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東京ゲームショウ2000秋 PCソフト編
カプコンが「Diablo II」などネットワークゲームを展示

会期:9月22日~24日(22日はビジネスデー)
   10:00~17:00

会場:幕張メッセ 1ホール~8ホール
 
 注目される展示物が少ないと言われていたこの秋の東京ゲームショウだが、プレイステーション2関連の周辺機器が数多く出展され、思った以上の盛り上がりを見せている。出展ブースの中では「グランツーリスモ2000 A Spec」などを出展したソニー・コンピュータエンタテインメント (SCEI) や数多くのゲームソフトを出展したコナミ、バンダイ、カプコンなどに人気が集中した。そのなかで、注目すべきPCゲーム関連のソフトに注目してみた。


■ 「Diablo II」、「レインガルド」でPCネットワークゲームの覇権をねらうカプコン

 米Blizzard Entertainmentが開発したネットワークゲーム「Diablo II」を7月1日に発売し、すでに10万本を出荷し絶好調ぶりを見せているカプコンのブースでは、10月18日に9,800円での発売を予定している「Diablo II 日本語版」と、11月1日のサービス開始を予定しているネットワークRPG「レインガルド」が出展されている。

 今回注目したいのは、5,000人が同時に遊ぶことができるRPGとして以前から開発がアナウンスされていた「レインガルド」を遊ぶことができるという点。プレーヤーはレインガルドの中にある6つの国の中のいずれかの国の国民となり、さらに何らかのグループに属している。そのグループでストーリーをクリアしていくもよし、ただ、コミュニケーションするだけでもかまわない。すべてユーザーの自由だ。また、実際の時間と連動した各種イベントが用意されており、カプコンから告知されたイベントをグループの人たちと時間を待ち合わせて一緒に楽しむことも可能。

 「レインガルド」は、ストーリーを持ったネットワークRPGという点でこれまでにはあまり例のないシステムだが、ストーリーは約3ヶ月単位で更新され、カプコンからリリースされるという。また、街中にいるNPCがお使いなどを依頼する場合があり、このクエストをクリアすることで経験値などが上がることもある。
 PK (プレーヤーキラー) については各キャラクタにパラメータが設定されており、このパラメータをOFFにしておけば殺されることはない。当事者となる両方のキャラクタが両方ともパラメータ・オンになっている場合のみ対戦が実現する。ただし、負けた場合はグループから脱落し、持っているアイテムもランダムでひとつ無くなってしまうなどのリスクを背負うこととなる。

 グラフィックもこれまでにない、ほのぼのした水彩画というかパステル調の雰囲気で統一されている。カプコンでは「これまでのネットワークゲームはマニアックだった。レインガルドで底辺を広げたい」としている。その一環ともいえる価格設定で、4,980円とコンシューマゲーム並となっている。

 「Diablo II」は今更説明する必要もないほど大ヒットしたネットワークRPGのシリーズ第2作で、今回完全に日本語化されている。当初は9月末のリリースを目指していたが、開発の遅れから10月18日の発売となった。

 ビジネスデーの22日、PCゲームコーナーではいろいろなイベントが行なわれたのだが、カプコンのイベントステージにおいて同社のゲーム制作を統括している岡本吉起氏が壇上に登りネットワークゲームからXboxまで数々の質問に答えた。

 岡本氏はネットワークゲームの楽しさについて「昔から人と遊ぶのが一番楽しい。相手の考えを読むのが面白いし、逆に読まれるのも面白い」とコメント。ネットワークゲームに関しては「レインガルドは全然黒字になってはいないが、先行投資と思っている。流行ってからやっては遅い」とし、現状の日本においては厳しいといわざるを得ない市場状況のPCゲーム業界に本格的に参入したことに関しても「(カプコンのこれまでヒットしたゲームを移植するなど) 過去のものではなく、ちゃんと新作を出しPCの市場で商売をしたい」と意気込みを語った。
 また、話題のネットワーク版「バイオハザード」については冗談交じりに「ユーザーがラクーンシティの住民となり脱出するのだが、街の中にはゾンビがいて襲ってくる。ただ、ゾンビにやられてもゲームオーバーにはならず、今度はゾンビとしてゲームに参加する。ゾンビとしてやられた時点でゲームオーバー」といったアイディアが披露された。発表時期に関しては「モデムかブロードバンドか悩ましい状況だ。ただ、21世紀になればすぐに発表したい」とコメントした。

 22日に発表があったXboxへの参入に関しては「ストリートファイター系とバイオハザード系のゲームを持ってきてくれと言われたが、まだ返答していない。前向きに検討したいと考えている。Xboxに見合ったゲームをリリースできればいい」としており、開発ツールに関してもまだ手元にない状況だという。
 最後に岡本氏らしい発言として「これまでいろいろなプラットフォームが現われては消えていった。ハードメーカーはヒットすれば大金持ちになるし、失敗すればツブれていく。それなのにソフトメーカーは、失敗したハードメーカーについていけばツブれ、成功したメーカーについてもギリギリだ。これはおかしい。ハードメーカーはソフトメーカーがパートナーであることを理解し、もうけた分をシェアして欲しい。開発機材が高いとか、開発が難しいチップとかを作るのはやめて欲しい」とコメント。マルチプラットフォーム戦略としては「PCとコンソールの垣根を取り払い、すべてのプラットフォームで同時にソフトを発売し、すべてネットワークに接続し、みんなで遊ぶのが夢だ」と発言し締めくくった。

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□レインガルドのホームページ
http://www.raynegard.com/

カプコンブースで遊ぶことができる「Diablo II 日本語版」。開発者のインタビュービデオなども放送されている なかなか楽しみな「レインガルド」5,000人同時に遊べる時はくるのか? 今後の展望を語った岡本氏


■ 各社ブースで遊べるPCゲームを展示

 2階建ての構造となっているコーエーブースの1階、ステージ裏では期待のネットワークRPG「アプサラス」とシリーズ最新作「信長の野望 嵐世紀」が展示されている。「アプサラス」はシングルプレイで遊べるほか、係員に話せばネットワーク対戦で遊ぶことも可能。「信長の野望」に関しては、残念ながら遊ぶことはできない。

 マイクロソフトブースでは秋から冬にかけて発売されるゲームソフト「エイジ オブ エンパイアII 拡張パック:覇者たちの光陰」、「ミッドタウン マッドネス 2」、「クリムゾン スカイ」、「コンバット フライト シミュレータ2」が展示されている。周辺機器も展示されているので、最新のゲームを最新の環境で楽しみたい人は立ち寄っても損はないだろう。

 
コーエーブースの「アプサラス」。ぜひともネットワークゲームを経験してみて欲しい こちらは「信長の野望 嵐世紀」。残念ながら遊ぶことができないようだ 「トゥームレイダー」シリーズのプロデューサーを務めてきたトロイ・ホートン氏。シリーズ最新作「トゥームレイダー:クロニクル」がWindows 95/98/Meでこの冬発売される
マイクロソフトのPCゲームコーナー。この冬までに発売される新作を一挙展示 海外ではMicrosoftから発売されているが、日本のマイクロソフトから発売されていないタイトル2作品がMi-PiCから発売される。今回はそのうちの2作品が遊ぶことができる コンシューマは展示していないがPCソフトは展示しているセガ・エンタープライゼス
イマジニアのブースでは「コーリン・マクレー ラリー2」をプレイすることができる

□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□東京ゲームショウ2000秋のホームページ
http://www.cesa.or.jp/tgs/2000a/pre/pre5.html

(2000年9月22日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]

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