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Bartonを搭載したPCやAthlon 64対応PCが展示される

会期:11月18日〜22日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center



 ヘクター・ルイズ社長兼CEOの基調講演で、これまでClawHammerないしは次世代Athlonの名前で呼ばれてきた同社の次世代プロセッサを「Athlon 64」というブランド名にしたことを明らかにしたAMD。報道陣や顧客向けに公開されている同社のブースでは、いくつかの注目の新製品が展示されていたので、その模様をお伝えする。

●Bartonを搭載したホワイトボックスが展示される

 AMDブースにはいくつかの注目製品が展示されていたが、最も注目を集めたのは、L2キャッシュの容量を、現在のThoroughbredコアの倍となる512KBに増量した、Barton(開発コードネーム)を搭載したPCだ。基本的にはThoroughbredのL2キャッシュを増やしただけになるBartonだが、AMDにとっては大きな意味を持っている。

Bartonが入っているという説明 Bartonが動作しているPCのディスプレイだが、さわることはできなかったため、Bartonとは確認することができなかった

 というのも、AMDはモデル名を実クロックではなくモデルナンバーを採用しているため、L2キャッシュの増量によりパフォーマンスがあがると見られるBartonは、高いパフォーマンスのモデルを早期に投入することが可能になる。例えば、AMDはAthlon XP 2600+で、システムバスが333MHzのものと、266MHzのものの2種類をラインナップしているが、前者の実クロックが2.075GHzであるのに対し、後者のクロックは2.13GHzとなっている。半導体の歩留まりは、同じウェハで同じプロセスルールである限り、クロックが下がれば下がるほど高くなるので、当然2.075GHzの方が製造しやすいのは言うまでもない。

 これと同じことはBartonにも当てはまる。同じコアクロック、同じクロックのシステムバスであれば、L2キャッシュの多いThoroughbredよりもBartonの方がパフォーマンスが高くなる。このため、同じAthlon XP 2800+であってもBartonの方がThoroughbredよりも低いクロックで実現できるはずであり、AMDにとってより高いモデルナンバーのCPUを出荷することが可能になるので、大きな意味があるといえる。

 なお、Bartonのリリース時期は2003年の第1四半期が予定されいる。

●Bartonにおける400MHzのシステムバスの可能性は高そう

 なお、システムバスのクロックを上げれば、さらにモデルナンバーを高くすることが可能になるが、これに関してはまだまだ流動的であるようだ。確かに、2日目に行なわれたヘクター・ルイズ氏の基調講演では、NVIDIAによるシステムバス400MHzのデモが行われたが、AMD自身は慎重な姿勢を隠さない。「現時点ではシステムバス400MHzに関する具体的な計画はない」(ジョン・クランク氏、AMD コンピュテーションプロダクトグループ プロダクトマーケティングエンジニア)と述べており、公式には特にないという立場。実際にマザーボードベンダに取材してみてもAMDからシステムバス400MHz化に関する通知などは特に受けていないという。ただ、「技術的には可能性はある」(クランク氏)とも付け加えるなど、今年の春頃に“システムバス333MHzの可能性はない”といっていたのに比べると前向きな姿勢と見て取れる。

 実際、400MHzのデモを行なったNVIDIAは「現時点では特にコメントできないが、技術的にはすでに現状のnForce2で問題なく動作しており、特に難しいことはない。ただ、現時点では正式にCPUはないのでオーバークロックで、という話でだが」(NVIDIA シニアプロダクトマーケティングマネージャ マイケル・リム氏)と説明しており、技術的なハードルはないとする。また、「システムバス333MHzの時に何が起こったのか考えて欲しい」(リム氏)と述べるなど、チップセットベンダ側からは積極的にシステムバス400MHz化の働きかけを行なっていることを示唆している。

 実際、システムバス333MHzの時は、NVIDIAがnForce2の発表会でシステムバス333MHzサポートを打ち出してから、かなり風向きが変わってきた。今回も、その繰り返しとなる可能性は高く、Bartonで400MHzが導入されても何ら不思議ではないだろう。

●VIAのK8T400M、SiSのSiS755を搭載したAthlon 64マザーボードなどが公開される

 このほか、AMDのブースではAthlon 64に対応したマザーボードが公開された。これまで、Athlon 64対応マザーボードとして公開されてきたのは、AMDのAMD-8000シリーズチップセットを搭載した製品と、VIAのK8T400(コードネーム:K8HTA)を搭載したものだったが、今回のAMDブースでは、K8T400の後継製品で、K8T400M(K8HTB)を搭載した製品と、COMDEX/Fallの直前に発表されたSiS755の2製品を搭載したマザーボードが展示された。

 K8T400MはK8T400の新バージョンで、機能などはK8T400と同じだが、ピン配列がK8T400とは異なっている。このK8T400Mは、グラフィックス統合型バージョンであるK8M400とピン互換になっており、マザーボードベンダはK8T400MとK8M400を同じ基板で作成することが可能になっている。マザーボードベンダにとってコスト面でメリットがあり、今後はK8T400に代わり、K8T400Mがメインに利用されていくものと見られている。

 Athlon 64がリリースされていないのに、新しいバージョンというのもおかしな話なのだが、元々のAthlon 64のスケジュールではまもなくリリースされることになっていたのだから、致し方ないところだろう。なお、K8T400MはすでにエンジニアリングサンプルがOEMメーカーに出荷されており、K8M400に関しては第4四半期中にエンジニアリングサンプルの出荷が開始される予定だ。

VIAのK8T400M。HyperTransport(16x16)、AGP 8X、V-Link 8x(533MB/sec)というスペックになっている K8T400Mを搭載したVIAのリファレンスボード。単体型チップセットなのに、ディスプレイ出力が用意されているのは、同じ基板をK8M400にも利用するため
ECSのK8VTA
K8T400Mを搭載
ASUSのK8V
K8T400Mを搭載
FICのHV31
K8T400Mを搭載
GIGA-BYTE GA-K8V
K8T400M搭載
MSIのMS-6702
K8T400M搭載
LeadTekのWinFast K8VT400
K8T400M搭載
DFIのAD77 Infinity
K8T400M搭載
BIOSTARのK8VHA
K8T400M搭載

 SiSのSiS755は、SiS初のAthlon 64用チップセットで、ノースブリッジのSiS755と、MuTIOL 1Gという1GB/secの専用バスで接続されたSiS963というサウスブリッジから構成されている。SiS755はAGP 8Xをサポートしており、CPUのシステムバスはHyper-Transportとなっている。チップのパッケージはBGAを採用している。なお、SiSはSiS755のグラフィックス統合版であるSiS760を計画しており、SiS755とはピン互換となっている。すでにサンプルの出荷が開始されており、大量出荷版は12月にも出荷される予定となっている。

SiSのリファレンスマザーボードSiS7751A、SiS755を搭載しており、統合型のSiS760と基板を共有するため、SiS760でサポートされる予定のローカルビデオメモリを搭載するパターンが残っている ALiのM1563を搭載したSOYOのK8USA Opteron+64bit Linuxの上で動作するIBM DB2の64bit版。なんと64bitへのポーティングはわずか2日間で終了したという
モバイルAthlon XP 2200+を搭載したノートPC。Unwillという会社のN35BA1という製品だが、OEM向け製品で今のところリテール向けへの販売予定はないという 基調講演でも利用されたAthlon 64上で動くUnrealの64bit版。といっても同じAthlon 64上で動作するUnrealの32bit版は公開されなかったので、どの程度32bit版より速いのかは不明

□COMDEXのホームページ
http://www.comdex.com/fall/
□関連記事
【11月20日】COMDEX Fall 2002
AMD ヘクター・ルイズ社長兼CEO基調講演
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1120/comdex07.htm
【11月19日】SiS、Hammer対応チップセット「SiS755」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1119/sis.htm

(2002年11月22日)

[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]


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