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Intel、フラッシュメモリに関する技術説明会を開催 |
ステファン・ライ氏 |
12月11日開催
米Intelのフラッシュメモリ技術開発を統括する、技術・製造本部副社長 兼 カリフォルニア技術・製造部門ディレクタのステファン・ライ氏が来日、都内のホテルでプレス向け説明会を開催した。説明会では、同社のフラッシュメモリへの取り組みや、次世代メモリ技術などについて解説した。
■フラッシュメモリへの取り組み
まず、同社のETOX NORフラッシュ技術について解説した。同社のフラッシュ技術の戦略として、プロセッサなどで培ったロジックプロセスの応用を挙げ、同社が持つ、露光技術や半導体製造プロセスのリードをフラッシュメモリでも利用可能なため、他社よりも早く微細化し、量産できると説明した。具体的には「今年の春より0.13μmプロセスでのプロセッサ製造が始まったが、それより約半年遅れの10月には、0.13μmプロセスでフラッシュメモリの量産が可能となった」と述べ、プロセッサ技術の応用がフラッシュメモリ開発においても大きなアドバンテージとなっていることを説明した。
また、0.13μmプロセスはフラッシュメモリとしては8世代目となり、第1世代から18年の歴史があると説明。セルのサイズは、第1世代のセルと比較して約1/220の0.164平方μmとなり、予測として65nmノード(セルサイズ0.039平方μm)までの微細化が可能となるとの見通しを示した。
ETOX技術革新 | Strata Flashの製造を早期化 |
また、微細化の過程では露光技術以外の技術革新も必要だとし、これまでの歴史にさまざまな技術革新があったことに触れ、その後に、製造コストの低減策について解説した。フラッシュメモリのプロセスと、プロセッサ製造の完全互換性を保つことで、現在、Fabによってはフラッシュとプロセッサを切り替えて生産可能で、また、前世代のプロセッサ工場をフラッシュメモリ製造に切り替えることもできる、と述べた。
マルチレベル、マルチビット技術の解説 |
■次世代メモリ技術について
続いて、次世代メモリ技術についても解説した。必要となるメモリの特性は、低価格で、低消費電力、不揮発性でさらにロジック回路との混載が容易なメモリだ、と次世代メモリ技術に求められるニーズを要約した。現在のDRAMは揮発性でロジック回路との混載が難しく、SRAMは揮発性で、高価格、フラッシュは書き換え時間が遅く、書き換え/消去回数が100万回以下と、それぞれが欠点を持っている。そのため、次世代メモリとして、MRAM、FeRAM、Polymer Memory、Ovonics Unified Memory(OUM)などが検討されていると述べた。
不揮発性RAM候補 | メモリ技術の比較 |
OUMの解説 |
ほかの有望な次世代メモリ候補との比較表を持ち出し、OUMがバランスのとれた回答であることを示した後、現在のOUMの開発は、セル構造と材質の最適化に重点を置き、基礎となるセルデザインとプロセスを構築した段階であり、OUMが非常に有望と考えている、と述べた。
なお、OUMの読み出し速度については、今の段階ではフラッシュと同程度とのこと。具体的な実用化へのロードマップなどは特に示されなかったが、携帯機器やワイヤレス系機器などへの応用が期待できるという。
技術比較 | 抵抗値の表 |
□Intelのホームページ(英文)
http://www.intel.com/
(2001年12月11日)
[Reported by usuda@impress.co.jp]
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