PC用試作内蔵ドライブ

9月末 サンプル受注開始

　三洋電機株式会社は、CD-Rメディアに2倍の容量を記録する技術「HD-BURN」を発表した。Type80(700MB)のCD-Rメディアに1.4GBの記録が可能となる。PC用ドライブも開発済みで、9月末からサンプル受注を開始する。サンプル価格は5万円。HD-BURNの規格書も作成中。

【お詫びと訂正】初出時に、9月末よりサンプル出荷開始としておりましたが、9月末よりサンプル受注開始の誤りでした。ご迷惑をおかけした関係者の皆様にお詫びするとともに訂正させていただきます。

　サンプル出荷されるPC用ドライブ「CRD-BPDV2」は、DVD＋RW/+RドライブでCD-R/RWにも対応する。HD-BURN時に36倍速書き込み/80倍速読み取りが可能、DVD+RW/+Rは4倍速書き込み、CD-Rは24倍速書き込みに対応する。量産開始は、DVD+RW/+Rの4倍速規格の策定以後の2003年1月の予定。

　HD-BURNは、CD記録技術の延長にあたるが、最短記録マーク長を0.83μmから0.62μmへ短縮(35%改善)、誤り訂正方式をCIRCからRS-Product Codeに変更(49%改善)することでフォーマット効率を改善している。この二つの改善により、総合的に2倍容量を実現している。

　HD-BURNの書き込み機能は、LSI化されており、三洋電機からは、コンビドライブ(CD-R＋DVD再生)用とスーパーコンビドライブ(書き込み可能なDVDドライブ)用のチップが出荷される。書き込み時のメディアは通常のCD-Rメディアで、現在のCD-Rで書き込み可能なものであれば、HD-BURNで書き込み可能という。また、書き込みドライブについては、HD-BURN対応の認証を行なう予定。

　賛同メーカーとして、ドライブメーカーではAccesstek、Lite-on、BTC、BENQが、ライティングソフトメーカーとしてAHEAD、BHA、ECIの名前が挙げられている。B's Recorder GOLDとNeroでは、VideoオーサリングやDVD Video記録機能でもHD-BURNが使用可能という。

HD-BURNメディアのプロパティ	HD-BURN規格賛同企業一覧

　HD-BURN自体は、記録方式のフォーマットであり、そのうえの論理フォーマットなどは規定されていない。対応ドライブであれば、とくにドライバなどを必要とせず、通常のストレージメディアとして認識される。逆に、ドライブが対応していない場合は、イリーガルなメディアとして取り扱えない。

　一方、読み取りについては、DVDドライブとの親和性が高く、家電のDVDプレーヤーを含め、読み取り可能なDVDドライブであればファームウェアレベルのアップデートで読み取り可能になるとしている。読み取りに関しては、ライセンスを無償公開し、各メーカーに対応をよびかけるとしている。

　発表会場では、PC内蔵のHD-BURNドライブによってDVDレコーディングフォーマットで記録し、ファームウェアを変更した三洋製のDVDプレーヤーで再生するデモンストレーションも行なわれた。

PC用ドライブ「CRD-BPDV2」	PC用試作外付けドライブ	DVDプレーヤーDWM-380(改)

　HD-BURNは、2年前から開発が開始された。開発の理由としては、CD-Rメディアの価格が低下していることから、低価格のCD-Rメディアを利用し、CD-Rと書き込み可能なDVDとの間を埋める容量の選択肢を目指したという。DVDメディアの価格も低下しつつあるが、CD-Rメディアとの価格差は今後も継続するとみており、HD-BURNのメリットはあるとしている。

　また、過去に登場したCD-Rの大容量化技術に対し、特殊なメディアを必要としないことと、DVDとの親和性をメリットとして挙げている。

　将来的には、HD-BURNモードでは書き込み36倍速、読み取り80倍速まで高速化が可能としており、CD-RWにも対応可能で最大24倍速の書き換えを予定している。また、既存の機器類との互換性の問題から容量は2倍に抑えられているが、将来的には3倍程度まで容量の増加を目指す。

□三洋電機のホームページ
http://www.sanyo.co.jp/
□ニュースリリース(PDF形式)
http://www.digital-sanyo.com/BURN-Proof/HD-BURN-j/HD-BURN%20Press%20Release%20Note%202002.9.25.pdf
□HD-BURN技術情報
http://www.digital-sanyo.com/BURN-Proof/HD-BURN-j/

(2002年9月25日)

[Reported by date@impress.co.jp]