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ボトルネックは、CPUからネットワークに移った |
5月11日 開催
米Dell Computerのマイケル・デルCEOが来日し、日本法人のデルコンピュータ株式会社 浜田宏代表取締役社長とともに記者会見を行なった。
まず、Dellの好調な業績が紹介された。Dellでは出荷台数を公開していないが、IDCの調査結果として、米国でシェア1位、ワールドワイドで2位であるという。
業績は上昇を続けており、対前年比でサーバー 35.7%、ノートは38.7%、デスクトップ 27.1%伸びている。日本市場では、ノートブックとサーバー市場での伸びが著しく、サーバー 85.5%、ノート 142.1%、デスクトップ 35.3%に達している。ノートPCはワールドワイドでも、売り上げ全体の28%に達するという。
日本法人についての評価は、「Dell全体を上回る利益率を上げており、かなりいい点をつけられる、私は常に満足はしないが、うれしく思っている」と述べた。
成長の要因としては、同社の基本理念でもある、直販専門の「デル・ダイレクト・モデル」を挙げた。
「現在、資材は毎週1%の比率で値下がりしている。Dellの在庫は5日分だが、他社は50~60日で流通まで入れると80~90日になる。それだけ資材の価値が下がってしまうため、利幅を大きくとらなければならない。Dellは、その分、顧客に安く提供できる」。
「このモデルにより、サーバー分野でも大きな成長を遂げることができた。Compaqは、サーバー分野の利益を、デスクトップやノート市場に振り分けていたが、我々がサーバー分野でシェアを伸ばしたことで影響を受けるだろう。すでに日本市場でもコンパックに近い位置におり、もうすぐ追い抜くだろう」と述べた。また、「他社がデル・モデルをまねようと何年も試みているが、それは成功しているようにはみえない」ともいう。
サーバー分野のトピックでは「ハイデンスサーバー(高密度のラックマウントサーバー)が対前期で200%伸びた」という。ただし、ハイデンスサーバー向けとして注目されているCrusoeについては「各社の製品を評価しているが、現時点では採用の計画はない」と述べた。
2Way以上のマルチプロセッササーバーについては「2wayから4→8→16→32Wayと大きくなるにつれて市場は小さくなる、ハイエンドサーバーは顧客にとっては重要な商品ではあるが、Dellでは8Wayまでのサーバーに注力する」述べた。また、サーバー以外ではストレージとサービスを次のターゲットとして挙げた。
コンシューマー市場について「ワールドワイドで、Dellの顧客の85%は企業、15%が個人だ。日本市場では個人の比率は10%になる。また、全体では50%がネットワークでの購入だが、個人では60%がネットワークで購入する」という。日本市場での個人向け市場の比率が思ったよりも低いのが印象的だ。
また、個人市場での購入動機について「プロセッサのクロックの向上が購入の動機となる時期は終わった。コンピューティングのボトルネックは、プロセッサからネットワークに移っている。Pentium 4を持っていても56kbpsのモデムではしょうがない。CATVやADSLのようなブロードバンドの回線がいるだろう。現在はプロセッサの速度が通信速度を上回っているが、今後は高速な携帯電話や無線も含めた、ネットワークの技術が進むだろう」と述べた。
□Dellのホームページ(英文)
http://www.dell.com/
□デルコンピュータのホームページ
http://www.dell.com/jp/
(2001年5月11日)
[Reported by date@impress.co.jp]
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