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デル、エンタープライズビジネスセミナーを開催
~HPCCへの取り組みについて説明

デルコンピュータ代表取締役社長 浜田宏氏

12月4日 開催



 デルコンピュータ株式会社は4日、報道向けにエンタープライズビジネスセミナーを開催。昨今、需要が高まりつつあるHigh Performance Computing Cluster(HPCC)について、同社のこれまでの実績や、取り組みなどを説明した。


■「エンタープライズビジネスは堅調に推移」と浜田社長

 まず、同社代表取締役社長の浜田宏氏が挨拶を行ない、今年のビジネス進捗状況を説明した。

 「我々はエンタープライズビジネスにおいて、Server、Storage、Serviceの“3つのS”の強化に努めてきた。サーバーについては取り組みを始めてからの4年間、顧客満足度を最重要視してきた結果、この第4四半期にはシェア1位が取れそうな状況にまで達した」。

 「ストレージはEMCとの協業により、ビジネスとしての規模はまだ小さいながらも、現在当社で最も早く成長をしている。サービスの面ではデル・テクノロジー・コンサルティング(DTC)を2年前に立ち上げて以来、500件の契約を取り付けた。このコンサルティングサービスにより、ハードウェアビジネスも相乗的に拡大した」。

 浜田氏はこのように語り、この分野におけるビジネスが堅調に推移していることをアピールした。

 また、今後の市場の動向について、標準技術を採用したLinuxシステムが2006年までに35%成長、その一方で独自技術を用いたUNIXシステムは数年でシェアが半減するだろうとの考えを示した。

 その上で、同社としては、従来のUNIXシステムの1/10のコストで構築可能なインテルアーキテクチャベースのWindows/Linuxサーバーへの移行ソリューションや、HPCCビジネスに注力していくと語った。


■コモディティコンポーネントを活用したHPCC

 続いて、米Dell Computer Enterprise Systems Group Software Development副社長のPete Morowski氏がHPCCについて説明した。

Dell Computer Enterprise Systems Group Software Development副社長のPete Morowski氏

 HPCCとは、標準技術ベースのコモディティ化したハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより、大規模並列計算を実現するクラスタシステム。

 より具体的には、Pentium III/Xeon+Windows/Linuxベースのラックマウントサーバー(ノードと呼称される)を、多いもので数千台並列に接続したシステムで、主に科学/物理計算や、レンダリングなどに用いられる。

 このような分野では、'70年代には「Illiac」、「Cray 1」といったベクタープロセッサを使用した独自技術のスーパーコンピュータが採用されていた。それが'90年代には「IBM SP2」などに代表されるUNIX/RISCプロセッサベースのシステムへ移行。そして現在、最も注目されているのがHPCCだという。

 HPCCの既存のスーパーコンピュータやUNIXシステムに対する優位点の1つは価格。コモディティ化したコンポーネントを利用することで、システムの価格を大きく引き下げることができる。Morowski氏によれば「スーパーコンピュータのリース料の15%の価格で同じ性能のHPCCが構築できる」という。

 HPCCにおける各ノードは簡単に増設できるよう設計されているため、最新技術を即製品化したり、迅速にシステムを拡張できることもメリットの1つ。「スーパーコンピュータでは将来必要になる分まで見据え、今現在は必要ないリソースも組み込んだ上でシステムを設計する必要があったが、HPCCでは必要な時に必要なだけパフォーマンスを追加できる」(Morowski氏)。

 Dellはすでに米国ではHPCCビジネスを積極的に推し進めており、市場でナンバーワンのシェアを維持しているという。その事例の1つとしてMorowski氏は、ニューヨーク州立大学に納入したシステムを紹介。

 このシステムは「PowerEdgeシリーズ」2,000台により構成されており、ゲノム解析などを行なっている。PowerEdge1台では計算終了までに2,000年かかるところが、このシステムでは6カ月で処理できるという。

 国内でのHPCCの取り組みについて、営業技術支援本部 本部長の長谷川恵氏は、現在2件のHPCCビジネスについてコンサルティングを行なっており、製造業向けの研究開発システムとして40ノードのシステムなどを開発中であることを明らかにした。

Dell Computerが納入したニューヨーク州立大学のHPCC デルが開発中の40ノードのHPCC UNIXからLinuxへの移行事例として紹介されたツタヤオンラインの新システム

□デルコンピュータのホームページ
(12月4日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.dell.com/jp/
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【11月26日】デル、最大12CPU搭載可能な同社初のブレードサーバー
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0628/dell.htm

(2002年12月4日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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