マイクロソフト、サーバー・アプライアンス市場に本格参入

5月7日発表


  マイクロソフト株式会社は7日、同社のサーバー・アプライアンス市場における戦略について記者発表会を行ない、パートナー会社への「Server Appliance Kit 2.0」日本語版の提供を5月下旬より開始すると発表した。

 アプライアンス・サーバーは、通常のサーバーのように汎用性のあるものではなく、ファイルサーバーやWebサーバーなど、単機能に絞ることでシステムの安定化を計り、低コスト化を実現するというもの。同社は「Windows Powered Server Appliance」と称してWindows 2000 Serverをベースとしたアプライアンス・サーバー製品の開発を支援している。

顧客のニーズは汎用型サーバーと単機能型サーバーとの2極化がすすんでいる アプライアンス・サーバー市場は今後急速に成長することが予想される

 すでに、ファイルサーバー用アプライアンスとして「Microsoft Windows Powered Network Attached Storage」、Webサーバー用アプライアンスとして「Microsoft Windows Powered Web Appliance」の2つが提供されており、パートナー各社から、これらを搭載したアプライアンス・サーバーが発売されている。

マルチプロセッサ時のパフォーマンスなど、各所でLinuxとの比較をする場面が見られた
 今回発表された「Server Appliance Kit 2.0」はこれらのサーバー・アプライアンス開発を支援するためのツールで、使用環境に合わせて自動的にOSを最適化する「ターンキー」機能や、障害時に、管理者へ自動的に電子メールでメッセージを通知する機能などが追加される。

 会場にはマイクロソフトの阿多親市代表取締役社長や鈴木和典取締役をはじめ、「Windows Powered Server Appliance」のパートナー会社代表として、コンパック、デル、東芝、日本電気、日本IBM、日立製作所、富士通など7社の代表も列席し、各社のアプライアンス・サーバー市場に対する取り組みについても語られた。

阿多親市代表取締役社長
 発表会で、阿多親市代表取締役社長は、「今後、アプライアンス・サーバー市場は急速な成長が見込まれている」とし、「積極的に市場に参入していきたい」と述べた。

 また、終始、Linuxに対する同社製品のアドバンテージを強調。「Linuxは現在Webサーバー市場を中心に普及しており、サーバー・アプライアンス市場においてはそれほど普及していない」、「OS自体は無料でも、サーバーを構築するさいには有料の管理ツール等が必要になり、さらに、サポート先も不明確で、結局ユーザー自身にかかる負担が大きい」、「マルチプロセッサや、複数サーバーの運用時にはLinuxと比較して高いパフォーマンスを発揮できる」などと語った。

今回参加したパートナー会社から発売されているアプライアンス・サーバー。現在合計16社のパートナー企業があり、今後さらにラインナップが増える予定

 また、「今後1~2年でサーバー・アプライアンス市場の6割のシェアを獲得する」と自信を見せながらも、「LinuxなどUNIX系OSを排除できるのか?」という質問には、「それら既存のシステムとなるべく柔軟に共存できるよう、システムの親和性についても重視している」とし、「排除するというのではなく、あくまで共存していくつもりだ」と説明した。

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/050701sakj.htm

(2001年5月7日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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