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フレクストロニクス、日本法人を設立し日本での活動を本格化
10月18日発表
電子機器の受託生産を専業で行なうEMS(エレクトロニック・マニュファクチュアリング・サービス)として世界第2位のFlextronicsの日本法人、株式会社フレクストロニクスジャパンが、日本での活動を本格的に開始した。 Flextronicsは、今年5月にキョウデンと提携して、日本市場への進出を明らかにしていたが、この提携を維持しつつ、今年9月に日本法人を設立。このほど、日本における本格的な営業、マーケティング活動を推進していく。 Flextronicsは、Solectronに次いで世界第2位の売上規模を誇るEMSで、日本の企業では、セイコーエプソン、シャープなど約15社が同社に製造委託している。最近では、マイクロソフトのXboxや、ソニーとエリクソンの合弁会社からの次世代携帯電話の製造委託などで話題を呼んでいる。部品の調達規模は全世界で約1兆4,000億円で、そのうち日本企業向けには2,000億円程度の部品を使用して製造しているという。 今回の日本法人設立は、日本における営業およびマーケティング活動を進めていく拠点となるものの、実際の営業活動は、提携関係にあるキョウデンの営業担当者100人を動員して行なうことになる。日本法人は、今年11月の段階でもわずか3人という小規模体制のままだ。 「日本では、多品種少量というニーズが強く、大量生産という当社のメリットが発揮しづらい。キョウデンの4,000社の顧客に対して、プロトタイプ生産、小規模生産をキョウデンで行ない、中規模、大規模生産の商談が発生した場合に、Flextronicsの全世界の生産拠点を活用する体制をとる」(フレクストロニクスジャパン代表取締役副社長 金丸 尚樹氏)という。 また、日本での生産拠点の設置についても、「現段階では、具体的な話はない」(フレクストロニクスジャパン社長 アッシュ・パードワジ氏)としながらも、案件次第では拠点を開設することも視野に入れている方向性を示した。 同社の全世界規模での売上高は、前年度実績で130億ドル。27か国に1,600万フィート(約4,800km)の生産ラインをもつ。「不況が進展すればするほど、メーカーは生産委託の方向性を強める。最新四半期は、過去最高の売上高を達成しそうだ」(バードワジ氏)と急成長を遂げている。 だが、日本においては、キョウデンとの提携があるとはいえ、日本法人の体制が弱い点は気になるところ。早期に日本法人の体制づくりをすすめる必要がありそうだ。
(2001年10月18日)
[Reported by 大河原 克行] |
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