イベントレポート

【Inter BEE 2019】EIZO、HDR対応300万円液晶の後継機。SDIに対応

ColorEdge PROMINENCE CG3145の後継機(型番は未定)

 国際放送機器展「Inter BEE 2019」が本日(13日)から15日までの期間で開催されている。会場は幕張メッセ国際展示場(千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目1)で、開場時間は10時から17時まで。入場料は無料となっている。

ColorEdge PROMINENCE CG3145の後継機が展示

HDR対応の従来機CG3145と通常のSDRディスプレイとの比較

 EIZOのブース(7510)では、2017年4月に発表された1,000cd平方/mのHDRコンテンツ製作向け31.1型ディスプレイ「ColorEdge PROMINENCE CG3145」(約300万円のEIZO製DCI 4K/HDR対応31.1型液晶が12月18日に発売決定参照)の後継機が展示されていた。

 従来モデルCG3145と同じく輝度は1,000cd平方/m対応で、画面サイズも同じ31.1型のDCI 4K(4,096×2,160)、コントラスト比は100万:1でこれも変わらない。

 大きく変わったのはインターフェイスまわりで、これまでDisplayPortとHDMIにしか対応していなかったものの、業務用のSDI(Serial Digital Interface)をサポート。CG3145を投入してから多くの現場でSDI対応が望まれていたそうで、説明員は今回その要望にようやく応えることができるとのこと。さらに、本体の設定を変更するためのダイヤルが追加され、これまでボタンのみで行なっていた明るさの設定などが、ダイヤルを回して即座に変更可能になった。

映像入力の詳細表示。SDIから出力している
映像入力先の切り替え
写真が暗くてわかりにくいが、ダイヤルが実装され、操作性が向上。非常に便利なため、FlexScanシリーズなどにもこういったインターフェイスがほしいところ
明るさの設定を0から500までダイヤルを回して一気に変更できる
対応する色域も豊富
これまでと同じく1,000cd平方/m対応

 また、CG3145では1,000cd平方/mのキャリブレーションが難しく、外部キャリブレータを使用せざるを得なかったが、新製品ではキャリブレータを内蔵し、より描写品質を保ちやすくなった。このほかにも、接続機器からメタデータを読み取り、それに合わせてPQカーブを自動的に合わせるといったことが可能に。これまでは手動で設定する必要があった。ただ、古い機器だと読み取れないものがあるなど、現在のところは標準設定にはしにくいとのことだった。

こちらはCG3145の筐体だが、製品版でも大きさなどはさほど変わらないという

 なお、スペック的には同じに見えるものの、描画精度がワンランク上がっているそうだ。というのも、CG3145ではコントラスト比100万:1を実現するために、精度面への注力を徹底できなかったとのことで、次世代機ではこの点を大きく改善できたという。

 登場時期については2020年の4月あたりになにか発表できればということだった。今回SDIやキャリブレータが搭載されたことで、そのぶん価格は少しだけ上がってしまうそうだが、おそらく300万円内に収めるのだろうと思われる。

ターミネーター: ニュー・フェイト(英題Terminator: Dark Fate)のメイキング映像。制作にはEIZOのColorEdgeシリーズが使われており、その紹介が行なわれている