Click


ソニー、無線LAN搭載のインターネット液晶TV「エアボード」

エアボードを手にした野副正行デピュティプレジデント
12月1日 発売

価格:オープンプライス

連絡先:お客様ご相談センター
     Tel:0570-00-3311


モニターは立てかけることも可能
 ソニー株式会社は、無線LAN“IEEE-802.11b”を搭載しインターネットに接続できる液晶テレビ「エアボード (IDT-LF1) 」を12月1日から発売する。価格はオープンプライスだが、実売価格は13万円程度となる。

 エアボードはチューナーなどを収めたベースステーションと、タッチパネル方式の10.4型TFT液晶を搭載したモニター部に分かれており、モニター部は自由に持ち運ぶことができる。ベースステーションとモニター間は無線LAN技術のIEEE802.11b規格に準じており、動画データをMPEG-2形式でモニター部に送信している。
 ベースステーションのサイズは239×148×120mm (幅×奥行き×高さ) 、モニター部は320×39×204mm (幅×奥行き×高さ)。モニター部の質量は、付属バッテリー込みで約1.5kg (ベースステーションは約1kg) となっている。モニターのバッテリはリチウムイオンを採用しており、使用可能時間は付属バッテリで約1時間、別売バッテリ (15,000円) で約3時間となっている。同社では「基本的に屋内で使用するものなので十分と考えている」という。インターフェイスはベースステーションにアンテナ、ビデオ入力 (映像ピンジャック×1、音声ピンジャック×2 ステレオ) 、電話回線、AVマウス出力 (接続したAV機器をエアボードからコントロール) を搭載。モニター部にはヘッドフォン端子、キーボード端子 (PS2) を装備。

 ベースステーションはV.90対応の56Kbpsモデムを搭載しており、インターネットやEメールを利用することができる。インターネットを楽しみながら画面の一部にテレビ画面を表示させることも可能。ブラウザソフトはACCESSのNetFrontをベースに自社カスタマイズしたソフトを使用しているが、LinuxなどのOSは搭載していない。また、モニター部にはメモリースティックスロットを搭載しており、メモリースティック内のJPEG、GIF、BMP画像を再生する事ができる。
 テレビと言うこともあり、家族で使用することが想定される中、プライベートデータに関する問題が発生する可能性もあるが、Eメールのアドレスや送受信データ、ブラウザのブックマークなどは個人データとして個人用メモリースティックに個別に記録することができるという。ただし係員の話では、この機能は購入時の機能として搭載されるか、別売のソフトとして提供されるかは未定としている。

 都内で開催された発表会で壇上に立ったホームネットワークカンパニー インターネット事業開発部 統括部長の前田悟氏は、「テレビなどの動画データとインターネットのデータを混在して無線LANで送受信することは大変難しい。動画データは途切れることが許されないため、IEEE802.11bの“PCF”を採用することでストリーミングデータに優先権を設定した。このほかにもインターネットのデータはTCPを利用しストリーミングデータは“UDP”を利用。動画データとインターネットのデータ通信を混在させることができた」としている。また、「データをError Correctionしながらソフトウェアでやり取りさせるのは、Pentium IIIなどのCPUなら可能かもしれないが、こういった家電製品では大変だ。CPUを搭載し熱を持つことも避けなければならない。このため専用のLSIを開発し搭載した」とコメントしている。

 Eメールにはメモリースティック内の画像を添付することができるが、添付できる枚数が1枚だけなど、まだ仕様的にこなれてない部分もある。同社ではすでに今後の展開も考えているようで、CyberShotやHandyCam、VAIOなどとの連携、ハードディスクの搭載など次世代のIT機器の中核となる存在を目指すとしている。また発表会場では、「メモリースティックでバージョンアップ可能か?」といった質問もでたが「答えられない」としている一方で、「次世代製品ではベースステーションに互換性を持たせ、モニター部分を別売することも考えられる」といった前向きな話も聞かれた。

モニター前面右側のスイッチ群。インデックスを押すとチャンネルや機能ボタンを配したインデックス画面が登場する スイッチの裏はメモリースティック挿入口となっている。メモリースティックが入っていると、タッチパネル操作時画面上部にマークが表示される モニター左下側面の端子など。AC電源を使えばモニター単体でも充電可能。その上がキーボード用PS2端子
ベースステーションの背面部。電源とAVマウスの間の端子は使用未定の端子。製品版では、カバーが付くという モニター上部の音量などのスイッチ群。真ん中の長い物がタッチペン AVマウスで接続機器の操作を行なっているところ。画面に表示されている操作パネルが透けており、背景が見える
今回採用された無線LAN技術の簡単な説明スライド。ポイントは映像系のストリーミングデータのプロトコルとして採用されたPCFとUDP 今後広がりのある商品展開として色々と紹介された


□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.world.sony.com/JP/News/Press/200009/00-044/
http://www.sony.co.jp/sd/CorporateCruise/Press/200009/00-0928/

(2000年9月28日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]

I
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】

【Watch記事検索】


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp