松下電器、2001年度の純損益はマイナス4,310億円

松下電器産業株式会社 取締役社長 中村邦夫氏

4月26日発表



 松下電器産業株式会社の2002年3月期連結決算は、売上高で前年比10%減の6兆8,767億円、営業損益がマイナス2,118億円、税引前当期損益がマイナス5,480億円、当期純損益がマイナス4,310億円の赤字決算となった。国内が17%減の3兆3,484億円と大幅な落ち込みが目立つ。

 「2001年度はIT関連の内需低迷により、大幅な減収減益となった」(松下電器産業 川上徹也取締役)としている。

 部門別では、AVCネットワーク分野が4兆518億円(前年比5%減)、アプライアンス分野は、1兆1,782億円(10%減)、インダストリアルイクイップメント分野は38%減の2,887億円、デバイス分野は16%減の1兆3,580億円。なお、AVCネットワーク分野における映像・音響機器が1兆7,969億円(同2%増)、情報 通信機器が2兆2,549億円(14%減)となった。

 一方、松下電器産業 中村邦夫社長は、「2001年度の業績悪化の責任は私と役員にあるのは事実。2002年度の計画を果たすのが現体制の役割である」(中村社長)として、2002年度の業績見通しとしては、売上高で前年比3%増の7兆800億円、営業利益が1,000億円、税引前当期利益が880億円、当期純利益が420億円を見込んでいる。

 「当初は5%増を予定していたが、パソコン需要の停滞や携帯電話の需要が減速していることから、第1四半期を厳しく見込んだため、当初計画のままでは下期にあまりにも負担がかかる。その結果、3%増に留めた。連結利益1,000億円は、社会との契約として達成する」(中村社長)は、と強い意志を見せた。

 戦略製品である「V商品」を88品目選定、これで1兆円の売上獲得を目指す。

 また、雇用構造改革で1,190億円、人件費削減で410億円、拠点の選別/集中で520億円、モノづくり革新で150億円の構造改革費用を合計2,270億円の効果を見込む。

 分野別には、AVCネットワーク分野が売上高2%増の4兆1,500億円、営業利益720億円、アプライアンス分野は、6%増の1兆2,500億円、営業利益730億円、インダストリアルイクイップメント分野は3%増の3,050億円、営業損失マイナス100億円、デバイス分野は2兆100億円、営業利益380億円。

 また、同社では、2003年1月1日付で、松下グループの事業再編に乗り出す計画で、「成長を阻害していた事業の重複を排除でき、開発リソースの集中、開発/製造/販売の一元化などが図れるとともに、事業ドメインごとの成長戦略が明確化すること、自主責任の上で事業が推進できる体制が整うなどのメリットがある」(中村社長)とした。

 グループ全体を「デジタルネットワーク分野」、「アプライアンス・環境システム分野」、「デバイス・生産システム分野」、「サービス・ソリューション分野」に再編する。

 デジタルネットワーク分野では、映像機器、AVCネットワーク機器、AVシステム機器を取り扱うパナソニックAVCネットワーク社(2004年度売上目標1兆5,600億円)、固定通信関連機器などを担当するパナソニックコミュニケーションズ&イメージング(同5,500億円)、モバイル通信端末/無線基地局、公衆アクセスネットワーク通信機器を扱うパナソニックモバイルコミュニケーションズ&ネットワークス(同9,000億円)、車載マルチメディア関連機器などのパナソニックオートモーティブシステムズ社(同4,500億円)、AV情報通信系システムソリューション事業を担当するパナソニックシステムソリューションズ社(同5,000億円)に再編する。

 また、アプライアンス・環境システム分野およびデバイス・生産システム分野においても、それぞれ新会社などを設置する。アプライアンス・環境システム分野では、2004年度に1兆1,000億円、デバイス・生産システム分野では、2兆1,000億円を目指す。

 なお、グループ再編については、6月の定時株主総会での審議を経て、10月1日付けで松下通信工業、九州松下電器、松下精工、松下寿電子工業、松下電送システムの5社を100%子会社化、2003年1月1日付けで新体制をスタートすることになる。

□松下電器産業のホームページ
(4月26日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.matsushita.co.jp/

(2002年4月26日)

[Reported by 大河原 克行]

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