WIRELESS JAPAN 2002開幕
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会期:7月17日~19日
開場:東京ビッグサイト
東京ビッグサイトにてモバイル&ワイヤレス関連製品/サービスの展示会「EXPO COMM WIRELESS JAPAN 2002」が本日より19日までの3日間開催される。開場では約180の企業や団体が展示などを行なっている。
開場の全体的な展示内容は携帯電話とBtoC/イントラネット向けワイヤレスソリューションが大半を占め、PCに直接関係するデバイスの展示はあまり見受けられない。
ワイヤレス関連については、IEEE 802.11b/aについてはコンシューマ向け製品もいくつか展示されていたが、Bluetooth関連は計測機器など開発向けの大型機器の展示がほとんどであった。
■京セラのPDA「PocketCosmo」が初お披露目
京セラブースでは、Javaの高速実行に注力したPDA「PocketCosmo」が初めて一般公開された。展示機も数多く用意され、その使用感を確認することができる。
展示機はパフォーマンスのチューニングなどが完全ではないベータ版とのことであったが、アプリケーションの起動や文字認識のレスポンスは比較的良好であった。液晶の視認性は高い。
本体左横には、アプリケーションでの選択/進む・戻る/決定動作を行なう、サイドコントローラとESCボタンを備える。サイドコントローラはソニーのクリエなどとほぼ同様の仕組み。押し込みのストロークがやや長く、本人が押したつもりでも押し切れてないことがままあったが、このあたりは慣れ次第と思われる。
本製品は完全に店頭販売されないなど完全にビジネス向け製品となっており、現状では音楽や動画の再生などの機能は持たない。しかしながら、本体にはヘッドフォンジャックが装備されており、説明員によると今後のアップデートによりマルチメディア関連の機能も追加していくという。
□京セラのホームページ
http://www.kyocera.co.jp/
□製品情報
http://www.kyocera.co.jp/pocketcosmo/
□関連記事
【5月21日】京セラ、Javaの高速実行にフォーカスしたPDA「PocketCosmo」
~OSはElate、Java VMにintentを採用
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0521/kyocera.htm
■PicselのPDA用表示拡大/縮小ツール
PDA関連製品として面白かったのは英Picselの「ePage Technology」製品。Word/Excel/PowerPoint/PDF/Flashなどに対応した「Picsel Interactive File Viewer」、Webブラウザの「Picsel Browser」などで構成される。対応プラットフォームはPocket PC/Linux/Symbian/Palm OS/TRONと幅広い。
端的にいうと各種アプリケーションの表示を拡大/縮小するツールだが、PDAの機能を一部拡張することもできる。例えば通常Pocket PC 2002端末でWebをブラウズすると、HTMLのバージョン制限などが生じるが、Picsel Browserを利用することで、PCのInternet Explorerとほぼ同じレベルのコンテンツを表示できるようになる。
表示画面の解像度がPDAの解像度を上回る場合は、アプリケーションの画面全体を縮小して表示したり、部分的に拡大表示することもできる。アウトライン処理やアンチエイリアス処理を行なうため、拡大表示される画面は画質が損なわれない。
同社ではアプリケーションの単体発売は行なわず、PDAメーカーなどにライセンスを販売する。すでに日本のメーカーとも交渉中で、早ければ年内にも搭載製品が出荷される予定だという。
写真のようにアプリケーションに合わせて画面を90度回転させることも可能。ここではPowerPointの資料を縮小して全画面表示している | ここで、拡大したい部分をスタイラスでドラッグすると | その部分が拡大される。この時テキストはアウトライン処理されるため、見栄えは良い |
ePageのコマンドメニュー画面。このランチャーから設定画面やPicsel Browserなどを呼び出す。この際もともとの画面は下側に半透明表示される。アイコンを含んだ全体的な概観はスタイリッシュなものとなっている | アンチエイリアス機能も搭載し、ビットマップ画像も拡大してもジャギーを抑えて表示できる |
□Picselのホームページ(英文)
http://www.picsel.com/
□製品情報(英文)
http://www.picsel.com/our_technology.cfm
■台湾メーカーのユニークなアイデア商品
台湾のGolden Stackのブースでは、これまで誰も思いつかなかったというか、誰もつくろうとはしなかった製品を展示していた。
ぱっと見はよくお土産などでもらう世界時計とラジオ機能が付いた置き電卓 |
ぱっと見はよくノベルティとして配られる世界時計とラジオ機能が付いた大小2つの置き電卓。なんと小さい方はUSB無線LANモジュールで、大きい方はアクセスポイントなのだという。つまり、置き電卓のなかにIEEE 802.11b無線LANモジュールを埋め込んでしまったのだ。
同社によれば、無線デバイス市場ではどこを見渡してもおしゃれな商品がない。そこで他のステーショナリーなどともマッチするデバイスを作ろうとのアイデアからこれらの商品を生み出したのだとか。ちなみに、本体から伸びたアンテナは完全にラジオ専用のもので、無線LANとは無関係。また、無線LANの電波状況が液晶パネルに表示されるということもない。つまり、本当に電卓と無線LANを足しただけの製品なのだ。
その実は、USB無線LANモジュールと、無線LANアクセスポイント。左の写真にはUSBケーブルが、右の写真にはLANケーブルが刺さっている。できればもう少し練った融合をして欲しいところだが、こういうアイデアは日本メーカーからはなかなか出てこないだろう |
□Golden Stackのホームページ(英文)
http://www.goldenstack.com.tw/
□Paten Wireless Technologyのホームページ(英文)
http://www.paten.com.tw/epaten.htm
■ユビキタス自販機、ポケットPCフォンなどコンセプト商品
日本IBMが参考出展していたのは同社がパーベイシブと呼ぶコンセプトにもとづくユビキタス自販機。有線でLAN接続されており、筐体上部にはタッチセンサー付き液晶ディスプレイが埋め込まれている。
ここにWebをはじめとした様々な情報が表示される。無線LANも内蔵しており、PDAからワイヤレスで飲み物を購入することができる。もちろんはPDAは自販機の認証を受けて初めて購入でき、その料金は後に決済される。NTTドコモなども携帯電話での決済に対応した自販機などの実験を行なっているが、日本IBMの担当者によれば、有線で繋がっていることで、決済だけでなく様々な機能をもたせることができるのだという。
例えば、広い帯域を活用して動画による広告を流すことで、広告収入を得て、商品の値段を下げることができる。また、商品の売れ行きのデータを吸い上げて、商品が売れない時間帯には価格を下げるといったこともできるのだという。活用範囲は様々で、日本でもこのシステムを使ったビジネスについてパートナーと交渉中だという。
自販機本体には15型クラスのタッチセンサー付き液晶ディスプレイが搭載されており、無線LANも内蔵する | 本体右手の小型の液晶にはPDAとの通信状況や認証状況などが表示される | PDAの「Purchaceボタン」を押すと自販機から飲み物が出てくる。購入以外にも自販機のディスプレイに表示する内容を指定したりもできる |
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.com/jp/
NECは3Gコンセプトモデル「ポケットPCフォン」を参考出展していた。携帯電話にPADの機能を含ませたコンセプト商品。ランチャー画面には電話、ライブカメラ、地図ナビゲータ、モバイルコマース、ホームコントロール、Webブラウズなどのメニューが用意されていた。
展示品ではナビゲータとライブカメラ機能のみしか動作していなかったが、同社が考える次世代の携帯電話の方向性をうかがい知ることができる。製品化の目処についてはまったくの未定。
□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
■その他会場で見かけた気になった製品
その他、会場で見かけた気になった製品を紹介する。
□WIRELESS JAPAN 2002のホームページ
http://www.ric.co.jp/expo/wj2002/
(2002年7月17日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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