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ストリーミングメディアコンファレンス「Streaming Media West 2001」開催
場所:Long Beach Convention Center
その中で、これまで新入社員のトレーニングにはビデオを使っていたが、それをPCのストリーミングシステムに変更することで、大幅なコストダウンが可能になった、という実例などが紹介されていた。 これを見る限り、企業内でのストリーミングメディアへの取り組みは、特別なものではなく、一般的なモノになっているようだ。ある意味、コンシューマーに向けたストリーミングメディアが難しいもの(お金が回収できない)となっているため、最もビジネスになりやすい部分がクローズアップされているのだろう。
Dick Glover氏は、Disneyのインターネット部門、ESPN.com、ABC.comなどのサイト構築にかかわった経験から、「インターネットを使ったストリーミングメディアは、'80年代に登場したケーブルテレビと同じように、まったく新しいビジネスを生み出す可能性を持っている。実際、24時間放送し続けるというCNNやCBSケーブルなどは、地上波のようにチャンネルの制限がなく、1つのチャンネルですべての視聴者を満足させなくてもよくなったため、成功したのだろう。ただ、CNNやCBSケーブルは、当初大幅な赤字を背負っていた。積極的な投資を行なった企業だけが、新しい多チャンネル時代に生き残り、巨額の利益を生み出すようになった。ストリーミングメディアでも同じことが言えるだろう。苦しい時代をぐぐりぬけた企業こそが、新しいメディアの主導権を握るはずだ」と語った。 コンシューマー向けのストリーミングメディアとして重要な要素は、強力なブランドを持っていること、TVや出版、インターネットなど、メディアを問わずに、1つのコンテンツを利用していけることという。また、これらの成功例として、AOL Time Warner、Disney、ESPNなどをあげていた。 特にDisneyグループでは、インターネットを利用したEnhanced TVというプログラムを提供している。現在は、ABCのクイズ番組「Millionaire(ミリオネラ)」やNFL中継などで提供されているものだ。 サービスとしては、番組を見ながら、インターネットでさまざまな情報を流したり、インターネット視聴者がよりインタラクティブな番組参加ができるようにしている。 たとえば、Millionaireなら、どの回答者が最後のクイズまで答えられるのか? また、NFLなら、ゲームの流れにしたがって、プレイしているチームのプレイデータがどうなっているか(パスの成功率、ランニングバックのデータなど)を簡単に見られるようになっている。もちろん、TVでは1回しか放送されないリプレイ映像なども、好きなときに何度でも見ることができる。
このコンファレンスは、コンシューマー向けというよりも、ストリーミングメディアをビジネスにしようとしている企業が参加しているため、制作ツールを提供している企業や、ストリーミングサービスを行なうコンテンツ・デリバリー・サービス(CDS)などの企業が多く参加している。
(2001年6月21日)
[Reported by 山本雅史] |
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