。
ただし、OSDではそれほど細かな調整は行なえない。例えば、色合いはプラスとマイナスそれぞれ30段階、色の濃さはプラスとマイナスそれぞれ8段階のみでしかない。これは、RDT241WH(BK)では標準で専用のカラーキャリブレーションソフト「EASYCOLOR!3」および「EASYCOLOR!EXPERT」が付属し、細かな調整はそちらを利用して行なうことが基本とされているためだろう。カラーキャリブレーションソフトを利用すれば、より細かな調整が行なえるとともに、ハードウェアキャリブレーションも行なえるため、細かな調整はそちらを利用すべきだろう。
●画質RDT241WH(BK)は、グラフィックスのプロやハイアマチュアをターゲットとした製品であり、表示品質の高さは一目瞭然。入力される映像信号に対し、内部で12ビットガンマ補正を施すことによって、約679億6,723万色中、約1,677万色表示が可能となっており、一般的な液晶ディスプレイではほぼ単色で表現されるような微妙なグラデーションの変化もしっかりと確認できる点はさすがだ。また、輝度ムラも全く感じられず、画面の中央部から端まで、均一の表示品質が確保されている点も特筆すべき部分だ。表示品質に関しては、同社のマルチメディアモデルとの比較でも、明らかに上位に位置すると言っていいだろう。
応答速度は、中間色で5msと、プロのグラフィックス用途をターゲットとした液晶ディスプレイとしては高速な部類に入る。実際に動画を表示させても、残像が気になることはほとんどない。これなら、静止画だけでなく、動画編集用途でも問題なく利用できると考えていいだろう。
一般ユーザーが利用する場合には、HDMI入力が用意されていない部分など、少々使いづらいと感じる点があるのは事実。それでも、デジタル一眼レフカメラなどでの写真撮影を趣味としている人であれば、この優れた表示品質は非常に大きな魅力となるはずだ。当然、標準添付のカラーキャリブレーションソフトを利用した高度なカラーマネージメント機能、ピボット機構も備える高機能なスタンド部など、プロ用途の液晶ディスプレイとして充分な魅力がある。それでいて、実売価格は99,800円ほどと10万円を切っている。プロ向けの液晶ディスプレイとしては安価となっている点も、非常に大きな魅力と言える。プロ用途の高品質液晶ディスプレイを探している人はもちろん、表示品質重視で液晶ディスプレイを探しているデジタルカメラのハイアマチュア層にも広くオススメしたい製品だ。
(2010年 9月 3日)