WORLD PC EXPOレポート

今回の主役!? Windows XPは大人気

阿多親市社長

9月19日~22日

会場:幕張メッセ

入場料:2,000円



 マイクロソフト株式会社は、「WORLD PC EXPO 2001」の会場近くのホテルでWindows XPの発表会を開催した。すでにWindows XP日本語版については、製品の完成と11月16日の発売が発表されているが、今回は推定小売価格、製品構成などの最終的な仕様と、イー・アクセスと連携したサービスが公表された。

 価格については関連記事を参照されたいが、今回の特徴はXP Professionalのみに用意された、Windows 2000 Professionalからの特別アップグレード版だ。これは、日本独自のパッケージで、2002年2月末までの期間限定で販売され、価格も通常のアップグレード版より割安となっている。

 代表取締役社長 阿多親市氏は価格について「Windows XP Professionalの価格は、Windows 2000 Professionalより15%下げられている。これはWindows XPをもっと使ってほしいからだ」と述べ、特別アップグレード版については「Windows 2000 Professionalを個人で使用しているユーザーの比率が高く、そのアップグレードパス」と説明している。

日本独自の特別パッケージ 64bit版Windows XPも登場する サポートも強化された

 また、64bit版Windows XPも米国版と同時に出荷されることを発表した。これはItanium搭載のエンジニアリングワークステーションをターゲットにしたOSだ。「32bit版にくらべアクセス可能なメモリ空間が拡大し、実装で16GB、仮想で16TB(テラバイト)のアクセスが可能となった。3D CADなどの分野でのニーズに応えることができる」という。「32bit版アプリケーションも動作可能なので、1台のワークステーションで、PCのアプリケーションもいっしょに使用できる」とした。64bit版Windows XPは、パッケージとしては販売されず、各Itanium搭載ワークステーションのメーカーから直接提供される。

Home EditionとProfessionalの機能比較 対応ソフトのチェックも進む アクティベーションの意義

 Windows XPではサポート体制も一部変更される。セットアップ/インストールサポートと操作サポートが分離され、セットアップ/インストールサポートは無制限となる。操作サポートは、Office XP同様に時期を限定せず質問の回数でカウントするインシデント制が導入され、Home Editionでは2回、Professionalでは3回まで質問できる。テクニカルサポートを除いては、日曜日も受け付けるようになった。

 イー・アクセスとの提携はWindows XPに標準搭載されるWindows Messengerを使用して公衆網へ直接電話をかけられるサービスをイー・アクセスが提供するというもの。VoIP(ボイス・オーバー・アイピー)による一般ユーザーに向けた大規模なサービスはこれが初となる。しかし、この場では価格などは明らかにされなかった。また、阿多社長は、今後もWindows XPを基盤とした提携を積極的に進める意向を示した。

 続いて、Windows製品部の御代茂樹氏が、OS製品としては今回初めて導入されるアクティベーションによるライセンス管理システムについて解説した。アクティベーションは製品導入後、最初の起動から30日以内にライセンスの登録を行なう仕組みだ。御代氏は「アクティベーションはあくまでもユーザー登録ではなく、ライセンスの確認であり、一部で危惧されているような個人情報が転送されるようなことはない」と改めて強調した。

 また、「製品版のアクティベーションは、登録から120日以内に、10のキーのうち6つが変更された場合、改めてアクティベーションが必要となる」と述べた。RC1では4つ以上の変更でアクティベーションが必要となっていたため、すこし緩和されたことになる。システム構成が大幅に変わる可能性が高い自作ユーザーにとっては歓迎すべきことだろう。

 また、Home EditionとProfessionalの区別について、「Windows XPはProfessionalがベースとして開発され、Home Editionはそのサブセットとして開発されている。Professionalでは、ドメインネットワークやリモートメンテナンスのサポートなどの機能面や、ボリュームライセンスでの販売などがあるため、企業ユーザーにはこちらを使っていただきたい」とした。

 質疑応答では、「個人で購入したPCを会社でも使用するために、Home EditionからProfessionalへのアップグレードパッケージが必要ではないか」、「カジュアルコピーを防ぐことをめざしているのであれば、企業向けにボリュームライセンスがあるように、家庭内用に2台目、3台目用のライセンスが廉価に提供されるべきではないか」という質問が出たが、いずれも検討中で発売日までには発表するという回答に留まった。

混雑するMicrosoftブース Plus!も展示されている

 また、Windows用のサポートパッケージというべき「Plus!」がWindows XPにも用意されることが明らかにされた。内容は音声によるコマンドシステム、3Dスクリーンセーバーなど。価格はまだ未定としている。

 Windows XPは今回のイベントの中心的存在となっており、午後に行なわれた阿多親市社長の基調講演と、展示会場のマイクロソフトブースはいずれも多数の人がつめかけた。基調講演も後半はWindows XPのデモが中心で多数の立ち見客が熱心にデモを見守っていた。

 今年の冬商戦はWindows XPが起爆剤役を期待されているだけに、マイクロソフトとしても、発売日に向けてこの勢いをさらに盛り上げたいところだ。

□WORLD PC EXPO 2001のホームページ
http://www.wpc-bp.com/
□関連記事
【9月19日】マイクロソフト、Windows XP日本語版の価格を発表
~Home Edition 25,800円、Professional 35,800円
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010919/xp1.htm

(2001月9月19日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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