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ALi、初のDDRメモリ対応チップセットを国内向けに発表
―DDR 266搭載デモ機、North/South分離型マザーボードを公開

8月24日発表




 台湾Acer Laboratories(ALi)は、DDRメモリに初めて対応したチップセットを国内市場向けに発表した。米国では7月26日に発表されたもので、 Pentium II/IIIおよびCeleron(Slot 1/Socket 370)に対応したデスクトップ用「Aladdin Pro 5」と、モバイル用「Aladdin Pro 5M」、Athlon/Duron(Slot A/Socket A)対応デスクトップ用「ALiMAGiK 1」、モバイル用「MobileMAGiK 1」の4種類がラインナップされる。

 いすれもサンプル出荷を開始しており、量産出荷は第4四半期から開始される予定。価格は2万個ロット時で、Aladdin Pro 5が33ドル、Aladdin Pro 5Mが38ドル、ALiMAGiK 1が31ドル、MobileMAGiK 1が36ドル。

 同社の戦略マーケティング・マネージャのAndrew Lin氏は「このチップセットにより、DDRの普及を予想よりを前倒しできそうだ」とし、「PC産業でDDRがメインストリームとなる、さらなる1歩を踏み出した」と、次期メモリがDDRメモリであることを強調した。

 今回発表されたチップセットはPC Watchでも既報のとおり、North Bridgeは、Slot 1/Socket 370用「M1651」と、Slot A/Socket A用「M1647」の2種類、South Bridgeはデスクトップ用「M1535D+」、モバイル用「M1535+」の2種類。それぞれを組み合わせることで、計4種類の構成になる。

【チップセットの組み合わせ】
North Bridge
M1651
(Slot 1/Socket 370)
M1647
(Slot A/Socket A)
South
Bridge
M1535D+
(デスクトップ用)
Aladdin Pro 5ALiMAGiK 1
M1535+
(モバイル用)
Aladdin Pro 5MMobileALiMAGiK 1

【M1647】 【M1535D+】

【Aladdin Pro】
【MobileALiMAGiK 1】

 North BridgeのM1651とM1647は、サポートするCPU以外の仕様は同じ。最大の特徴であるDDR 266/200メモリ(PC2100/PC1600 DDR)と、PC133 SDR両方のサポート、最大3GBのメモリ、AGP 4Xモードなどに対応する。なお、DDR 266メモリ使用時のメモリ帯域幅は最大2.1GB/秒となる。

 ALiによれば、「実際にDDR 200メモリのシステムでテストしたところSDRメモリに比べ、約65%のパフォーマンスの向上を確認できた」という。

 South Bridgeのデスクトップ用M1535D+、モバイル用M1535+も基本仕様は共通。2チャンネルのUltraDMA 100、AC-Link、HSP(Host Signal Processing)ソフトモデム、Sound Blaster Pro/16互換サウンド機能、6ポートのUSBなどをサポートしている。なお、モバイル用のM1535+では、ACPIをフルサポートするほか、モバイルAthlonの電圧・動作クロック制御技術PowerNow!に対応している点が、唯一の違いとなっている。

 発表後の質疑応答では「DDR/SDR両対応(同時使用は不可)のマザーボードは作れるか?」との問いに対し、「技術的には問題ない。しかし、コストが上がってしまうため、今のところシステムメーカー、マザーボードメーカーの要求はない。また、ユーザーもおそらく高パフォーマンスを求めるだろう」と回答した。

 この見通しは、DDRメモリが低価格で潤沢に供給されることが前提条件となるが、同席したSamsungの担当者は「現在、128MビットのDDRメモリを生産している。256Mビットについては生産の準備をしており、来年の早い時期には512Mビットも生産できるだろう。安心してDDRを使ってシステムを設計してほしい」とし、順調に供給体制が整いつつあることを強調した。

 またRDRAMMについて、Advanced Memory InternationalのDesi Rhoden氏は「PCシステムは価格が全てである。そう考えれば、おのずと結果はわかるだろう」と暗にDDRの優位性を語り、ALiの社長Chin Wu氏も「ALiもRambusのライセンスは持っているので、市場が要求すれば製品を出す。しかし、メモリモジュールなどのチップセット以外の状況が整っていないといけない。そのことからも近い将来はDDRだと考えている」とした。


●IwillのALiMAGiK 1搭載マザーボードを使ったデモ機を公開

【KA266-R】

 また、発表会後、別会場にはIwillが8月1日に発表したALiMAGiK 1搭載マザーボード「KA266-R」を使用したデモ機や、「KA266-R」単体のほか、North Bridgeと、South Brigeを完全に分離できるマザーボードも展示されていた。なお、Iwillによれば「KA266-R」の販売開始は10月1日を予定しているという。

 また、デモ機にはAthlon(Thunderbird) 750MHz、64MBのDDR 266メモリ、GeForce2 GTSが搭載されており、3DMark2000がデモンストレーションされていた。

展示されていたデモ機には、Iwillマザーボード「KA266-R」が使用されていた。VER:0.95ということで製品版ではない。また、メモリは64MBのCL=2.5、DDR 266MHzメモリが装着されていた。

System Infoによれば、デモ機にはAthlon 750MHz(Thunderbird)、メモリ64MB、GeForce2 GTSが搭載されていた。 デモストレーションされていた3DMark2000の結果を見せてもらったところ、5424(3D Marks)を示していた

会場内に非常に面白いマザーボードが展示されていた。なんと、このボードはNorth Bridgeと、South Brigeのボードが完全に分かれているのだ。
North BridgeボードにはCPUソケットや、メモリスロット、AGPスロットなど直接North Bridgeに接続するものが実装され、South BrigeのボードにはPCIスロットや、各種I/Oポートが実装さている。
つまり、North Bridgeを交換すればSocket Aでも、Slot Aでも、それどころかSlot 1やSocket 370にも対応できる。
ちなみに、テスト用のサンプルということで、残念ながら小売りする予定はないとのこと
Northボードと、SouthボードはPCIで接続されている。いわれてみれば原理は簡単だ。原理からいえば、もしかするとVIAのNorthと組み合わせたりもできる!?



●ベンチマーク

ベンチマークに使用したマシンの仕様

□ALiのホームページ(英文)
http://www.ali.com.tw/
□ニュースリリース (英文)
http://www.ali.com.tw/eng/news/jul00a.htm
http://www.ali.com.tw/eng/news/jul00b.htm
□関連記事
【7月26日】ALi、初のDDRメモリ対応チップセット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000726/ali.htm
【8月3日】Iwill、DDRメモリ対応Socket Aマザーボード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000803/iwill.htm

(2000年8月24日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]

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