DVスタイルの実売9,980円動画デジカメ
「Che-ez! Movi」をテスト

12月下旬発売

購入価格:9,980円



 ニチメンからDVカメラ風の小型動画デジカメ「Che-ez! Movi!」が発売された。手のひらに収まるDVカメラ風のデザインで、記録メディアにはスマートメディアを採用(最大128MBメディアに対応)。動画撮影に特化したのが特徴で、最大320×240ドットの動画撮影ができるという、ほかのトイカメラではちょっと類を見ない製品だ。

 「Che-ez!」シリーズといえば、11月にレポートした「Che-ez! SPYZ」でもその小ささと画質はトイカメラクラスでは群を抜いていただけに、「Che-ez! Movi!」も期待される。早速その使用感などをレポートしてみたい。


■9,980円で購入 値段相応の質感と、気になるファインダの作り

 ということで、早速新宿のヨドバシカメラで購入。標準価格はオープンプライスだが、購入価格は9,980円(税込み10,479円)。スマートメディアは付属しないので別途購入する必要があるが、実売価格で64MBが4,000円弱、128MBでも8,000円程度なので、メディアを持っていない場合でも15,000円~20,000円弱程度で一式揃えることが可能だ。

 本体を実際に手に取ってみると、値段相応といった感じのプラスチッキーな質感で、いかにもおもちゃといった感じ。「Che-ez! SPYZ」のような値段以上の高級感はない。

 ただ、手にとって実際に撮影してみると、その小ささと形状の特異さは人の興味を引くようで、フロアでいろいろな人を撮影したところ、「それカメラ?」と尋ねられることが幾度もあった。「手の平に収まるビデオカメラスタイル」というこの形状はやはりインパクトが大きいようだ。

 USBコネクタはPCなどで普通に使われているAコネクタで、スマートメディアスロットの脇に設置されている。電池は単4アルカリ電池×2。ファインダは光学ファインダのみで、液晶でのプレビューなどはできない。光学ファインダは、ポップアップ式のもので、利用時には、本体横にはみ出す形となる。そのため、いざ撮影にはいると指やレンズ部が視界に入ってきたりと、ちょっと使いにくい。あくまでおまけと考えた方が良さそうだ。

パッケージの内容 電池は単4アルカリ×2 ファインダはちょっと使いにくい


■ちょっと不安な操作体系

 記録モードは全部で7モード用意され、動画は、320×240ドット(ノーマル)/160×120ドット(エコノミー)の2モードが用意される。静止画は800×600ドットの記録が可能で、圧縮率に応じて、ファイン/ノーマル/エコノミーの3モードが用意される。また、音声記録のみのボイスモードも搭載する。

一番下が紛らわしいダミーボタン

 記録モードは、本体横のモードボタンで選択できる。基本的に本体で行なえるのはシャッターを押すことと、モードを選択すること、それに記録データを消去することの3点だ。消去ボタンはモードボタンの真下についており、間違って押すと、確認のダイアログが出ることもなく、データが削除されてしまう。モードを選択したつもりが誤って画像を消去してしまうことも何度かあったので注意されたい。また、消去ボタンの下にはなぜかダミーボタンもついていて紛らわしいので、操作には細心の注意が必要だ。このあたりは正直もうちょっとどうにかならなかったのかなと思う。

 動画の撮影は、モード選択後シャッターを長押しすることで可能となる。最大記録時間は128MBメディア利用時にノーマルモードで11分となっており、液晶に経過時間が秒数で表示されるので、それを目安にだいたいの時間を計測可能だ。動画撮影中はシャッターボタンを押し続けないといけないため、シャッターボタンストッパーも付属する。ただし、長時間撮影を行なう際は、電池の減りも激しく、途中で電池が無くなってしまうことがあった。また、静止画の撮影時にはシャッターを押してから3秒ほどのタイムラグの後、シャッター音がする。ちょっと慣れるまで苦労しそうだ。


■この価格帯としては画像のクオリティも非常に高い

画像のダウンロードはArcSoft VideoImpressionから行なう
 撮影した画像のダウンロードには、動画/静止画ともに付属のアプリケーションを利用する。対応OSはWindows 98SE/Me/XPのみとなっているが、編集部で試したところWindows 2000 SP2でもほぼ問題なく使えていえるようだ。動画のダウンロードは、付属のアプリケーション「ArcSoft VideoImpression」の新規→スキャナ→選択から、Camera Typeで「Video Camera」、「Still Camera」とあるうちの「Still Camera」を選択し、Create AVIsをクリックするとファイルが指定フォルダにAVI形式で保存できる。なお、Camera TypeでVideo Cameraを選択するとWebカメラの設定が行なえる。また、静止画のダウンロードにも「VideoImpression」や「PhotoImpression」が必要となる。

 スマートメディアのファイルフォーマットは、独自形式となっているため、PCカードアダプタなどを使った転送はサポートされず、PCへのデータ転送はユーティリティを介したUSB転送のみの対応となっている。実際に、ハギワラシスコム製のPCカードアダプタ「HPC-SV03A」を利用してテストしてみたが、認識されなかった。

 実際の動画は若干フレームレートが足りなくて(カタログスペック的には24fpsとなっているが、ちょっと足りない感じ)、色味も若干淡いような印象もあるが、それなりによく撮れている。音声にずっとノイズが乗りっぱなしなのが若干気になるが、個人的には10,000円程度で、このクオリティの動画が撮れれば満足だ。詳しくはサンプルを掲載したので、ダウンロードして参照されたい。サンプルデータは「Che-ez! Movi」の製品情報ページにも掲載されている。

 また、50万画素のCMOSを搭載していることもあり、静止画のクオリティも35万画素の「Che-ez SPYZ」より上がっている。レンズはF2.8の単焦点(f=7.8mm/35mmカメラ換算42mm)のものを採用している。SPYZに比べると暗さにも強く、街頭のある夜道などでの撮影でもかなりきれいに撮れる。ただ、あまり暗いとシャッターは切れるものの、真っ白あるいは真っ黒な画像のみ記録されてしまうことがあるようだ。

動画
【1,754KB】 【748KB】

静止画

 この価格でこのクオリティの動画/静止画が撮れるというだけでもかなり満足度は高いが、さらにUSB接続のWebカメラとしても利用できる。また、「VideoImpression」では、動画を簡単に編集して、エフェクトを加える機能やMPEGでの書き出しなどにも対応しており、ちょっとしたビデオ編集なども可能となるなど、機能はとても充実している。


■細かい不満点はあるが、機能と価格のバランスは非常に高い

 逆に、難点として第一に挙げられるのは電池の持ち時間が短いこと。カタログスペックでは連続撮影 250枚/スタンバイモードで約300時間となっており、実際に使った際の駆動時間が記載されていないのだが、連続して動画撮影を行なうと、数十分で電池がなくなってしまうようだ。電池は単4アルカリ電池のみの対応となっており、ニッケル水素充電池などがサポートされていないため、実際のランニングコストはやや高くなっていまいそうだ。ただし、Che-ez! SPYZと違い、撮影データはスマートメディアに記録されるため、しばらく放置して、電池が切れてしまった際にもデータが消失することはないので、その点は安心だ。

 できれば三脚用の穴なども設けて欲しかったなど、細かな不満点はあるものの、この価格でこの機能を実現できているのは、かなりお買い得感が高い。ちょっとしたイベントの記録用に買ってみるのもいいし、すでにクリスマスシーズンは終わってしまったが、プレゼントや忘年会や新年会の記録用にちょっと買ってみてもおもしろいかもしれない。

□製品情報
http://www.che-ez.com/movi/index.html
□関連記事
【12月22日】【AKIBA】
手のひらサイズのDV? 格安の動画対応小型デジカメ「Che-ez! Movi」発売
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20011222/etc_cheezmovie.html
【11月2日】VGAデジカメの次世代スタンダード? 「Che-ez! SPYZ」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011102/spyz.htm

(2001年12月28日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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