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ソニー、身長50cmの二足歩行ロボット「SDR-3X」を発表
11月21日発表 ソニー株式会社は、21日、小型二足歩行ロボット「SDR-3X」の技術発表会を開催した。 「SDR-3X」は、基本アーキテクチャにAIBOでも採用されている、エンタテインメント・ロボット用アーキテクチャ「OPEN-R」を採用した小型の二足歩行ロボット。 本体サイズは、220×140×500mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約5.0kgで、同社では「エンタテインメント用として設計されているため、小さい方がコスト的には安くできる。現在の技術で出来る限り小型化した結果こうしたサイズになった」という。なお、「SDR-3X」の製品化の予定はないとのことだが、製品化した際の価格は「乗用車一台分くらい」になるという。
CPUに64bit RISCプロセッサ×2、OSにはソニー独自のAperiosと基本的な構成はAIBOと同じ。基板もAIBOのものを利用しているという。 大きく異なるのは、二足歩行を実現するため、関節をリアルタイムで制御する「アクチュエータ」と呼ばれる機構と、全関節をリアルタイム制御する「全身協調動的制御システム」を搭載したこと。 「アクチュエータ」は、モーター部と、ギヤ部、モーター部を制御する回路部を一体化した関節制御モジュール。「SDR-3X」では各関節に求められる大きさと駆動力にあわせて3種類のアクチュエータを開発したという。
今回のデモ時には動作プログラムを本体に送り動作させており、AIBOのような自律型の動作は行なっていなかった。リモートコントロールも技術的には可能としている。歩行や屈伸、伸脚などの動作や、音楽にあわせてダンスなどがデモされた。
同社デジタルクリーチャーズラボラトリー所長の土井利忠氏は、「'80年代がPC、'90年代がインターネットの時代だったとすると、2000年からの10年はロボットの時代になると思う。今のPC業界を大きく越える産業になるのではないか」と語った。
また、ロボット関連でどういったビジネス展開していくかとの質問に、「5年後にはエンタテインメントロボットの市場の5割以上をヒューマノイドが占めるだろう。ソニーでは“SDR-3X”を“エンタテイメントロボット”と位置づけているが、将来的にはビジネスとエンタテイメントといった境界がかなり曖昧になり、ビジネスとして成立していくのでは」という見通しを述べた。 「SDR-3X」は11月24日から26日までパシフィコ横浜で開催されるROBODEXで一般公開を予定している。
(2000年11月21日)
[Reported by usuda@impress.co.jp] |
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