液晶付きトイカメラ「Che-ez! moni-me」を買ってみました
~使い勝手は確実に進歩

Che-ez! moni-me

4月18日購入



 ニチメンから液晶モニタを搭載したトイカメラ「Che-ez! moni-me」が発売された。液晶モニタ付きデジタルカメラでは世界最小というこのカメラ、早速その使い勝手を簡単にレポートしてみたい。


■ 液晶には興味無いが使い勝手に期待

 正直最初にリリースを見たときは、「液晶は別にいらないのに……」と思ったのだが、きちんとスペックを眺めると、気になる点が2点。それは「USBストレージクラス対応」そして「4MB内蔵フラッシュメモリ」搭載という箇所だ。

 いままで多くのトイカメラをレビューしてきたものの、メモリがSDRAMのため、電池が切れると画像が消えてしまうとか、機能も制限された専用ユーティリティをPCに入れるのは嫌だな、などという不満があり、買ったあと数週間は持ち歩くものの、それ以降は机の上に放置しっぱなし、なんて状態になっている。

 これらの不満が解消された「Che-ez! moni-me」。とりあえず使い勝手は今までのトイカメラの中でも期待できそう。ということで、4月18日に秋葉原で発売されている製品を、早速買ってきました。価格は9,979円(税抜)。

パッケージ 付属品一覧


■ ボディは高級感があるものの造りはちょっとチャチ

 早速、小ぶりなケースに入った本体をとりだしてみる。本体はアルミ製でボディカラーはシルバー。素材の高級感は高く、納得いくものなのだが、そこかしこで精度の低さが目立つ。特にボタンのクリック感のなさと、電池蓋の作りの悪さ(配線がむき出し)はちょっといただけない感じ。また、レンズカバーの開閉時にカチッとした感触がなく、カタカタしてしまうなどちょっと安っぽい。

 本体サイズは超小型のChe-ez! SPYZと比べると2回りぐらい大きい69×19×55mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約58g。シャツのポケットに入れてもかさばらず、いつも持ち歩くにはちょうどいいサイズだ。


本体前面 本体背面
上から、モニタ/画質変更/セルフタイマーボタン
右側面
ゴム製のカバーが付属するが外れてしまった
左側面
ストラップ用の穴があるがやや付けづらい
本体上面
左からモードボタン/電源ボタン/シャッターボタン
本体底面
液晶は1.5インチSTN。応答速度や明るさなどはあまり期待できない。ファインダの代わりとしては使えるが再生用にはつらい Che-ez! SPYZとの比較 電池蓋を空けたところ。配線がむき出しになっているなどちょっと怖いつくり

 電源を入れてみると、moni-meのウリでもある液晶がONになる。液晶は1.5インチSTNで、応答速度も低く、視野角も狭い。また色再現性いまひとつで全体的に白くぼやけた階調のない感じだ。そのため、あまり色などは参考にはならないが、それでも画角を確認するためには信頼できるし、結構便利ではある。「別に液晶なんていらない」と思っていたが、あればあったで、結構使えるといった印象だ。

【動画】
レンズカバーはカタカタとあいてしまって、頼りない
約1.4MB

 電源は本体上部のボタンでONになる。通常は3秒押し続けることでON/OFFの切り替えが可能などが、しばらく使っているうちに、ボタンを何度押してもOFFにはできなくなった。数回、電池を出し入れしたら直ったが、しばらくはオートパワーOFF(電源を入れた後60秒でモニタOFF、その後60秒操作が無いと電源が切れる)でしか電源が切れなくて大変不便だった。また、撮影中に液晶がフリーズすることが2度あるなど、ソフトウェアのつくり込みも不安が残るところだ。

【お詫びと訂正】
記事初出時に、電源はオートパワーOFFで切るように記載していましたが、電源ボタンでも切る事ができ、説明書にもその旨記載してありました。ここに、お詫びして訂正いたします。

 操作ボタンは本体上部にモード切替/電源/シャッターボタンを装備、背面にモニタ/画質変更/セルフタイマーボタンを備えるなどシンプルなもの。実際の操作も特に迷うことなく行なえた。



■ 画質はまずまずで、使い勝手もよい

 撮影解像度は640×480ピクセルで、記録画像はJPEG。圧縮率の違いでFine/Normalの2種類の記録モードが用意される。トイカメラでは付属のユーティリティでJPEG変換するものが少なくないだけに、本体のみでJPEG記録できるのは大きなメリットだ。

 撮像素子には33万画素CMOSを採用。画質については、Che-ez! SPYZとほぼ同等かやや劣るぐらいといった印象だ。色味は比較的よいが、光の境界などでノイズが多く、また、解像感もちょっと足りない感じだが、トイカメラとしてはかなりいい部類に入る。

【実写画像】

 撮影距離は40cmからということでマクロ撮影はちょっと厳しいが、それでも3月にレビューしたeyeplateよりはだいぶ寄れる。また、USB接続のWebカメラとして利用できる。

 撮影枚数はFineで30枚、Normalで60枚。電池は単3アルカリ1本で、カタログスペックでは連続撮影で約50分となっている。実際に撮影した際には、20枚程度の連続撮影で電池交換を促す表示が出たが、30枚以上連続撮影することができた。持ち時間としては、少々心もとないが、単3電池のため交換性には優れているので、連続撮影する際もそんなに問題は無いだろう。

Windows 2000上でフォーマットする際の注意

 また、USBストレージクラスに対応しており、Windows 98 SE/Me/2000/XPでは、PCとUSB接続するだけで認識されるため、特にドライバをインストールする必要もなく手軽だ。ただ、つねに[100_nhj]というフォルダが作られ、一度フォーマットすると画像も常に[Img_0001.jpg]から始まるようになっているので、上書きしてしまわないよう注意が必要だ。

 不満点としては、本体のつくりや液晶の性能が今ひとつ、などいろいろあるのだけれど、JPEG記録/USBストレージ対応、内蔵フラッシュメモリなどの採用により、いままでのトイカメラの欠点をカバーし、簡単にPCと連携してお手軽に使えるカメラとしての満足度は高い。ちょっとしたメモ程度の画像を取るための携帯カメラが欲しいという人は、迷わず買ってもいいと思う。

 ただ、カメラとしての機能をそれなりに求めるという人については、最近は、2万円ぐらいからカメラメーカーの最廉価デジタルカメラが手に入るようになってきている。もちろん可搬性や、お手軽さははるかに「Che-ez! moni-me」が上だが、画質や本体の精度では100~200万画素クラスのデジタルカメラにはかなわない。また、携帯電話搭載のカメラもCCDや高画素CMOSを採用するなど高機能化が進んでおり、VGAクラスの画像をそれなりの画質で取れるようになってきている。

 1万円以下のトイカメラも、従来からあるさまざまな市場とバッティングしつつあり、そうした中では自分の利用法に適したカメラを買うということが一番重要だろう。とりあえず私はしばらくChe-ez! moni-meを使うと思いますが。

□ニチメンのホームページ
http://www.nichimen.co.jp/
□エヌエイチ・ジャパン・ホールディングスのホームページ
http://www.nhjapan.com/
□Che-ez!シリーズのホームページ
http://www.che-ez.com/
□ニュースリリース(PDF)
http://www.nichimen.co.jp/newsrelease/pdf/60.pdf
□関連記事
【2月26日】トイデジカメChe-ez!シリーズに、液晶モニタ付きモデルなど
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0226/cheez.htm
【2001年11月2日】VGAデジカメの次世代スタンダード? 「Che-ez! SPYZ」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011102/spyz.htm
【3月29日】厚さ6mmの世界最薄デジカメ「eyeplate」を買ってみました
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0329/axia.htm

(2002年4月23日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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