エプソン、「USB On-The-Go」対応コントローラLSI
~PCを介さずUSB機器同士を接続可能

5月29日 発表

連絡先:IC営業推進部
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 セイコーエプソン株式会社は29日、PCを介さずにUSB機器同士を直接接続できる「USB On-The-Go(以下OTG)」規格に対応したコントローラLSI「S1R72005」を開発、9月より量産開始すると発表した。サンプル価格は1,500円。

 S1R72005は、USBのホスト機能、ペリフェラル機能に加えOTG機能をワンチップに搭載したコントローラ。国内では初の製品となる。

 従来のUSBの規格では、PCがホスト(親)、周辺機器がペリフェラル(子)という“親子関係”が固定されており、接続にはPCの介在が必須であった。OTGはUSB-IF(Implementers Forum)によってUSB 2.0の補則として策定された規格で、機器が必要に応じて親にも子にもなれるようになり、ペリフェラル同士のみでデータの転送が可能となっている。USB 1.1/2.0と接続互換性があり、最大転送速度は480Mbps(標準は12Mbps)。

S1R72005を搭載した評価用ボードにプリンタを接続して印字する様子。プリンタはOTGに対応しない通常のUSB機器。赤矢印の先がS1R72005

 一例としてはOTG対応のデジカメや携帯電話にプリンタを直結して画像を印刷したり、携帯電話をキーボード代わりに利用したり、データをストレージに保存したりといったことがPCなしで可能となる。

 S1R72005はホスト機能も内蔵するため、OTGに対応しない既存のUSB機器に接続してデータ転送することも可能なのが特徴。

 同社ではIEEE 1394やBluetoothと比較してOTGは「消費電力が少ない、ワンチップ化されているため開発が容易、ホストへの負荷が少ない、MPEG-2映像(約4~6Mbps)の転送に対応できる、既存のUSB機器を利用できるといったメリットがある(電子デバイス営業本部 藤原 安英氏)」としている。

 主なターゲットとしては、携帯電話、PDA、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ストレージ、プリンタなどを挙げており、今年12月までに50万個の出荷を見込んでいる。

 なお、「この製品はIC部門が独自に展開するもので、プリンタ部門などとは同期しておらず、搭載製品の予定などについては未定(同氏)」としている。

OTG対応製品の応用例

□エプソンのホームページ
http://www.epson.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.epson.co.jp/osirase/2002/020529.htm
□USB-IFのホームページ(英文)
http://www.usb.org/
□関連記事
【2001年12月19日】周辺機器同士で直接接続できるUSB OTG規格が正式決定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011219/usb.htm

(2002年5月29日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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