「パソコンの値上げは販売店にプラス」
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4月18日
岡嶋昇一 NEBA会長 |
大手家電量販店などで構成される日本電気大型店協会(NEBA)は18日、都内のホテルで定例会見を行なった。
その席で、岡嶋昇一会長(エイデン社長)は、5月以降に一斉に値上げが見込まれるパソコンの、需要への影響について「4月、5月は値上げ前の駆け込み需要が期待でき、前年実績を上回ることになるだろう。新製品発売直後には、一時的に需要が落ち込む可能性もあるが、年間を通じてみれば、プラスになるはず」と、値上げが販売店にとってプラス要素に働くとの考え方を示した。
値上げがプラス要因になる理由として、パソコン本体の単価上昇による粗利額の上昇が、販売店の売上、利益の拡大に貢献すると見ているほか、需要動向については「パソコンに対する需要は根強く、さらに、ブロードバンド環境の浸透が、パソコンを買い換えたいという需要につながってくる」とした。
続けて「ADSLなどのブロードバンドの普及促進に向けた活動を強化することが、パソコン需要の拡大につながる」として、家庭へのブロードバンド浸透に向けた取り組みを行なう必要性を訴えた。
一方、「過度な寡占化は、消費者にとって利益を生まない。そうした意味でもNEBAが、もっとがんばらなくてはいけない」として、ヤマダ電機、コジマ、ヨドバシカメラなどのNEBA非加盟会社に対する位置づけを示した。
岡嶋会長は、「ヤマダ電機のダイナミックな経営に対して敬服している。今後の成長に向けても注目していきたいし、参考にしたい」とした上で、「NEBAとして、いかに差別化していくかが重要である。我々がどれだけお客に近づくことができ、支持を得て、差別化できるかが鍵。NEBAらしさを追求したい」と語った。具体的な差別化策として、「地域密着性を高め、高齢者社会におけるサービスの強化なども視野に入れたい」とコメントしている。
今年度のNEBA全体の需要動向については、「今年はスポーツイヤーであり、映像商品の当たり年になる」とし、5~7月には、BSデジタル放送受像機の販売キャンペーンを実施。NEBAの会員会社だけで3カ月間に4万台の受像機を販売するとした。「映像関連機器を伸ばせるかどうかは、NEBA会員会社の経営を左右する問題になる」(佐藤博副会長/サトームセン社長)と位置づけている。
また、昨年来、経営問題研究会で取り組んでいる店頭での万引き防止については、ダミー商品の展示や、マイクロチップを利用した防止策などをメーカーとの協力によって実施しており、少しずつ成果があがっているという。NEBAの調べによると、2001年1~12月の間に、NEBAの会員会社だけで7億5千万円の万引きの被害が出ており、そのうち、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ポータブルオーディオ、パソコン本体、パソコン周辺機器の5品目で78%を占めるという。パソコンなどの高額製品を狙う例が多いと分析している。
□日本電気大型店協会(NEBA)のホームページ
http://www.neba.gr.jp/
(2002年4月19日)
[Reported by 大河原克行]
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