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スパコン級チップがノートPCに。RTX Sparkが日本で6社から登場

 少し前なら会場に収まらないほどの規模だった1PFLOPSのスパコンが、ノートPCに収まる時代がやってきた。NVIDIAは11月2日、東京都内でPC向けSoC「RTX Spark」の国内発表会を開催。搭載PCを投入するパートナー各社とともに日本市場での本格展開を表明した。

 冒頭で登壇した日本代表の大崎真孝氏は、RTX Sparkについて「AIでもあり、スーパーコンピュータでもあり、ゲームでもある」と紹介。1秒間に1,000兆回(1PFLOPS)の演算性能を持つスパコン級の半導体を、パーソナルなAI実行環境として提供するものだと説明した。研究者や技術者、学生がクローズドな環境でしっかりとAIを実行できるほか、ゲームやデザイン、シミュレーションといった用途にも対応するとした。「これらが日本でも始まった。新たなAI、ゲーム、シミュレーションの幕開けだ」と語った。

大崎真孝氏

 発表会には搭載PCを手がけるメーカー各社が登壇し、祝辞を述べた。ASUS JAPANシステムビジネスグループコンシューマ事業本部統括部長のDavid Chu氏は、NVIDIAとの連携によってより多くの製品を展開していく考えを示した。

ASUSのDavid Chu氏
ProArt P14(H7407)

 デル・テクノロジーズ執行役員コンシューマ&Eコマース営業統括本部統括本部長の文 英梅氏は「XPS 16 Creator Edition」などを投入済みとした上で、「AIのパーソナル化は今後さらに進んでいく。XPSだけでなく搭載製品を広げ、より多くの顧客に届けたい」とした。

デル・テクノロジーズの文 英梅氏
Creator Edition Desktop
XPS 16 Creator Edition

 日本HPパーソナルシステムズ事業本部事業本部長の柳澤真吾氏は、日本の企業や起業家などと会話する中で「早くRTX Sparkをローンチしてくれ」という声を数多く聞いていたといい、新時代の到来を感じているとコメント。同社の「OmniBook Ultra 16-bk」はRTX Sparkのパワーを存分に発揮しつつ携帯性も重視した作りだとし、エコシステム全体での盛り上がりに期待を寄せた。

日本HPの柳澤真吾氏
OmniBook Ultra 16-bk

 レノボ・ジャパン執行役員常務のTony Lee氏は、ユーザーの意図を理解して支援するAIの中核を担うのがRTX Sparkだと位置付けた。そのうえで、IFAで発表した「Yoga Pro 9n」および2in1モデルの「Yoga 9n 2-in-1」を投入すると語った。

レノボ・ジャパンのTony Lee氏
Yoga Pro 9n

 日本マイクロソフト業務執行役員コンシューマチャネル事業部Surface戦略本部長の當野喬之氏は、初代SurfaceがNVIDIAのTegraプロセッサを搭載していた歴史を振り返った。タッチ操作による使いやすさとキーボードによる生産性を追求してきたSurfaceが、10年以上を経てAIという新たな軸で再びNVIDIAと組むことになったと説明。RTX Sparkを搭載した「Surface Laptop Ultra」を投入できることをアピールした。

日本マイクロソフトの當野喬之氏
Surface Laptop Ultra

 エムエスアイコンピュータージャパン社長のRicky Chiang氏は、RTX SparkがAIをより身近にする大きな一歩だとし、今後もNVIDIAとのパートナーシップを深め、AIの新技術を多くの顧客に届けていくとした。

エムエスアイコンピュータージャパンのRicky Chiang氏
Prestige N16 Flip AI+
EdgeMesa N AI+
一堂に会したパートナー各社
会場には製品が一斉展示

 続く技術解説にはNVIDIAテクニカルマーケティングディレクターのJeff Yen氏が登壇。RTX Sparkは、最大128GBのユニファイドメモリ、Graceアーキテクチャに基づくCPU、NVLink C2C、RTX GPUのフルスタックを統合した新しいSoCであると説明した。また、DLSSなどRTXの機能すべて対応し、最新のゲームが動作するほか、バッテリ駆動時でもAC駆動時の98%の性能を発揮できるなどとアピールした。

 加えて、大容量メモリを生かし、ローカルでAIエージェントを実行しつつ、必要に応じてクラウドのフロンティアモデルと組み合わせるハイブリッドな使い方も可能だとした。最新モデルはDay0でサポートしており、すぐに試すことができるのも強みだと説明した。

 デモ展示エリアでは、最新グラフィックスを駆使したゲームや、これまでArm版Windowsが対応できなかったアンチチート付きのeスポーツタイトルも動作することが紹介された。動画生成AIでは4K/120fps/HDRの動画を生成できる点や、動画編集においてもAIエージェントに作業を依頼できることを展示。さらに、業務においては、チャットやメールなどから日々のタスクの洗い出しをエージェントに任せられることや、ロボット開発においてもいまやAIエージェントに依頼するだけでほぼ完結できることなどがデモされた。

DLSS 5対応ゲームのデモ
アンチチートが働くeスポーツタイトルも動作するようになった
動画生成AIでは4K/120fps/HDRで生成可能だ
こうした動画編集作業も、今後はエージェントに任せられるようになる
ロボットの制御もエージェントAIが行なう
メールやチャットなど、さまざまな情報ソースから今日のタスクをまとめて報告してくれる