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映像/情報/通信の複合展示会「CEATEC JAPAN 2002」

会期:10月1日~10月5日

会場:幕張メッセ

当日入場料:一般1,000円/学生500円



 幕張メッセにおいて、映像/情報/通信の複合展示会「CEATEC JAPAN 2002」が10月1日より開幕した。家電よりの製品/デバイス関連の展示会のため、PCに直接関連する展示は少ないが、今後の情報系デバイスの動向をうかがい知ることができる展示会となっている。


■次世代記録ディスクの主役はBlu-ray

 現在、次世代光記録ディスクについては各社/グループが主役の座を狙い覇権争いを繰り広げており、ユーザーからしてみれば、どの規格を選んだらいいのか非常に選択が難しいところである。

 そんな中CEATEC会場では、各社が一斉にBlu-rayの再生機を展示。いずれの製品も参考展示レベルのものであり、価格や市場投入時期なども未定となっているが、多くのブースでデッキやディスクを目にするため、来場者は「次の主役はBlu-rayなのかな」という感想を持つだろう。

ソニー製Blu-ray機 松下製Blu-ray機 日立製Blu-ray機
松下のBlu-rayメディア(写真左)と、TDKのメディア(写真右)。TDKの展示にあるようにBlu-rayのカートリッジは2種類ある 他社がBlu-rayに走る中、東芝は独自の青色レーザーディスクと装置を展示。最大40GBの記録が可能

 書き込み型DVDでは、PC用のDVD-R/RWドライブやDVDマルチドライブがパイオニア、松下などで展示されていたが、DVD+R/RWは見かけられなかった。

 そのほかの記録メディアとしては、松下が1GBのSDメモリーカードの展示。実機による動作デモも行なっていた。市場投入時期は2003年10月で、データ転送速度は256/512MBメディアの倍の20MB/Secになる。

パイオニアのスリム型DVD-R/RWドライブ。書き込み速度はR、RWともに2倍速。市場投入時期は来年の春以降となる見込み 松下製ATAPI内蔵のDVDマルチドライブ。写真奥に見えるのはスリム型2種。左側がトレイ式、右側がスロットイン式。書き込み速度は、RAMが2倍速、Rが2倍速、RWが等倍速、CD-Rが16倍速、CD-RWが4倍速 松下製USB 2.0対応外付けDVDマルチドライブ。内部スペックは内蔵型と同じ
松下製1GB SDメモリーカード。発売時期は2003年10月の予定。転送速度は20MB/Secと従来品の倍になるため、512MBメディアの価格の2倍より高くなるそうだ 同社のSDメモリーカードロードマップ。2005年以降には8GBや16GBの製品も予定されている SDIO製品。左がBluetooth+64MBメモリのコンボカード。右はGPSカード


■新しい可能性を感じさせる新技術搭載の表示機器

 表示機器では新技術により新たな用途への応用などが見込まれるパネルなどが展示されていた。

 シャープは先日発表した、肉眼で3Dにみえる液晶ディスプレイを大量に展示。比較的来場者の少ない初日の今日でも多くの来場者が行列をつくるほど高い関心を集めていた。

 また、高解像度化/薄型化/低消費電力化を実現したCGシリコン液晶パネルや、視認性を高めたASV液晶パネルなども大小さまざまなものが展示。3.7型で、VGA/QVGAに拡大/縮小表示可能なPDA向けのパネルなども展示されていた。

 カシオは3.5型でVGA表示可能な液晶パネルを展示。表示色数は26万色で視認性も非常に高く、細かな文字や地図、画像などをくっきりと映し出していた。

 東芝は、薄型で曲面表示が可能な「曲がる」低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイを展示。従来の液晶ディスプレイと比べ、厚さを約1/4~1/5へ薄型可し、フレキシブル基板を張り合わせるなどして、プラスチックの下敷きのようにある程度まで自由にパネル自体を曲げることが可能な液晶ディスプレイ。

 デモされていたのは8.4型のSVGA液晶だが、15インチ/SXGAくらいまでに大型化することが可能だという。実用化は2004年の予定で、曲がる特性を活かして、デザインを重視した曲線的なノートPC、PDAなどへの応用を考えているという。

 シチズンは、先日発表された画面から音が鳴るディスプレイを展示。ディスプレイ前面のアクリル板を振動させることで音を鳴らす仕組み。左右にドライバを備え、ステレオ再生にも対応する。

シャープの3D液晶。肉眼で3Dに見える。動きの激しい動画にも対応できるが、正面の定位置でないと、正常に見ることができない。普通の2D表示に切り替えられるのも特徴 シャープ製3.7型VGA高反射型カラーアドバンストシステム液晶。QVGA表示(写真左)とXGA表示を(写真右)切り替えることができる。従来の液晶に使われているアモルファスシリコンに比べて、電子の移動度が驚異的に速いCGシリコンを利用している
シチズンブースに展示されている、画面から音が鳴る液晶ディスプレイ。液晶前面に貼り付けられたアクリルを振動させて音を鳴らしている。ステレオにも対応。人物の音声などはまさに画面の中から聞こえてくるため、臨場感がある。この技術は硬い素材であれば何でも利用できるため、こういったディスプレイ以外にも様々な用途が見込まれる カシオ製3.5型VGA対応TFT液晶パネル。ドットピッチは0.037mm、表示色数は26万色。視野角も非常に広く、斜め横からでも十分に見ることができる

【お詫びと訂正】初出時に、画面から音がなるディスプレイについて、「NECブースに展示」としておりましたが、「シチズンブース」の誤りでした。ご迷惑をおかけしました関係者の皆様にお詫びして訂正いたします。

 三菱電機は、ウェアラブルディスプレイ「SCOPO」を出展。参考出展ながら、実働サンプルが多く用意されており、実際に触れてみることができる。新開発の光学系により、目のピントが合っていなくても映像がぼやけないのが特徴。

 昨今、注目が集まる有機ELは、多くのメーカーが新製品などを展示していたが、TVやディスプレイ向けの大型のものはほとんど見受けられず、どちらかというと特殊な用途に向けた展示が多かった。

東芝製「曲がる」液晶ディスプレイ。フィルムのようにどこまでもとはいかないが、薄い金属板と同じくらい曲げることができる。実用化は2004年の予定 三菱製ウェアラブルディスプレイ「SCOPO」。ピントを合わせないでも画像がぼやけないのが最大の特徴。音量などの調整用リモコンとバッテリパックがつく パイオニアのスタッフは全員、有機ELディスプレイが縫いこまれたコスチュームを着ていた


■そのほか気になった小物など

 通信やデジタルカメラ関連のデバイスはこれといった新製品は見受けられなかったが、既存の技術/製品を改良することで新たな使い方を可能とするアイディア商品などがいくつか展示されていた。

シャープはPDAのプロトタイプを展示。従来のPDAを90度回転させた形となっており、キーボードを備えるのが大きな特徴。液晶は3.7型のVGA。OSはLinuxを搭載。PDAの主な用途がメールとWebブラウジングとなっていることから、それらをもっとも快適に利用できる形態をつきつめたところこの形になったという。製品化の目処は未定だが、基本的なフォルムはこの形態になるという。プロトタイプでは本体右側にCFスロットを備えている CEATEC開催の前日に完成したというザウルス用VoIPソフトのデモ。IEEE 802.11bの無線LANを使って、ザウルス同士で会話できる
日立ブースでデモされているのは、“光と空気でできたフルサイズキーボード”という触れ込みの仮想キーボード。キーボードのイメージををテーブル上に投影し、その上で指でタイピングするとセンサーがそれを読み取り文字入力を行なう。キーボードだけでなくマウス機能もある。もともとキーボードを持たないPDAやTablet PCなどでの利用を想定している 松下のポータブルフォトプリンタ。SDメモリーカードに対応する。年内発売の予定 日立の別のブースではPC Watchですでに何度か取り上げている水冷ノートPCをデモしている


■番外編

NTTドコモではFOMAを使ってアイボを遠隔操作するデモを行なっている。この写真を見るとFOMAで直接アイボを制御しているようだが、実はFOMAからはPCにデータを送っており、PCからそのデータを無線LANでアイボに飛ばしている。アイボのカメラで写している動画をFOMA上でみることができる 日立金属のプレゼンテーションコーナーではお姉さんの相方としてロボットが説明を行なっている。歩行することはできないが、上半身はうねうねとかなりよく動いていた

□CETAC JAPAN 2002のホームページ
http://www.ceatec.com/

(2002年10月1日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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