ビクター、世界初のHDDとS-VHSのハイブリッドビデオレコーダなど11月上旬より順次発売
標準価格:「HM-HDS1」188,000円
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HM-HDS1はHDDとS-VHSの両方を搭載することで、HDDの高速性や操作性、テープの大容量や保存性を実現。HDDとS-VHS間は、相互に映像のやり取りが可能となっており「通常はHDD側で視聴・録画し、ライブラリ化したいものや、友人や家族などに渡したいものをS-VHSにコピーする」という使い方が想定されている。 HDD側で視聴している場合は、いわゆるタイムシフト機能が常に有効で、リアルタイム放送を一時停止したり、巻き戻したり、音声付1.5倍速再生で実放送を追っかけたりすることなどができる。HDDは20GBのものを使用しており、録画時間はSPモード(水平解像度約520本)で約7時間、LPモード(同520本)約10時間、EPモード(400本)約14時間、SEPモード(240本)約20時間となっている。なお、「HDDの換装サービスの実施も予定している」という。 HDDに録画しながら、HDDから再生することもでき「HDDとS-VHSに録画しながら、HDDを再生する」ことが可能。ただし、地上波とBSチューナをそれぞれ1基しか搭載していないので、HDDとS-VHSに地上波の違うチャンネルを録画するといったことはできない。 ビットレートは最高画質(SPモード)が約6Mbpsと、ソニーのHDDレコーダ「Clip-On SVR-715」の11.5Mbps、松下のDVD-RWレコーダ「DMR-E10」の約10Mbpsに比べると、低く設定されている。このことについて同社では「最高画質よりも、録画時間を優先した」と説明している。 HDDに録画した場合、自動的にサムネイルが作成され、HDDに記録されるので、再生時には、その画面を見ながら目的のビデオを探すことができる。また、そのサムネイルを選んで「実行」ボタンを押すだけで、S-VHSにコピーすることも可能。さらに、HDDに録画したビデオを見ながら任意の場所でイン点、アウト点を設定して編集、それをS-VHSにコピーする機能も搭載している。 HDDからS-VHSにコピーした場合でも、自動的にS-VHSテープに番号が記録され、ユーザー側で削除しない限りサムネールデータは保存されている。これにより、S-VHSテープを入れれば、HDDの中から対応するサムネイルが表示され、HDDと同じインターフェイスで頭出しすることができる。 HM-HDS1の外形寸法は435×385×124mm(幅×奥行き×高さ)、重量7.4kg。入力端子はコンポジット×2、S端子×2、ステレオ音声×2、BSデコーダ専用ビデオ入力×1を備える。i.LINKなどのデジタル入力は装備しておらず、BSデジタル放送や、CSデジタル放送などをビットストリームとして直接記録することはできない。
また、ビクターでは同時に業界初のHDレコーダ搭載D-VHS デジタルハイビジョンビデオ「HM-DH30000」を12月上旬から235,000円で発売することも発表した。生産台数は4,500台/月の見込み。 HM-DH30000の最大の特徴はHDデコーダ(1125i/750p)を内蔵したこと。今までのD-VHSビデオでもi.LINK端子を使用して、BSデジタルハイビジョンチューナからビットストリーム記録することはできた。しかし、D-VHSデッキは、ただのテープストレージとして機能しており、再生する場合でもi.LINKでチューナユニットにデータを流して、チューナユニット側でデコード。チューナユニットから画面を出力する必要があった。 しかし、HM-DH30000は内蔵HDデコーダとD4/3/2/1端子を装備したことで、単体でもHSモードで記録した放送を出力することが可能となった。また、ビットレートコンバータも内蔵しているので、デジタルハイビジョン放送を、標準デジタル放送にビットレートを落として記録することもできる。出力もダウンコンバートに対応しており、HSモードで記録したBSデジタルハイビジョン放送も、従来のインタレーステレビで視聴可能となっている。 また、今回の発表会では、「ハリウッドと一緒にD-VHSを使った高画質なパッケージソフトの開発を進めており、2001年中ごろには米国で発表予定」であることも明らかにされた。詳細な仕様などは明らかにされていないが、「ハイビジョン画質(1125i/750p)で、音声はマルチチャンネルのMPEG-AACや、ドルビーデジタルといったことも可能だ」という。 現在普及が進んでいるDVDの最大容量は17GBなのに比べ、50GBまで用意されているD-VHSは、ランダムアクセスができないという弱点があるものの容量的には圧倒的に有利。DVDビデオのような瞬時のチャプタの呼び出しはできないだろうが、DVD対抗のためにもより高画質・高音質なソフトが発売されると期待される。
□日本ビクターのホームページ (2000年9月28日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp] |
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