NEC、2001年度決算は3,120億円の赤字
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NEC取締役専務 松本滋夫氏 |
4月25日 発表
日本電気株式会社(NEC)は25日、2002年3月期決算が、売上高で5兆1,010億円(前年比5.7%減)、営業損益がマイナス555億円、当期純損益がマイナス3,120億円の赤字決算になったと発表した。1月末に発表した下方修正値とほぼ同じ結果となっている。
「2001年度実績は不本意な結果であった。事業環境が急変するなどの要因があったが、対応が遅れたことについては深く反省している。下期以降リストラ施策を開始しており、2002年度はこの成果を含めて3つのカンパニーの成長路線に向けた整備を行ない、下期以降の需要の立ち上がりに備えたい」(松本滋夫取締役専務)とした。
カンパニー別では、パソコン事業などを含むNECソリューションズが前年比0.9%減の2兆2,090億円、営業利益は753億円。通信事業を担当するNECネットワークスが前年比6.7%増の1兆9,571億円、営業利益が534億円。半導体事業を担当するNECエレクトロンデバイスは、前年比31.4%減の8,428億、営業損益がマイナス1,481億円と半導体分野の業績悪化が大きく響いた。
NECソリューションズにおいては、「地球シミュレータ」などの大型案件が獲得できたことによるサーバー事業の拡大、金融、官公庁などを中心としたSI事業が伸張したことなどが大きく影響。SIサービス/ソフトウェアで5,203億円(前年比21.7%増)、インターネットサービス/サポートサービスで3,360億円(同16.5%増)、その他ハードウェアが6,156億円(18.7%増)となった。しかし、パソコンを中心としたパーソナルプロダクツは25.8%減の7,371億円となり、「NECソリューションズにおける課題はパソコン」(同)とした。
松本専務によると、「2001年度のパソコン事業は、需要低迷、売価ダウンの営業で営業損失は300億円の赤字となった。しかし、2002年度は昨年度実施した第1次事業構造改革に続き、第2次の事業構造改革に乗り出すことや値上げの影響もあって、上期には若干の赤字が残るが下期には黒字回復を図る」との見通しを示した。
第2次事業構造改革としては、次のような施策を用意する。
1) 中国における完成品の調達によって原価低減を図る。中国からの完成品調達比率は上期は25%、下期は70%にまで高める。
2) デスクトップパソコンの生産を担当していた群馬事業場を、アフターサービスの拠点に転用。ソフト/サービス部門への転換とともに、外注を数百人削減。
3) 次期SCMシステムの稼働によって、リードタイムの短縮と鮮度損失の改善を図る。
これらの施策により、総固定費を約200億円削減(約20%)する予定で、収益の改善につなげる考え。
2001年度の国内パソコン出荷実績は前年比20%減の280万台。来年度は290万台の出荷を予定している。
一方、2003年3月期の全社の業績予想では、売上高が前年比横ばいの5兆1,000億円、営業利益は800億円、当期純利益は100億円を目指す。中間期は営業利益で50億円のプラス、当期利益で150億円のマイナスを見込んでいるが、「半導体事業は通信機器向けデバイスを除くと、2001年度第4四半期に底打ちをしてたきたと見ている。また、SI事業も利益面で貢献しており、下期での回復が期待できる」とした。
□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0204/2501-01.html
□関連記事
【1月31日】NEC、2002年3月期業績予想をさらに下方修正
~全社で14,000人を削減
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0131/nec.htm
(2002年4月25日)
[Reported by 大河原 克行]
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