日本AMD、モバイルAthlon 4/Duronの発表会を開催
-Athlon 4の“4”の秘密

5月15日 開催



 日本AMD株式会社は15日、「モバイルAMD Athlon 4(以下Athlon 4)」と「モバイルAMD Duron(以下Duron)」の発表会を開催した。米本社からパトリック・ムアヘッド副社長も列席した。

 国内の1,000個ロット時単価は、Athlon 4 1GHz/55,250円、950MHz/45,500円、900MHz/35,100円、850MHz/31,200円、モバイルDuron 850MHz 25,610円、800MHz 22,100円。

会場に展示されたAthlon 4搭載ノート

 14日に発表された米国では、CompaqがAthlon 4搭載のPRESARIO 1200を発表している。国内でも、コンパックコンピュータと日本HPから、Athlon 4/Duron搭載モデルの発売が予告された。コンパックは米国同様コンシューマ向けのプレサリオシリーズ、日本HPは企業向けのノートPCへの採用が検討されているという。

 発表会では、公開されているロードマップが示され、Athlon 4が“Palomino”、Duronが“Morgan”であることを明確にされた。

 なお、Athlon 4の“4”については「第7世代の4番目の製品という意味でつけられた」と説明されたが、「では、なぜDuronは“Duron 2”ではないのか」という質問に対しては「Duronがターゲットとしているバリュー市場は保守的な市場であり、浸透しているブランド名を変更しないというマーケティング上の理由」と説明された。裏返せば、Athlon 4の“4”も新鮮味を出すためのマーケティング上の理由だということになる。

 Athlon 4の、トランジスタ数は3,750万トランジスタで、ダイサイズは128平方mmとなる。これは従来のAthlonの3,700万トランジスタ/120平方mmよりも、トランジスタ数ダイサイズとも拡大している。

 なお、Duronについては、ダイサイズなどが公開されなかった。これについて、質疑応答の際に「現在は生産の関係でDuronもPalominoコアであり、マニュファクチャリングオプションでキャッシュサイズなどを調整したものである。したがって、ダイサイズはAthlon 4と同一になる。将来的にはMorganコアとなり、10~15%ダイサイズが縮小する予定で、トランジスタ数も約2,500万となる」と説明された。

 今回のAthlon 4/Duronの特徴としては、ハードウェアによるデータプリフェッチ、低電圧化(1.2~1.4V)、温度測定ができるサーマルダイオードの搭載などが紹介された。低消費電力化を図るとともに、性能面でも従来のAthlonに比べ最大10%向上したという。

実機によるデモ。負荷によって動作クロックが速やかに変動する モードによる消費電力の違い
 省電力機能である「PowerNow!」については「FSB 200MHzの場合、300MHzを最低クロックとして0.5倍刻みで動作クロックを設定できる。ただし、設定についてはOEMメーカーとの相談により、製品の性格なども含めて検討している。通常は100MHzより細かい刻みにはしない。刻みの段階を増やすと、レギュレーターモジュールのオーバーヘッドも大きくなるので5段階ぐらいになる」としており、搭載製品によって設定が異なることを明らかにした。

 なお、Athlon 4/Duronとも、Enhanced 3DNow!に52の新命令を追加した「3DNow! Professional」を3D命令として採用している。この新命令については質疑応答の際に「IntelのSSEと互換性を取ったもの。命令およびレジスタがコンパチとなる。起動時にBIOSなどの対応でイネーブルビットを操作することで使用可能となる」と説明された。アプリケーションソフトウェアでの採用が進んでいるSSEに対応することで、対応アプリケーションを増やそうというねらいのようだ。

 Athlon 4/Duronとも、Socket A対応だが、「物理的には同じだが、従来は使用していなかったいくつかのピンを信号線として利用している」としており、新しい機能を使用するためにはチップセットやBIOS側での対応が必要になる。また、Socket Aを採用していることで、ミニノートでは採用しにくい点については、「従来通り、3スピンドル(HDD、FDD、DVD/CD-ROM)のノートを中心のターゲットとしているが、パッケージの変更などについての検討はしている」と述べるに留まった。

 今後のPalominoコアの動向については従来どおり、来月にもサーバー向け製品が続き、今年後半にデスクトップ用が登場すると説明された。なお、各製品の製品名については「発表時に明らかにする」としており、Athlon 4の名称を使用するかどうかは確言されなかった。サーバーやデスクトップ向け製品へ省電力機能が取り込まれるかという質問に対しては「サーマルファームコントロールの部分的な導入の可能性はあり、メーカーとのディスカッションでどの機能を導入するのか決まる」と述べた。

Athlon 4/Duronの主な仕様
種別AthlonモバイルAMD Athlon 4DuronモバイルAMD Duron
インフラSocket A
プロセステクノロジ0.18μm
トランジスタ数3,700万3,750万
ダイサイズ
(平方mm)
120128
消費電力最大20%低減最大20%低減
キャッシュ384KB384KB(データプリフェッチ)192KB192KB(データプリフェッチ)
3D命令Enhanced 3DNow!3DNow!Professional
(52の新命令を追加)
Enhanced 3DNow!3DNow!Professional
モバイル向け機能PowerNow!/サーマルダイオード/低電圧動作PowerNow!/サーマルダイオード/低電圧動作

□日本AMDのホームページ
http://www.amd.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.amd.com/japan/news/prodpr/nr21025.html
□AMDの公式ロードマップ(英文)
http://www.amd.com/news/virtualpress/roadmap.html
□関連記事
【5月14日】AMD、Mobile Athlon 4発表。最高クロックは1GHz
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010514/amd.htm

(2001年5月15日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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