エルピーダ、1Gbpsのデータレートを実現するDDR II用回路を開発

512Mbit DDR IIチップ

6月17日発表



 エルピーダメモリ株式会社は17日、1ピンあたり1Gbpsのデータ転送速度を実現するDDR II用回路技術の開発に成功したと発表した。6月13日からホノルルで開催されていたVLSI回路に関するシンポジウム「2002 Symposium on VLSI Circuits」において発表されたもの。

 DDR IIは2004年製品化予定の次世代DDR SDRAM規格で、1.8Vの低電圧動作、DDR400~DDR667までのメモリモジュールをサポートする予定。

 発表されたのは、世界最高速となる1Gbpsのデータレートを実現可能なDDR II用回路の開発に成功したというもので、1.8V単一電圧で駆動する512MbitのDDR II SDRAMを使用して検証された。これは、現状のPC133 SDRAMの7.5倍、DDR266 SDRAMの3.75倍の速度となる。

 低電圧下での高速データレートを実現するため、クロックに対し高精度に同期したデータ信号出力、高品質なデータ信号波形の生成、高速出力データレートに対応した高速チップの開発が必要で、以下のような開発が行なわれた。

 1.6V以下でも同期調節可能な(Delay Locked Loop)を用いた高精度低消費電力クロック再生回路と、データ出力波形を変えずに駆動能力調整可能な出力バッファ回路などの開発。

 チップ内のデータを高速サイクルで読み書きするため、メモリアレイ内のデータ信号線を階層化して抵抗を50%低下させたうえ、階層間の転送をタイミングレス化。メモリアレイ~入出力回路間のデータ転送回路、配線に、高速/通常の2種類を設置し、データ転送順序に応じて使い分け、高速化した。

 同社ではこれらの技術開発により、データ伝送レート533MbpsのDDR IIも余裕をもって製品化できるとし、DDR IIの次の世代となるDDR IIIに必要な転送レートについても開発の目処がついたとしている。また、さらなる大容量・高速化、低消費電力化も可能になるという。

□エルピーダメモリのホームページ
http://www.elpida.com/ja/index.html
□ニュースリリース
http://www.elpida.com/ja/news/2002-06-17.html
□関連記事
【2月20日】【海外】次世代DRAM「DDR II」の状況
--JEDECのキーパースン、デジー・ローデン氏インタビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0220/kaigai01.htm

(2002年6月17日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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