東京ゲームショウ2000秋 ハード編 |
会場:幕張メッセ 1ホール~8ホール
社団法人コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会 (CESA) 主催のゲーム展示会「東京ゲームショウ2000秋」が、22日に開幕した。一部の大手ゲームメーカーが出展を見合わせたことや、超大作と呼べるソフトの発表や展示がほとんどなかったこともあり、例年に比べやや盛り上がりに欠ける印象を受けるものの、興味深い展示内容がかなりあり、ゲーム好きであれば必ず押さえておきたい展示会であることは間違いない。ここでは、そのような興味深い展示内容の中から、様々なブースで多数展示されていたプレイステーション2用の周辺機器をいくつか紹介していこう。
■ ソニー・コンピュータエンタテイメントブース
プレイステーション2 (以下PS2) の発売元であるソニー・コンピュータエンタテイメント (以下SCEI) ブースでは、PS2用新作ソフトの展示が中心となっているが、その中でいくつか興味深いPS2用周辺機器が展示されている。
まずは、今年冬に発売が予定されているPS2用の大容量HDDユニットだ。米国版のPS2では内蔵HDDユニットが用意されることになっているものの、日本で発売されているPS2にはHDDを内蔵するようなスペースはない。そこで用意されるのがこの外付け大容量HDDユニットだ。SCEIブースの中央ステージ前に、PS2に接続された形で展示されている。実際に動作しているわけではなく、販売時期や価格、HDDの容量などもまだ未定となっており、具体的な製品解説もほとんどないが、大容量HDDユニットが一般に公開されるのはこれが初めてとなるため、見ておく価値は十分ある。
PS2用の大容量HDDユニット。今冬発売予定になっているものの、明確な発売時期や価格、容量などは不明となっている | 大容量HDDユニットの接続インターフェイスはPCカード。電源は別途ACアダプタを利用するようだ |
また、SCEIブースにはPS2用のレーシングコントローラも展示されている。2001年初冬に発売が予定されている新作レースゲーム「グランツーリスモ2000 A spec(仮称)」用として用意される、ロジクール製の「GT Force」がそれ。こちらは、先ほどの大容量HDDユニットと違い、グランツーリスモ2000 A specのデモマシンの多くに接続されており、来場者がグランツーリスモ2000 A specをプレイする時に実際に触ることができる。
GT Forceは、USB接続のプレイステーション2用周辺機器で、ロジクールがPC用として発売しているフォースフィードバック対応ステアリングホイール「WingMan Formula Force GP」をベースに開発したもの。GT Forceも、もちろんフォースフィードバックに対応しており、グランツーリスモ2000 A specプレイ時にもフォースフィードバック機能が働くようになっている。発売時期は、グランツーリスモ2000 A specと同時で、価格は未定となっている。PC用のレーシングコントローラはかなり高価なものが多いものの、コンシューマ向けのPS2用周辺機器ということもあり、1万円前後で販売できるように努力しているとのこと。利用環境が限られるものの臨場感は大幅に向上するため、レースゲーム好きならば必ず手に入れておきたいコントローラだろう。
SCEIブースには、これ以外にプレイステーションやPSone、PS2とiモード対応の携帯電話を接続する「携帯電話接続専用ケーブル」 (今冬発売予定、仕様・価格未定) も展示されている。カーナビ通信に対応するiモード携帯電話 (P502i、N502it、F502itなど) やJava対応携帯電話をPS2などのコントローラポートに接続するためのケーブルで、ゲームデータの送受信や連携ユーザー同士のコミュニケーションなどが行なえるようになる。また、人気ソフト「どこでもいっしょ」の追加ディスク第2弾として、iモード携帯電話でプレイできる「iモードもいっしょ (仮称) 」の発売予定も告知されていた。
プレイステーション2やプレイステーション、PSoneなどと携帯電話を接続する「携帯電話線用接続ケーブル」。基本的にiモード対応の携帯電話を接続して利用するようだ | 人気ソフト「どこでもいっしょ」のiモード対応追加ディスクの発売も予定されているようで、iモード対応携帯電話を持っている人は要チェックだろう |
■ その他のブース
SCEIブース以外にも、PS2用の周辺機器が多数展示されている。
まず、ゲームだけでなくモデムなどの通信系周辺機器も多数発売しているサンソフトのブースでは、PS2専用のインターネット対応ソフト「Enjoy Magic」とともに、USB接続のモデムユニット「OnlineStation」を展示している。OnlineStationは、56kbpsのアナログモデムを内蔵するUSBモデムユニットで、PS2のUSBコネクタに接続して利用する。そして、Enjoy Magicを利用することで、インターネットにアクセスしたりメールの送受信が可能となるわけだ。
また、同社はPS2用のUSB通信ドライバも開発し、同社が発売しているUSB用の携帯電話またはエッジ用通信アダプタケーブルをPS2でも利用できるようにした。これによって、PS2に携帯電話やエッジを接続してデータ通信が行なえるようになる。実際サンソフトブースではエッジを利用してEnjoy Magicでインターネットにアクセスするデモをおこなっていた。
さらに、PS2で画像データなどを扱うことができる「ピクチャーパラダイス」規格に対応したUSBカメラユニット、PS2用のUSBキーボードなども展示されており、本家SCEIブース以上に充実したPS2周辺機器が用意されている。
イマジニアブースとアイディアファクトリーブースでは、PS2用のUSBプリンタ「ポップエッグ」が展示されている。ポップエッグはA6サイズおよびはがきサイズの用紙に対応したインクジェット方式のカラープリンターだ。イマジニアブースでは、ポップアップ対応ソフト「マイトアンドマジック ~デイ・オブ・ザ・デストロイヤー~」と共に、またアイディアファクトリーブースでもポップアップ対応ソフト「プリントアワー」と共にそれぞれ展示されている。ポップエッグは、はがきプリントソフト「プリントファン」が付属して、11月15日に発売が予定されている(オープン価格)。
PS2用のUSBカラープリンタ「ポップエッグ」。イマジニアブースでは、新作ソフト「マイトアンドマジック ~デイ・オブ・ザ・デストロイヤー~」で対応することをアピールするべく展示している | アイディアファクトリーブースでは、ポップエッグ対応ゲーム「プリントアワー」のデモとしてポップエッグを展示している |
「電車でGO!」シリーズのタイトーは、サッカーゲームの「グレイテストストライカー」および麻雀ゲームの「麻雀宣言 叫んでロン!」という2つの新作ソフトの発表と同時に、この2タイトルで利用できる「音声認識コントローラ」(2000年12月7日発売予定、価格4,980円)を発表。この音声認識コントローラを利用すれば、ゲームの操作を音声でおこなうことができる(対応ソフトに限られる)わけだ。例えば、サッカーゲームで「パス」や「シュート」と叫ぶと、ゲーム中のキャラクターがその指示通りに動いたり、麻雀ゲームでは「ツモ」、「カン」、「ロン」といった発声で操作できる。設定によっては、コントローラを全く触ることなくゲームをプレイすることも可能となる。
実際に試してみたところ、音声認識の誤認識は全くといっていいほどなく、その認識率の高さにはかなり驚いた。同社の話では、イントネーションの違いも全く問題ないらしい。逆に認識率が高すぎて、操作に関係ない独り言や周りの騒音なども拾ってしまうこともあるそうで、やや調整が必要かもしれないという話もあった。とにかく、ここまで完成度の高い音声認識システムを利用したゲームはこれまでになく、発売が待ち遠しい周辺機器といっていいだろう。
タイトーが12月に発売を予定している「音声認識コントローラ」。同時に発表された2タイトルのゲームソフトが対応する | USB接続で利用。ヘッドセットのようなマイクと、手のひらに乗るほどの大きさの三角形のコントローラ部からなる | 音声認識の認識率は非常に高く、イントネーションが違っていてもほとんど誤認識なく操作可能だった |
最後に、レーシングコントローラをもう一つ紹介しておこう。「首都高バトル」シリーズでおなじみの元気ブースでは、PS2用の最新レースゲーム「首都高バトル0」(今冬発売予定)を展示しているが、その首都高バトル0のデモマシンには全てレーシングコントローラが接続されている。このレーシングコントローラは、なんとマイクロソフトがPC用として発売している「サイドワインダー フォース フィードバック ホイール USB」だったのだ。
もちろん、このレーシングコントローラはPS2用として発売されているわけでもなく、PS2に接続して利用することがサポートされているわけでもない。メーカー関係者に聞いてみたところ、独自にドライバを用意して利用できるようにしているとのこと。つまり、PC用として用意されているUSB周辺機器は、ドライバさえ用意できればこのように利用できてしまうというわけだ。もしかしたら、この例のように、今後PS2で様々なUSB機器が利用できるようになるかもしれない。
□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□東京ゲームショウ2000秋のホームページ
http://www.cesa.or.jp/tgs/2000a/pre/pre5.html
(2000年9月22日)
[Reported by 平澤寿康]
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