株式会社ソーテックは、株式会社ケンウッドと、包括的な業務提携に合意し、企画、製品開発で協力して新市場を開拓すると発表した。

　提携により、ソーテックはPCのマルチメディア化、インフォテイメント化を目指し、ケンウッドはPCユーザーとの接点を広げる新たなライフスタイルの製品を提案するとしている。開発はそれぞれの会社で行ない、部署の新設などは行なわれない。実際の製品は、ソーテックはPCを機軸にした製品、ケンウッドからはオーディオ製品を発売するという。製品の発表は、ソーテックが2000年秋、ケンウッドは2001年初頭に予定されている。

　発表会では報道陣が見守る中、両社の業務提携の調印式も行なわれた。

　発表会の挨拶で、ソーテックの大辺代表取締役社長は、提携の経緯について語り「ソーテックを創設する前、工人舎という会社でアマチュア無線機器などの販売を行なっていたが、学生時代からアマチュア無線を通じて、トリオ（現ケンウッド）のファンで、技術や革新性など色々と学ばせてもらった。そこで去年の秋に『わくわくするような事をしよう』とケンウッドさんに対してラブレターを送った」と、今回の提携がソーテックから持ちかけた事を明らかにした。

　また、「ポストPCは何かと問われるが、我々はポストPCはPCでいく。今後はケンウッドさんと自由な発想でオリジナリティのある製品を作っていきたい」と述べた。なお、サポートサービスについては、同社の横浜1箇所に加え、ケンウッドの全国チャンネルを借りる事も考えているという。

　ケンウッドの酒井田代表取締役社長は、「現在産業界全体がITに関わる革命を余儀なくされている。異業種と提携する事で、IT時代のボーダーレス化したハードへシフトし、ハードを魅力あるものにしたい」と述べた。

　質疑応答ではソーテックから受けるメリットについて「ケンウッドはハード中心だが、これからはハードだけでは生きていけない。ハードを生かすコンテンツにはPCが不可欠だ。これからは、小さなチップ型のPCも出てくるだろう。そういう勉強を徹底してやっていきたい。また、PCの若い世代との接点を持つ事も重要と考えている」とした。

　なお、今回の提携では資本提携は行なわれなず、新会社設立に関しても酒井田社長は、「事業が大きくなれば設立もありえるが、今はそういう時期ではない」とした。

□ソーテックのホームページ
http://www.sotec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sotec.co.jp/Info/20000621.html
□ケンウッドのホームページ
http://www.kenwoodcorp.com/jhome.html
□ニュースリリース
http://www.kenwoodcorp.com/j/press/press20000621.html

(2000年6月21日)

[Reported by taira@impress.co.jp]