アルプス、プライベートショー「ALPS SHOW 2002」開催
~リモコン機能つきネックストラップなどを展示

会期:5月15~17日
場所:新高輪プリンスホテル「飛天・さくら・うずしお」



 アルプス電気株式会社は5月15日から17日までの3日間、新高輪プリンスホテルでプライベートショー「ALPS SHOW 2002」を開催している。ALPS SHOWは同社が2年に1度開催しており、同社製品やテクノロジーデモ、また今後のロードマップなどを紹介している。

 出展される製品は、高周波デバイス、光学デバイス、磁気応用デバイス、表示関連要デバイス、プリンタ、センサー、インプットデバイス、コネクタなど幅広い。なお、入場には招待状が必要となる。


■リモコン機能つきネックストラップなどユニークな参考出展品が多数展示

 製品化はされていないが、参考出展という形でいろいろな目新しいデバイスのデモが行なわれていた。まだ応用方法の模索段階にあるものもあれば、すぐにでも製品化できそうなものもあった。

 なかでも、センサーを埋め込み、オーディプレーヤーのリモコン機能を搭載したネックストラップは、仕組み自体は単純だが、斬新なアイディアで、来場者の注目を集めていた。

リモコン機能内蔵のネックストラップ。仕組み自体は、ストラップのなかにスイッチを埋め込んだだけのもので、なぜ今までこういった商品がなかったのか不思議なくらい。デモではPCに接続して、Media Playerを操作していたが、シリコンオーディオプレーヤーや携帯電話などでの利用を想定している

 フォースフィードバック機能を内蔵したポインティングデバイスも新たな可能性を感じさせるものがいくつか出品されていた。

 そのうちの1つは小型のスティックタイプのデバイスで、スティックを操作して、ディスプレイ上のカーソルを動かすと、カーソルの位置に応じてスティックの挙動が変化するというもの。

 例えば、ざらついたテクスチャの上にカーソルを持っていくと、スティックが重くなるのだが、目新しいのは、カーソルが画面上のボタンに近づくとカーソルが磁力を受けたように、ボタンに吸いつき、この時スティックも同様の挙動を示す。そして、次のボタンにカーソルを移動させるには、すこし大き目の力が必要で、元のボタンの上をカーソルが離れると、また次のボタンに吸い寄せられるように移動する。メニュー画面での選択などで使うと、確実に選択ができるので便利。

フォースフィードバック機能つきのポインティングデバイス。画面上のテクスチャに応じて、スティックの重さが変わったり、「プルプル」と振動したりするのは、すでにゲームなどであるが、ボタンを選択するときに、切り替えスイッチのようにスティックが「カチッカチッ」と動くのは新しい
こちらもフォースフィードバック機能つきのデバイス。シャトルを回すと画面の波形に同期して、「カリカリ」とひっかかりを感じるようになっている
角速度/荷重センサー内蔵コントローラ 傾斜センサー内蔵コントローラ
フレキシブルなフィルムグライドポイントを利用してつくられたウェアラブルなタッチパッド


■ネットワークコーナーでは電灯線ネットワークでの画像転送デモなどを実施

 ネットワークコーナーでは、光ファイバー、IEEE 802.11aに加え、電灯線ネットワークを利用した動画転送デモが行なわれていた。「法規制により、電灯線に電力とデータを同時に流すことはできない(同社技術担当)」ということで、デモ環境では電灯線とは別系統の電力を用意し、一般的なコンセントを通じて動画データを2台のPC間で転送させていたが、「技術的には電力とデータを同時に流すことも可能(同)」という。

 この電灯線ネットワークの転送速度は理論最大値が12Mbpsとスループットは他のネットワークと比較して低い。そこで、このデモではWindows Media Technologyの次期バージョン「コロナ」を使って圧縮した画像データを転送しており、MPEG-2動画と比較して遜色のない動画を再生していた。

電灯線ネットワーク用モデム。スペックは周波数帯域2~30MHz、チャンネル数3、変調方式ACSK、アクセス方式CSMA/CA、転送速度12Mbps。PCとのインターフェイスはUSB、Ethernet 転送速度の遅い電灯線ネットワーク用にWindows Media Technologyの次期バージョン「コロナ」が使われていた
Bluetoothによる各種ソリューション オーディオ エンコーダ/デコーダを内蔵したBluetoothチップでのオーディオ転送のデモ。音質は良好だった

□関連記事
【2001年8月30日】関西電力、電力線を使用した最大24Mbpsのインターネットサービスを研究(Broadband)
http://www.watch.impress.co.jp/broadband/news/2001/08/30/kepco.htm
【2001年10月1日】それでもまだアテにしてはいけない“電力線インターネット”(INTERNET)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/1001/plc2.htm


■ポインティングデバイス

 ポインティングデバイスには、PCでの利用がすぐにでも期待できそうな製品が展示されていた。

3軸対応スティックポインタは、IBMノートPCのTrackPointのようにマウスカーソルを操作するのだが、さらに強く押すと左クリックもできるようになっている 小型の感圧素子を4つ使ったタッチモニタ。X/Y軸の位置情報に加え、Z軸への圧力も計測可能。ガラス膜内部にはセンサーは必要ないため、サイズを大きくしても、ガラス膜分しかコストがかからないのが利点 タッチパッドにスイッチ機能を加えた複合機能製品


■液晶パネル

 液晶パネルのコーナーには、携帯電話/PDA用の小型パネルなどのほかに、参考展示として3D表示表示可能なパネルも展示されていた。1,280×1,024ドット(SXGA)表示可能なパネルに、180μm幅のマイクロレンズアレイを貼り付けたもの。1つのレンズアレイの背面には左目用/右目用の2本の画素が並べられ、それらを交互に高速で切り替えて表示することで、視差による奥行きを表現している。

SXGAのパネルを90度回転させている。写真では、分からないが、肉眼で見ると映像に奥行きがあるようにみえる。原理はステレオグラスなどと同じ。ちなみに、これも写真では分かりづらいが、画面左側の灰色の部分はWindowsのタスクトレイ 3Dディスプレイ原理図解


■コネクタ/インターフェイス

 コネクタ/インターフェイスコーナーで興味を引いたのは、メモリースティック関連の製品。2つのメモリースティックスロットにより、メモリとI/Oデバイスを同時に使えるようにするコネクタや、メモリースティックDuo用、メモリースティク/メモリースティックDuo兼用のコネクタなどが展示されていた。

ダブルデックタイプ コンバインタイプ その他各種

□関連記事
【2000年4月13日】ソニー、小型化された“メモリースティックDuo”を開発
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000413/ms.htm

□アルプス電気のホームページ
http://www.alps.co.jp/
□ALPS SHOW 2002のホームページ
http://www3.alps.co.jp/alpsshow2002/

(2002年5月16日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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