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米AMD、デスクトップ用PalominoコアCPU「Athlon XP」発表 |
Athlon XPのロゴ | 秋葉原店頭でのAthlon XP |
10月9日(現地時間) 発表
米AMDは9日(現地時間)、かねてから予告されていたPalominoコアのデスクトップ用プロセッサ「Athlon XP」を発表した。
Athlon XPは、「QuantiSpeed」アーキテクチャを採用したとしており、クロック当たりの命令処理能力を高めたという。ほとんどの仕様は、すでに登場しているPalominoコア製品と共通だ。プロセスルールは0.18μm、1次キャッシュ128KB、2次キャッシュ256KBの計384KB(エクスクルーシブ構成)をオンチップで搭載する。パッケージはSocket A対応。拡張命令は3DNow! Professionalを搭載している。
しかし、もっとも特徴的なのは、そのマーケティング戦略で、従来のようなクロック表示は行なわれず「Model Number」で製品が区分される。Model Numberは“1800+”のように4桁の数字とプラスで表示される。
実際のコアクロックとの関係は次のようになる。1800+(1.53GHz)、1700+(1.47GHz)、1600+(1.40GHz)、1500+(1.33GHz)。解説を読む限りでは、プロセッサの能力はクロックサイクル当たりの処理能力×クロックで表わされるとしており、QuantiSpeedアーキテクチャによりクロック当たりの処理能力が向上したAthlon XPは従来のクロック表示では、その本来のパフォーマンスを認識できないという考えのようだ。
弊誌を含めて各種のベンチマークで明らかになっているように、Pentium 4のクロックあたりの整数演算性能はAthlonやPentium IIIよりも低い。AMDはAthlon XPを世に出すにあたって、ライバルであるPentium 4に対し見かけ上のクロックで比較されることを拒否し、新しい基準を導入しようとしているようだ。
また、Athlon XP 1800+の1,000個ロット時単価は「1800+」が252ドル、「1700+」が190ドル、「1600+」が160ドル、「1500+」が130ドルとなっている。これはPentium 4 1.8/1.7/1.6/1.5GHzの256/193/163/133ドルにきわめて近い。
従来のAthlon 1.4GHzがPentium 4 1.4GHzとほぼ同じ130ドルに留まっていたのに対し、実クロック1.4GHzの1600+は30ドル高い値段が付けられたことになり、AMDが苦しんでいるCPU分野の収益改善には有効な手段であろう。
先週末より秋葉原の店頭でフライング販売されている1800+/1700+/1500+も、Pentium 4の1.8/1.7/1.5GHzとほぼ同等の価格で販売されている。
しかし、実クロックを離れたレーティングというマーケティング戦略は、以前「Pレート」で失敗した歴史があり、今回の「Model Number」が市場およびユーザーにどのように受け入れられるかが注目される。
□AMDのホームページ(英文)
http://www.amd.com/
□Athlon XPのホームページ(英文)
http://athlonxp.amd.com/
□Athlon XP BenchmarkingとModel Numbering Methodology(英文)
http://athlonxp.amd.com/technicalInformation/benchmarkingModelNumbering.jsp
□関連記事
【10月9日】【CPU/HDD/メモリ】未発表のAthlon XPが秋葉原で出回る
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011009/pa_cphdd.htm
(2001月10月10日)
[Reported by date@impress.co.jp]
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