Borland Conference 2001 Tokyo開幕
~Kylix 2など新製品も発表

会期:11月13日、14日

参加費:65,000円(参加申し込みは終了)

会場:セルリアンタワー東急



 ボーランド株式会社は、同社製品ユーザーのためのセミナーおよび展示会である「Borland Conference 2001 Tokyo」を、11月13日、14日の両日、東京 渋谷の東急セルリアンタワーで開催する。参加には事前登録が必要で、申し込みはすでに終了している。

 Borland Conferenceは、ボーランド製品ユーザーである開発者に同社の最新テクノロジーを紹介するため、世界各地で開催されている。今回は「Web開発を次のステージへ」と題し、Webアプリケーションの開発を主なテーマとした各種セミナーが開かれる。

 ここでは、初日の基調講演の様子を中心に、同時に発表された同社の新製品などをレポートする。


●Microsoft以外では唯一利益を上げているソフトウェア企業!?

デイビッド・インターシモン副社長
ビデオ会議システムで参加したデイル・L・フラー社長兼CEO
安藤由男代表取締役社長
 午前10時からの基調講演には、約600名の受講者が参加した。スピーカーは米Borland Software Corporationから来日したデイビッド・インターシモン副社長(デベロッパーリレーション担当)。同社のデイル・L・フラー社長兼CEOは来日できず、カリフォルニアからビデオ会議システムで参加、インターシモン副社長と太平洋を跨いだ掛け合いで、同社の現状とこれからについて語った。

 フラー社長によれば、同社は世界的な不況下にも関わらず7四半期連続で利益を上げ、売上も伸ばしているという。また、Microsoftを除けば、唯一の利益を上げているソフトウェア企業であるとも語った。

 同社が堅調であることの要因として、同社の「既存のシステム資産を生かしつつ、最新技術を活用する」という理念が受け入れられたこと、Windows、Java、Linuxなど、特定のプラットフォームを囲い込まず、オープンスタンダード戦略をとったこと、などをあげた。同社はこうした戦略を堅持しつつ、ワイヤレスやモバイル、.NETとJava環境の融合など、新たなキーテクノロジーへの挑戦を続ける、という。

 さらに、フラー社長が「日本は重要で大きなマーケット」と述べた後、インターシモン副社長が「東京では誰もが携帯電話でメール交換している」ことをあげ、日本をワイヤレスやモバイルを活用した「ノン・トラディショナル・デバイス」の鍵を握る国と位置付けた。

 フラー社長の出演はここまでで、その後、インターシモン副社長に紹介された日本法人のスタッフが、同社新製品の説明とデモンストレーションを行ない、最後にボーランド株式会社の安藤由男代表取締役社長が、日本法人の売上が昨年比10%増であったことを披露。Javaなどの最新テクノロジーへの投資を止めなかったこと、それがユーザーの支持を得たことをその要因としてあげ、基調講演を締めくくった。


●エンタープライズ向け機能が強化された「Kylix2」、Open Editionは無償公開

 基調講演では、同日に同社が発表した、Linux用ビジュアル開発環境の最新バージョン「Kylix 2 日本語版」のデモンストレーションが、同社マーケティング部の大野元久プロダクト・マネージャーにより行なわれた。

 Kylixは同社のWindows用ビジュアル開発環境「Delphi」をLinuxに移植したもの。Linux専用のネイティブコードコンパイラや、ソースレベルデバッガを搭載している。また、Delphiと併用すればLinuxとWindowsのクロスプラットフォーム開発も可能になる。

 前バージョンとの違いは「BizSnap」と呼ばれるXMLベースのWebサービス開発環境や、「WebSnap」と呼ばれるApache用CGI/DSOなどの開発ツールが搭載されたこと。前者は企業間の連携を実現するため、後者はWebサーバー上のアプリケーションを開発するためのもの。エンタープライズ向け機能が強化されたほかは、細かなバグフィックスや同梱されるツールキット「Qt」のバージョンアップとなっている。

インターネットで公開されているFedExの荷物追跡サービスのソースと、メール送信サービスのソースを組み合わせ、FedExの荷物の現状を携帯電話にメールで送信するWebアプリケーションをデモンストレーションで作成
 発売は12月12日より。価格はWebサービス開発機能などが付いたエンタープライズユース向けの「Enterprise」が240,000円、デスクトップアプリケーション開発者向けの「Professional」が68,000円。

 また、前バージョンと同様にGPLベースのオープンソース開発者向けに「Open Edition」が12月中旬より無償でダウンロード可能になる。前バージョンにあった「Open Edition」のパッケージ版は用意されないが、マニュアルのみを4,800円で購入できる。対応ディストリビューションは公表されていないが、「Kylix 1.0相当」(大野氏)とのことだ。

□ニュースリリース
http://www.borland.co.jp/news/kylix2jp.html
□関連記事
【4月18日】ボーランド、Linux用ビジュアル開発ツール「Kylix日本語版」を5月18日より発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010417/borland.htm


●JBuilder 6 Personalは来年1月に無償公開

 さらに同社はJava開発環境の最新バージョン「JBuilder6」とアプリケーションサーバーの「Enterprise Server」も発表。

 JBuilderはLinux、Solaris、Windows上でJavaアプリケーションを開発するためのツール。JBuilder 6ではエンタープライズ向けJava規格である「J2EE(Java 2 Enterprise Edition)」の1.3に対応した。12月21日より発売される。価格はJ2EE開発者向けの「Enterprise」が360,000円、Javaアプリケーション開発者向けの「Professional」が68,000円。また、Java習得用に「Personal」が2002年1月より無償でダウンロード可能になる。

□ニュースリリース(JBuilder 6)
http://www.borland.co.jp/news/jb6.html
□ニュースリリース(Enterprise Serve)
http://www.borland.co.jp/news/bes.html


●セミナーのほかに展示会も

 カンファレンスでは各種セミナーのほか、関連製品の展示会なども開催された。

会場ではBorland Shopも開店。ボーランド・ロゴ入りのグッズが販売された セミナーの様子
関連製品を集めた展示会 参考出品されていたカルデラのOpen Linux 3.1

□ボーランドのホームページ
http://www.borland.co.jp/
□Borland Conference 2001 Tokyoのホームページ
http://www.borland.co.jp/borcon2001/

(2001年11月13日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]

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