会場：東京国際フォーラム展示ホール

　シチズン時計株式会社は、プライベートショウ「CITIZEN FORUM 21」を東京国際フォーラム展示ホールにて開催した。会期は11月6、7日。関係者や取引先向けの内覧会で、一般には公開されない。

　時計メーカーとして認知されている同社だが、本展示会は「マイクロ・ヒューマン・テックで超時計の世界を創造する。」と銘打たれ、PC関連やエレクトロデバイス関連など幅広い事業への取り組みが強調されている。先頃発表された腕時計型コンピュータ「WatchPad 1.5」の新デザインバージョンなど、PCユーザーにも興味深い展示がいくつかあったのでレポートする。

●より“Watch”らしくなった「WatchPad 1.5」

　IBMと共同開発されたLinux搭載“腕コン”「WatchPad 1.5」が、10月11日の発表時とは違うデザインで展示されていた。より時計らしいデザインになり、このまま発売されてもおかしくないような仕上がりだ。ただし、依然として発売は未定で、仕様も未確定だ。

新デザインのおかげでやや薄くなったように見えるが内部は同じもの。側面のリューズスイッチやクレードルとの接点、前面のボタンなどの位置関係も10月発表のものと同じ		10月に発表されたモデルも展示された。新モデルと並べると、いかにも「試作機」。新モデルも依然として試作機なのだが
新モデルにはシャンパンゴールドのバージョンも。液晶ディスプレイは高コントラストかつ高精彩だ。小さな文字や画像もくっきりときれいに表示する

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●PCカード型のMP3プレーヤー

　NECのLavie CおよびLavie Tのメディアポケットに装着できるシリコンオーディオプレーヤー「InfoAudio」は、NECとシチズンの共同開発によるもの。その横にはさりげなくPCカード(Type 2)スロットに挿せるシリコンオーディオプレーヤーが参考出品されていた。

InfoAudio	PCカード型MP3プレーヤー。記録メディアはSDメモリーカードで、フォーマットはMP3のみ対応

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●参考出品の携帯端末

　シチズンには、NTTドコモの「Pocket Board」などのキーボード付き携帯端末を開発/製造した実績がある。本展示会では、少人数向けグループウェア機能や、ウォーキング・ナビ機能を内蔵したキーボード付き携帯端末が参考出品された。CF Type 2スロットを備え、モデムやLANカード、GPSユニットを増設できるようになっているのがわかる。ただし、市販される予定は今のところない。

　また、PCとワイヤレスでデータを交換できるペン・オペレーション・タイプの小型PDAも展示されていた。

ご近所さん同士などでスケジュール調整するための、少人数向けグループウェアを内蔵した携帯端末「Party'sLink」。Party'sLinkをADSLなどでインターネットに接続しておけば、iモード端末などのWebブラウザでParty'sLink内のグループウェアにアクセスできる(写真右はPCのWebブラウザでParty'sLinkにアクセスしている様子)
Party'sLinkのCFスロットは背面にある。PHSカード(写真左)やモデムカード(写真右)のほか、LANカードにも対応する
CF Type 2対応のGPSレシーバ「TravelWalker」。米国SiRFのGPSユニットを、シチズンが低消費電力化したもの。メモリを内蔵しており、単体でも通過経路を記録できる。Party'sLinkと同じ筐体の端末に装着し、ウォーキング・ナビゲーションとして利用できる

●腕時計型GPSなど、腕時計型デバイスのバリエーションが多数

　腕時計型デバイスはWatchPadだけでなく、ダイブコンピュータやPDA、メールビューア、GPSなど、様々なバリエーションが展示された。

参考出品された腕時計型PDAやデータビューアの数々	携帯電話とワイヤレスで接続し、メール閲覧やWebブラウズができる「WristBrowser」	USBでPCと接続し、データ交換やカスタマイズができる腕時計型PDA「DS(DataSync)Watch」
GPS腕時計「RF TravelWalker」。GPSレシーバ(写真右)と腕時計型ナビゲーション部が別体になっており、無線で接続されている。GPSレシーバは上腕やリュックサックの背中などに付けておく		PCに通過経路情報などを転送中の「RF TravelWalker」。PCとも無線で接続する。左に見えるのがPC用の無線ユニット
市販されているダイブコンピュータ「HYPER AQUALAND」と「CYBER AQUALAND」。水深計測、潜水時間計測、潜水ログデータ記録などの機能を持つ。「HYPER」はRS-232Cで、「CYBER」はUSBまたはIrDAで潜水ログをPCに転送できる		参考出品されていたLinux版のCYBER AQUALAND用データ転送ソフト
WatchPadにもその機能が搭載されている、指紋センサ付き腕時計「RF SecurityWatch」。PCと無線で接続し、指紋の登録を行なう(写真中)。セキュリティエリアの入り口で、RF SecurityWatchのIDと指紋を認証し、入室制限ができる

●おまけ：こんなのもありました

　時計や宝飾品が展示されているのはもちろんだが、食器など意外なものも展示されている。

チタンの食器。ユニバーサルデザインになっているのも特徴	FDDや「Click!」も製造している	シチズンはFA機器も作っているが、これはそのオプションとして用意されているウェアラブルPC(シチズン製というわけではないが)
時計用部品を応用したおもちゃ。動力源は光(参考出品)

□シチズン時計のホームページ
http://www.citizen.co.jp/

(2001年11月6日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]