MSI「Wind NetOn AP1900」
〜大型液晶一体型のネットトップ



「Wind NetOn AP1900」

発売中



 エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)から、液晶一体型デスクトップ「Wind NetOn AP1900」が登場した。AtomベースのシステムやDVDスーパーマルチドライブを内蔵しながら、一般的な液晶ディスプレイと変わらないスリムなボディを実現する点や、スタイリッシュなデザインが特徴となっている。

●奥行き35mmの薄型ボディ

 Wind NetOn AP1900(以下、AP1900)を箱から取り出して最初に感じたのは、液晶一体型マシンにしてはかなり本体が薄いな、ということだ。AP1900の本体部分の奥行きは、わずか35mm(スタンド部分は200mmほど)。一般的な液晶ディスプレイとほとんど変わらない薄さでしかない。何も言われなければ、この中にPCが入っているとは思えないほどである。

 ただ、正面から見ると、薄さの割に、本体はかなり大きく感じる。本体サイズは、476×365mm(幅×高さ、本体のみ)。搭載する液晶は18.5型のワイド液晶なので、本体の横幅は特に大きいということはないが、高さがかなりある。これは、液晶パネル下にかなり大きなスペースが確保されているからだ。この部分にはマザーボードなどが配置されている。これによって、本体の薄型化を実現しているというわけだ。

 本体デザインは、とくに凝った装飾などはなく、非常にシンプルだ。液晶周囲のボディは光沢仕上げで、液晶上部中央にWebカメラ、液晶下部中央に電源ボタンとMSIロゴが配置されている部分が目立つだけだ。ボディにプラスチック感が残っているためか、やや安っぽい印象も受けるが、全体的にかなり落ち着いたイメージで、全体的な印象は悪くない。ちなみに、今回はカラーがホワイトの製品を試用したこともあり、見た目も含めて、アップルのiMacを意識したデザインという印象も強く感じた。

本体正面。液晶下に大きなスペースが確保されている 本体右側面。本体部分は奥行きが35mmと、PC一体型とは思えないほど薄い 本体は奥に約15度まで角度を変えられる
手前には5度まで角度を変えられる 液晶下部に大きな電源ボタンとMSIロゴがあるだけで、デザインは非常にシンプルだ 背面はフラットで、こちらもシンプル。液晶ディスプレイ同様、VESA100規格準拠のマウントに取り付けて利用することも可能だ

●WXGA表示対応の18.5型ワイド液晶を搭載

 搭載されている液晶は、表示解像度が1,366×768ドット、アスペクト比16:9の18.5型のワイド液晶だ。最近では、ネットブックでも高解像度液晶を搭載する製品が増えつつあるが、やはりネットブッククラスのスペックのPCといえども、大型かつ高解像度の液晶が利用できると、使い勝手の印象がかなり変わる。Webアクセス時でも窮屈さを感じることがなく、複数のアプリケーションの同時利用、複数のウィンドウを開いたファイル操作なども余裕を持って行なえる。

 液晶パネルの仕様は、応答速度が5ms、輝度が250cd/平方m、コントラストが1,000:1とされている。液晶の輝度は、付属のキーボードを利用して調節可能。表示品質に目立った不満はなく、TNパネルを採用する低価格液晶ディスプレイとほぼ同等の表示品質と考えていい。液晶表面は非光沢処理となっており、光沢液晶と比較すると発色の鮮やかさが若干劣るように感じるが、逆に映り込みはほとんど気にならない。鮮やかな映像表示などのマルチメディア用途よりも、Webアクセスや文字入力を中心とした作業に強いだろう。

液晶は、1,366×768ドット表示対応の18.5型ワイド液晶を搭載。表示品質は、TNパネル採用の低価格液晶ディスプレイとほぼ同等だ 液晶上部中央には、130万画素Webカメラが搭載されている

●スペックは一般的なネットブックと同じ

 AP1900の基本スペックは、一般的なネットブックとほとんど同じだ。CPUはAtom N270、チップセットはIntel 945GSE Expressを採用。低消費電力かつ低発熱のノートブック・ネットブック向けのCPUとチップセットを採用しているのは、当然本体の薄型化を実現するためのものだろう。ただし、ファンレスではなく、本体後部に空冷ファンは搭載されている。電源投入直後はファンが勢いよく回って騒音が気になるものの、すぐに回転数が落ち、ほとんど音が聞こえなくなる。通常使用時にファンの音が気になることはまずないはずだ。

 メインメモリは標準で1GB搭載され、最大で2GBまで対応。HDD容量は160GBで、シリアルATA仕様の2.5インチドライブを採用している。また、DVDスーパーマルチドライブも標準で内蔵している。

 ネットワーク機能は、IEEE 802.11b/g対応の無線LANに加えて、1000BASE-T対応のGigabit Ethernetを標準搭載する。

 基本スペックの多くが、ネットブックとほとんど同じではあるが、DVDスーパーマルチドライブやGigabit Ethernetなど、ネットトップならではの特徴もあり、スペック面ではネットブックよりも1ランク上になると考えていい。

 本体に用意されているコネクタ類は、背面と右側面にまとめられている。背面には、キーボード/マウス接続用のPS/2コネクタに、ヘッドフォン・マイク端子、USB 2.0×2、Gigabit Ethernetの各ポートが、また右側面には、USB 2.0×2と、SDメモリーカード/MMC/xD-Picture Card/メモリースティックに対応する4in1カードリーダーの各ポートがそれぞれ用意されている。拡張性がUSBのみとなっている点は少々気になるが、液晶一体型PCとして考えると、特に拡張性が低いということはなく、大きな問題ではないだろう。

背面には、キーボード・マウス用のPS/2ポートとヘッドフォン・マイク端子、USB 2.0×2、Gigabit Ethernetの各ポートがある 本体右側面。内蔵の光学式ドライブとUSB 2.0などのポートがある 右側面下部に、USB 2.0×2と、4in1カードリーダーを備える。拡張性は背面および右側面のUSBのみと、やや寂しい
スリムタイプのDVDスーパーマルチドライブを標準搭載。光学式ドライブを搭載している点はネットブックに対する優位点だ 付属のキーボードとマウス。仕様はともに標準的。コンパクトタイプのキーボードは、やや軽いタッチだが、使い勝手は悪くない 電源はACアダプタを利用。低消費電力のため、ACアダプタもコンパクトでかさばらない

●メインメモリやHDDの交換は容易

■■ 注意 ■■

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 本体背面下部には、ネジ2本で固定されているフタがあり、そのフタを開けると、メインメモリ用のSO-DIMMスロットが現れる。SO-DIMMスロットには標準で1GBのメモリモジュールが取り付けられているが、2GBモジュールへの交換は容易に行なえる。

 また、SO-DIMMモジュールの左には、HDDが固定されている。HDDも、ネジを2本外すだけで簡単に取り外すことが可能で、容易に交換できる。

 HDDを外すと、Mini PCI Expressコネクタに取り付けられた無線LANモジュールが現れる。また、その左には、空きのMini PCI Expressコネクタも見える。ただし、その空きコネクタには、本体を分解しない限りカードは取り付けられない。

 内部の基板は、背面カバーと、基板上部の保護カバーを外すことでアクセスできる。液晶下部のスペースに入るように、基板は横長の形状となっており、CPUやチップセットなどは基板の右に集約されている。また、CPU付近の基板の保護カバー側に空冷ファンが取り付けられており、CPUおよびチップセットのヒートシンクを冷却している。基板左には、背面及び側面のコネクタ類が並ぶ。一般的なネットブックの基板同様、非常にシンプルだ。

本体背面下部のフタを開けた状態。右にメインメモリ用のSO-DIMMスロットが見える。メインメモリは最大2GBまで搭載可能だ HDDもネジ2本で簡単に取り出せる。SATA仕様の9.5mm厚2.5インチHDD(容量160GB)が利用されている HDDを外すと、Mini PCI Expressコネクタに取り付けられた無線LANモジュールが現れる
空冷ファンは小型で、電源投入直後はややうるさいが、すぐに回転数が落ち静かになる マザーボードは、液晶下部に取り付けるため、高さが低く横に長い形状となっている。標準のSATAコネクタが2個用意されており、HDDとDVDスーパーマルチドライブが接続されている

●ネットアクセス中心の用途におすすめ

 では、ベンチマークテストの結果をチェックしていこう。AP1900は、仕様がネットブックとほぼ同じということで、利用したベンチマークソフトも、ネットブックを採りあげる場合と同様に、Futuremarkの「PCMark05 (Build 1.2.0)」と、HDBENCH.NETの「HDBENCH Ver3.40beta6」、スクウェア・エニックスの「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」の3種類を利用した。また、比較用として、Aspire one D250とAspire one D150の結果も加えてある。

 結果を見ると、搭載HDDの違いからか、HDD周りには差が見られるものの、CPUとチップセットが全く同じAspire one D150の結果とほとんど同じことがわかる。動作クロックが1.66GHzのAtom N280搭載のAspire one D250とは、CPU周りの結果に若干の差が見られるが、それもCPUクロック差に等しい程度で、これもAtom N270搭載ネットブックとの差に等しい。そういった意味では、予想通りの結果が得られたと言っていいだろう。


Wind NetOn AP1900 Aspire One D250 Aspire One D150
CPU Atom N270(1.6GHz動作) Atom N280(1.66GHz動作) Atom N270(1.6GHz動作)
ビデオチップ Intel 945 GSE Express Intel 945 GSE Express Intel 945 GSE Express
メモリ 1GB 1GB 1GB
OS Windows XP Home Edition SP3 Windows XP Home Edition SP3 Windows XP Home Edition SP3
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score 1492 1496 1427
CPU Score 1498 1551 1480
Memory Score 2374 2494 2374
Graphics Score 550 590 553
HDD Score 4288 3731 4662
HDBENCH Ver3.40beta6
All 35096 38979 38870
CPU:Integer 93569 97379 94033
CPU:Float 64742 67361 64700
MEMORY:Read 48164 50018 48016
MEMORY:Write 48573 50243 48447
MEMORY:Read&Write 85580 88677 84352
VIDEO:Recitangle 16800 17744 16786
VIDEO:Text 9178 9800 8965
VIDEO:Ellipse 4316 4720 4216
VIDEO:BitBlt 134 200 255
VIDEO:DirectDraw 30 29 30
DRIVE:Read 57951 58480 52810
DRIVE:Write 37647 54122 47805
DRIVE:RandomRead 7774 18050 15168
DRIVE:RandomWrite 25296 22831 22212
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
LOW 1475 1508 1459

 1,336×768ドット表示対応の18.5型ワイド液晶を搭載しており、表示出来る情報量の多さから、WebアクセスからOffice系アプリケーションの利用、ファイル操作など、一般的なネットブックよりも快適な利用が可能となっている。

 ただ、システム自体はネットブックと同じで、やはりパフォーマンス面は厳しい。高解像度かつアスペクト比16:9の液晶が搭載されたのだから、HD動画の再生も楽しみたいと思っても、スムーズな再生はかなり厳しい。そう考えると、高解像度かつ大画面の液晶一体型ネットトップでは、HD動画再生支援機能を持つIONプラットフォームを採用したり、思い切ってAtom Zシリーズ+US15Wの組み合わせにするといった仕様の方がいいように思える。

 とはいえ、このサイズの液晶を採用して、実売5万円台前半という安さは大きな魅力。Webアクセスやメール送受信、Office系アプリケーションの利用が中心であれば、パフォーマンスもそれほど不満を感じないはずで、PCを使うのは家だけで、外に持ち出すことが一切ないというのであれば、ネットブックよりもおすすめしたい製品だ。

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(2009525日)

[Text by 平澤 寿康]

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