NEC、初の四半期決算を公開。半導体分野の損失大
~上期決算も下方修正

7月27日発表



 NECは、2001年度第1四半期(4~6月)決算を発表、同時に上期(4~9月)の業績下方修正を発表した。2001年度通期に関しては、現時点では、当初予測通りとしている。

 第1四半期の業績は、売上高が前年同期比6%増の1兆1,246億円、営業利益は同70%減の37億円、税引き前利益が4%増の33億円、当期純利益が72%減の8億円となった。

 全社としては、赤字決算にはならなかったものの、半導体などを担当するNECエレクトロンデバイスが、電子デバイス市況の悪化に伴って減収、メモリや液晶ディスプレイの価格が前年に引き続き価格が下落したことで173億円の営業損失となった。

 パソコンなどを担当するNECソリューションズは、4,332億円で前年同期比4.5%増。営業利益も前年同期から115億円増え、65億円の黒字決算となった。

 SI、サービスなどの大手企業向け事業が堅調で、この分野では前年同期比49%増、695億円という大幅な伸張を見せたほか、サーバー、ストレージ、ワークステーションでも38%増の654億円となり、これがNECソリューションズの増収を支える格好になった。

 懸念されたパソコン事業では、企業向けパソコンは台数ベースで29%増となったものの、VALUESTAR、LaVieなどのコンシューマ向けパソコンが18%減となり、トータルでは前年同期比8%減という結果。金額ベースでも、13.4%減の1,916億円とマイナス成長になった。

 同社では、四半期別の製品ごとの損益については発表していないが、松本滋夫取締役専務によると、「第1四半期に関しては、パソコン事業は赤字。第2四半期も赤字となるだろう。だが、それほど大きな赤字額ではないことに加え、下期には黒字転換ができる」とコメントした。

 また、「パソコン業界全体としても、第1四半期および上期はマイナス成長という認識でおり、今回のパソコン事業の業績は、市況全体と大きな差はない」としている。

 通信分野を担当するNECネットワークスは、4,641億円で前年同期比43.6%増、営業利益は312億円となり、同社の収益を支えた。NTTドコモ向け携帯電話の伸張と、懸念されていた欧米での需要減速の影響をそれほど受けなかったのが好調の要因としている。

 電子デバイスを担当するNECエレクトロンデバイスの売り上げは、前年同期比27.5%減の2,213億円。個別では半導体が29%減、ディスプレイが39%減、電子部品が4%減で、なかでもメモリは64%減の大幅な減少となった。北米市場でのパソコン需要の急減速、欧米市場での携帯電話の在庫調整の長期化、情報家電製品の需要鈍化などの市況の低迷によってデバイスの需要が激減、さらに、DRAMやノートパソコンなどに利用される液晶ディスプレイの価格下落も収益悪化に影響したという。

 まお、NEC全体の、上期の業績予測が下方修正された。売上高は4月の発表時点と比較して1,000億円減の2兆6,000億円(前年同期比5%増)、営業利益は300億円減の300億円(同60%減)、税引き前利益は300億円減の100億円(同72%減)、当期純利益は120億円減の30億円(同85%減)とした。

 また、同社では、半導体分野における500億円規模の設備投資の見直しなどにも着手していることを明らかにした。

 なお、NECでは、西垣浩司社長自らが、7月31日に中期経営計画を発表する予定である。

□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/japanese/today/newsrel/0107/2701.html

(2001年7月27日)

[Reported by 大河原克行]

I
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】

【Watch記事検索】


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.