マウスコンピューター「LuvBook X LB-X200S」
〜1kgを切る軽さを実現したUltrabook



マウスコンピューター「LuvBook X LB-X200S」

発売中
価格:89,880円〜



 マウスコンピューターは、ボディ素材にカーボンファイバー素材を採用することで、1kgを切る超軽量ボディを実現したUltrabook「LuvBook X LB-X200S」を発売した。今回、直販モデルの実機を試用する機会を得たので、スペック面や性能などをチェックしていこう。

●実測989gの超軽量ボディ

 「LuvBook X LB-X200S」(以下、LB-X200S)の魅力は、なんと言っても圧倒的な軽量さを実現している点だ。重量は公称で985gと1kgを切っている。実測では989gと公称値をわずかに上回っているが、この程度なら誤差の範囲内だ(本体に貼られている各種シールの重量分と思われる)。大手メーカー製のモバイルノートでも1kgを切る製品は数えるほどしかないことを考えると、これは非常に大きな魅力と言える。

 また、厚みもUltrabookとしてトップクラスの薄さを実現。前方の最も薄い部分は約5.5mm、後方の最も厚い部分でも約17mmという“くさび形”のデザインを採用しており、数字以上に薄く感じる。重量が非常に軽いので、本体を初めて手にした時には、モックではないかと感じてしまったほどだ。

 この超軽量薄型ボディの実現には、素材に秘密がある。LB-X200Sでは、天板と底面、キーボード面にカーボンファイバー素材を採用している。カーボンファイバー素材には、強度と軽さを兼ね備える特性がある。LB-X200Sでは、液晶パネルのLEDバックプレートを省略し薄型化や軽量化を追求しているそうだが、それもボディにカーボンファイバー素材を採用することで、十分な強度を確保できたからだ。

 耐圧性能が数値で示されているわけではないが、実際に本体をひねって強度を確認してみたところ、本体のたわみは少なく、強度に不安を感じることはなかった。

 本体サイズは、298×194×5.5〜17mm(幅×奥行き×高さ)。11.6型液晶を搭載するモバイルノートとしては標準的なサイズで、高さも含め、MacBook Air 11インチモデルに非常に近い。ブリーフケースなどの薄いカバンにも余裕で収納でき、圧倒的な軽さもあって、可搬性は優れる。

 本体カラーはブラック。天板および底面部は、カーボン繊維の織り込み模様を活かしたクリア塗装加工となっており、光沢感もあってなかなかの質感だ。ただ、指紋の痕が残りやすく、かなり目立ってしまう点は気になった。キーボード面と液晶面はつや消しのブラック塗装となっている。天板部分のマウスコンピューターロゴもそれほど目立つものではなく、全体的にはかなり落ち着いた印象だ。また、細部まで精度の高い加工が施されており、安っぽさを感じることもない。

本体正面。手前は約5.5mmと非常に薄い 左側面。前方から後方に向かって厚くなる、くさび形のボディとなっている 後部。後部は金属素材が採用され、ここだけシルバーとなっている
右側面。後方の最も厚い部分でも約17mmしかない 天板部分。天板と底面、キーボード面には軽く強度に優れるカーボンファイバー素材を採用。デザインはシンプルだが安っぽさは感じない 天板と底面は、カーボン繊維の折り込みがそのまま見えるよう、クリア塗装加工が施されている。光沢感が強い反面、指紋の痕が付きやすい
フットプリントは、298×194mm(幅×奥行き)と、11.6型液晶搭載モバイルノートと比較してほぼ標準的な大きさ。10.1型液晶搭載のAndroidタブレットXOOMよりひとまわり大きい 底面も天板と同じ、カーボン繊維が見えるクリア塗装加工を採用。細部まできちんと加工されている点も嬉しい 本体重量は、実測で989g。公称値よりわずかに重いが、本体に貼られた各種シールの重量分と思われる

●1,366×768ドット表示対応の11.6型液晶を搭載

 搭載する液晶パネルは、1,366×768ドット表示対応の11.6型液晶だ。表示品質は、このクラスのUltrabookに搭載される液晶パネルとしてほぼ標準的で、十分に満足できるものだ。液晶表面は光沢処理が施されており、発色は十分鮮やかだ。ただし、外光の映り込みはやや激しく、上下の視野角がやや狭い点は少々気になる。

 液晶のバックライトにはLEDを採用。輝度は十分高く、明るい野外でも十分な視認性が確保できる。また、液晶上部には照度センサーを搭載し、周囲の明るさに応じてバックライト輝度を自動調節できる。

1,366×768ドット表示対応の11.6型液晶を搭載。表面は光沢処理で発色は鮮やかだが、外光の映り込みは気になる。また上下の視野角もやや狭い 液晶上部には130万画素のWebカメラを搭載。またWebカメラ右に照度センサーを搭載し、周囲の明るさに応じてバックライト輝度が自動調節される

●ピッチ約19mmのキーボードを搭載

 キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプのキーボードを搭載している。本体が薄いため、ストロークはかなり浅いが、クリック感がしっかりしていることもあってか、ストロークの浅さは感じにくい。キーピッチは、縦こそ実測で約16mmと若干狭くなっているが、横は約19mmとフルピッチを確保。11.6型液晶搭載のノートPCに搭載されるキーボードとしては、扱いやすい部類に入るだろう。配列は比較的自然だが、Deleteキーの位置が一般的なキーボードのInsertキーの位置に置かれ、InsertキーはFnキーとの併用になっている点は気になる。また個人的には、カーソルキーの上下が左右キーの半分の大きさとなっている点も気になったが、こちらは慣れれば問題なく扱えそうだ。

 電源ボタンはキーボード右上の、Deleteキーの右、Back Spaceキーの上に配置されている。これはMacBook Airと同じだ。液晶を閉じている状態では電源ボタンが押せないため、カバンに入れている状態で不意に電源が入ってしまうことはない。しかし、キー入力中に誤って電源ボタンを押してしまうことが容易に想像できる。そこでLB-X200Sでは、電源が入っている状態では、電源ボタンを長押ししなければ反応しないように配慮されている。とはいえ、ここに電源ボタンを配置したことで、この付近のキー配列にややしわ寄せが来ているのも事実。できれば、キーボードとは異なる場所に電源ボタンを配置してもらいたかった。

 ポインティングデバイスのタッチパッドは、他のUltrabookでも広く採用されている、クリックボタン一体型のもの。クリックボタンが独立したタイプに比べると、ドラッグなど扱いづらい場面もあるが、パッド面の面積は十分に広く、まずまず満足できる。

 ちなみに、今回この試用機が届いた段階では、タッチパッドの反応が非常に悪く、まともな操作が行なえなかったが、マウスコンピューターのホームページで配布されているタッチパッドの最新ドライバを導入することで解消された。もしタッチパッドの動作に問題があるようなら、最新ドライバの導入をおすすめしたい。

アイソレーションタイプのキーボードを搭載。ストロークは短いものの、クリック感がしっかりしており、比較的素直な配列と合わせなかなか扱いやすい キーピッチは、縦が約16mm、横が約19mmと長方形となっている。ただ、横幅がフルピッチあり、使っていてもそれほど違和感は感じなかった キーボード右上隅に電源ボタンを配置。電源が入っている状態では長押しでのみ機能し、誤操作を防止している。電源ボタンの配置位置の関係で、InsertやDeleteキーの位置が変わっている点は気になる
カーソルキーは、上下のキーが左右のキーの半分のサイズとなっている ポインティングデバイスはクリックボタン一体型のタッチパッドを搭載。パッドの面積は大きく、複数の指を利用したジェスチャー操作にも対応。クリックボタン一体のため慣れないと操作しづらい場面もあるが、他のUltrabookと同等の使い勝手だ

●Sandy BridgeベースのCPUを搭載

 今回試用したLB-X200Sは、マウスコンピューター直販モデルで、CPUにはCore i5-2467M(1.60/2.30GHz)を搭載。量販店で販売されるモデル「LBXC700S」には、Core i7-2657M(1.60/2.70GHz)が搭載される。直販ではCore i7搭載モデルを購入できないので、スペックを重視するなら量販店モデルがお勧めだ。チップセットはIntel HM65 Expressを採用する。

 メインメモリは、標準でPC3-10600準拠DDR3 SDRAMを4GB搭載し、増設は不可能。グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000を利用。ストレージは、120GBのSSDを搭載する。直販モデルと量販店モデルのハード的な違いはCPUのみで、それ以外の仕様は同等。直販モデルではOSの種類やOfficeの有無などをカスタマイズできるが、ハードウェアのカスタマイズは行なえない。メインメモリはともかく、SSDの容量はいくつか選択肢が用意されていると良かったように思う。

 ネットワーク機能は、IEEE 802.11 b/g/n対応の無線LANを搭載し、有線LANは非搭載。またBluetooth 4.0+LEを標準搭載している。

 側面のポートは、左側面に電源コネクタ、USB 3.0×1、mini DisplayPortを、右側面にmicroSDカードスロット、ヘッドフォン/マイク共用ジャック、USB 2.0×1をそれぞれ備える。ポート類は必要最小限という印象だが、特殊な形状のコネクタを採用していることもなく、超薄型ノートとしては納得できる範囲内。ただ、メモリカードスロットが通常のSDカードスロットではなくmicroSDカードスロットとなっている点は、本体サイズが影響しているものと思われるが、デジタルカメラなどで広くSDカードが利用されていることを考えると残念だ。ちなみに、オプションでUSB接続のEthernetアダプタやmini DisplayPort-ミニD-Sub15ピン変換アダプタも用意されている。

左側面には、電源ボタン、USB 3.0ポート、mini DisplayPortを用意。また、充電インジケータと電源インジケータもこちらに配置されている 右側面には、microSDカードスロット、ヘッドフォン/マイク共用ジャック、USB 2.0ポートを用意。通常のSDカードスロットが用意されない点は残念

●高負荷時の本体後方の発熱には要注意

 では、パフォーマンスをチェックしよう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 7 v1.0.4」、「PCMark Vantage Build 1.0.1 1901」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】」、「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」の6種類。比較用として、ユニットコムの「Lesance NB S3431/L」、デルの「XPS 13 スタンダードモデル」、ASUSTeK Computerの「ZENBOOK UX31E」の結果も加えてある。

【ベンチマーク結果】
  LuvBook X LB-X200S LESANCE NB S3431/L XPS 13 ZENBOOK UX31E
CPU Core i5-2467M(1.60/2.30GHz) Core i5-2467M(1.60/2.30GHz) Core i5-2467M(1.60/2.30GHz) Core i7-2677M(1.80/2.90GHz)
チップセット Inte HM65 Express Inte HM65 Express Inte QS67 Express Intel QS67 Express
ビデオチップ Intel HD Graphics 3000 Intel HD Graphics 3000 Intel HD Graphics 3000 Intel HD Graphics 3000
メモリ PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB
ストレージ 120GB SSD 64GB SSD+500GB HDD 128GB SSD(Samsung PM830 mSATA) 256GB SSD(SanDisk SSD U100)
OS Windows 7 Home Premium SP1 64bit Windows 7 Home Premium SP1 64bit Windows 7 Home Premium SP1 64bit Windows 7 Home Premium SP1 64bit
PCMark 7 v1.0.4
PCMark score 3355 3066 3482
Lightweight score 3648 3008 3704
Productivity score 2712 2583 2858
Creativity score 6671 5264 6798
Entertainment score 2483 2356 2573
Computation score 8318 7736 9116
System storage score 5249 4052 5117
PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite 10431 7869 9941 7812
Memories Suite 6243 4036 5947 4283
TV and Movies Suite 4309 3599 4076 3913
Gaming Suite 7842 6278 8569 7408
Music Suite 13109 8629 12374 8259
Communications Suite 10502 8708 9903 6025
Productivity Suite 14379 9272 12352 8744
HDD Test Suite 55507 15053 41153 12053
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score N/A N/A N/A N/A
CPU Score 6028 6362 6191 8176
Memory Score 5821 5027 5718 9201
Graphics Score 3994 3815 4581 4712
HDD Score 61999 21376 52012 17659
3DMark06 Build 1.1.0 0906a
3DMark Score 3699 3529 4133 3401
SM2.0 Score 1259 1184 1457 1125
HDR/SM3.0 Score 1528 1445 1696 1368
CPU Score 2278 2427 2279 2833
Windows エクスペリエンスインデックス
プロセッサ 6.2 6.3 6.3 6.9
メモリ 7.2 5.9 5.9 5.9
グラフィックス 5.6 4.7 5.7 5.6
ゲーム用グラフィックス 6.1 6.1 6.2 6.1
プライマリハードディスク 7.9 7.3 7.9 5.9
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】
1,280×720ドット 1747 1662 1941 1644
1,920×1,080ドット 838
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット 1582 1512 1414
1,920×1,080ドット

 結果を見ると、ベンチマークテストによって若干上下が見られるものの、同等のスペックを持つUltrabookとほぼ同程度のパフォーマンスが発揮されている。薄型かつ超軽量ボディを実現しながら、パフォーマンスもしっかり引き出されている点は好感が持てる。

 ただ、本体の発熱はやや気になった。Webアクセスや文書編集など、それほど負荷のかからない作業を行なっている場合には特に問題ないものの、ベンチマークテストのように高負荷のかかる作業を行っている状態では、本体後部の温度がかなり高くなってしまう。実際に、デスクの上に置いた状態でベンチマークテストを実行しながら温度を測ってみたところ、キーボード後方の金属部分では52℃を超え、底面後方も50℃に近い高温となっていた。

 LB-X200Sでは、本体後部の金属部分に吸気用のスリットと空冷ファンの排気口が用意されており、冷却ファンによる冷却と金属部分での放熱で熱の処理を行なっているが、ファンによる排熱効率がそれほど高くないことによる影響と思われる。ベンチマークテストの結果は悪くないため、CPUの動作に影響はなさそうだが、これだけ高温になると、低温火傷の心配もある。高負荷の作業を行なう場合には、本体後方の排気口を塞ぐことのないように配慮するとともに、膝の上に直接置いて利用することも控えた方がよさそうだ。冷却ファンの音は、低負荷時にはほぼ気にならないが、高負荷時には金属的な高温の動作音が耳につくようになる。

 ちなみに、本体後部が高温となっていても、キーボードの手前側やパームレスト付近はあまり温度は上昇せず、不快感はほとんど感じない。

本体後部、キーボード後方の金属部分が、高負荷時に非常に高温となる 背面後方には、吸気用のスリット(右側)と排気用のスリット(左側)がある。液晶を開くと、液晶下部に覆われるようになるが、利用時にはこの部分が塞がれないように注意する必要がある
ベンチマークテストを実行している時には、52℃を超えるかなり高い温度を計測 底面後方も50℃近くまで上昇しており、高負荷動作時には本体の温度に注意が必要だ

 次に、バッテリ駆動時間だ。Windowsの省電力設定を「省電力」に設定し、バックライト輝度を40%、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測してみたところ、約5時間02分の駆動を確認した。公称のバッテリ駆動時間が約5.5時間とされていることを考えると、納得できる。

 Ultrabookとしてはやや短めの駆動時間であることは事実。だが、11型で、これだけ薄型軽量ボディを実現すると、搭載できるバッテリ容量もかなり限られることになる。そういった意味では、重量とバッテリ駆動時間のバランスは十分に取れていると言っていいだろう。付属のACアダプタは比較的コンパクトで、重量も実測で180gと軽く、本体と同時に持ち歩いても苦にならない点は嬉しい。

付属のACアダプタ。比較的コンパクトで、プラグ部は本体側に収納可能 ACアダプタの重量は実測で180g。本体との同時携帯も苦にならないだろう

●軽さ重視でノートPCを探している人にオススメ

 LB-X200Sは、Ultrabookとしてトップクラスの薄さと軽さが最大の魅力なのは間違いない。しかも、10万円を下回る価格を実現している。これまでは、薄型軽量を追求したモバイルノートは高価なのが普通だったが、比較的手頃な価格で手に入れられるという点は、大いに評価したい。

 ただ、この時期に登場するUltrabookながら、CPUにIvy BridgeでなくSandy Bridgeを搭載しているのは残念だ。開発時期などが関係してのことと思われるが、できればIvy Bridge搭載の上位モデルの用意を期待したい。

 ほかにも、メモリカードスロットがmicroSDカードスロットとなっている点や、高負荷時に本体が高温になるなど、大手メーカー製の製品と比べると荒削りなところも散見されるが、意欲的な製品であり、他にはない魅力を備える製品なのは間違いない。

 今後、1kg前後の軽量Ultrabookがいくつか登場予定だが、現時点で購入できるUltrabookの中では随一の軽さで、可搬性重視のノートPCを探している人なら、選択肢として考慮すべき存在だ。今後のシステムの強化なども含め、この1製品のみで終わることなく育っていって欲しい。

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(2012年 6月 22日)

[Text by 平澤 寿康]