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国内PC出荷は3分の2、単価は1.6倍。需要低迷は長期化か
2026年10月28日 10:33
2026年度上期(2026年4月~9月)の国内PC市場は、出荷台数が前年同期の3分の2の水準に留まり、大きく縮小する一方、平均単価は40.3%増と大きく上昇する結果となった。四半期ベースの集計では、1年間で平均単価が1.6倍も上昇する結果が出ている。
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した国内PC出荷実績によると、2026年度上期の出荷台数は、前年同期比33.5%減の379万8,000台となった。前年同期の571万6,000台から、約190万台も減少した。2026年度に入ってから、出荷台数、出荷金額ともに、6カ月連続で前年割れの状況が続いており、国内PC市場は、長い冬の時代に突入している。
2026年度上期の出荷台数の内訳は、ノートPCが前年同期比33.1%減の337万6,000台。そのうち、モバイルノートは同40.6%減の194万1,000台、ノート型・そのほかが同19.3%減の143万6,000台となった。また、デスクトップPCは前年同期比37.1%減の42万2,000台。そのうち、オールインワンが同29.9%減の5万9,000台、単体が同38.1%減の36万4,000台となり、どのカテゴリも軒並み大幅な前年割れとなっている。
市場縮小の主因はWindows 10 EOS特需の反動
大幅な市場縮小は、前年同期の特需の反動である。
具体的には、前年同期にあった2025年10月のWindows 10のEOSを控えた買い替え特需と、教育現場で使用するPCをリプレースするGIGAスクール構想第2期の導入の反動が挙げられる。カテゴリ別で見ても、GIGAスクールの対象となる端末を含むモバイルノートで、前年同期比40.6%減と最も下落幅が大きいことからもそれが裏づけられる。なお、モバイルノートは、画面サイズが14型以下で、重量が1.5kg以下、キーボードが付属したものを指している。
JEITAでは、個人向けと法人向けの動向については、数値としては公表していないものの、2026年度上期は、前年同期の実績にGIGAスクール向けが含まれていた法人向けPCの落ち込みが大きいとしている。
業界内では、あらかじめ想定していた落ち込みとはいえ、市場規模が3分の2まで縮小した影響は大きいと見ている。だが、見方を変えれば、さらに1年前の2024年度上期は348万7,000台の出荷実績となっており、2026年度上期実績は、これを上回る水準を維持しているともいえる。裏返せば、2025年度上期への集中ぶりが特別だったということもできる。
ただ、2026年度第3四半期(2026年10月~12月)以降も、EOS特需やGIGAスクール向け特需の反動が続く。また2025年12月には、部材調達価格の上昇や遅れ、それに伴うPC本体の価格上昇や品薄を懸念した駆け込み需要が発生しており、今後も前年対比では厳しい結果になるのは明らかだろう。
JEITAの統計では単価上昇が40%超え
今回の出荷統計で、もう1つ注目しておきたいのが、平均単価の推移である。
2026年4月以降のPC本体の価格上昇が顕著だが、これは、JEITAの出荷統計でも浮き彫りになっている。
ここでは四半期ごとの推移を見てみよう。
2025年度第1四半期(2025年4月~6月)の平均単価は10万6,695円、同第2四半期(2025年7月~9月)は10万778円、同第3四半期(2025年10月~12月)は10万6,095円と、10万円台で推移していたが、一部のPCメーカーが値上げを実施しはじめた同第4四半期(2026年1月~3月)には11万5,980円に上昇した。すべてのPCメーカーが値上げに踏み切った2026年度第1四半期(2026年4月~6月)には13万2,081円となった。
さらに、新製品の発表に伴い、各社が大幅な値上げに踏み切った2026年度第2四半期(2026年7月~9月)には、なんと16万169円にまで上昇している。第2四半期同士の比較では、平均単価は5万9,391円も上昇しており、価格上昇率は58.9%と、約1.6倍にもなっているのだ。
半期での比較でも、2025年度上期(2025年4月~9月)の平均単価は10万3,516円、2025年度下期(2025年10月~2026年3月)は11万987円に対して、今回発表した2026年度上期(2026年4月~9月)の集計では14万5,208円と、この1年で40.3%も値上がりしていることになる。
GIGAスクール需要を差っ引いても上昇傾向。需要低迷は避けられない
ただ、JEITAの出荷統計の場合、先に触れたように、前年同期にはGIGAスクール向け特需が大幅に含まれている。GIGAスクール向けでは、端末整備のために用意された5万5,000円の補助金制度にあわせて、この価格帯のPCの出荷台数が大幅に増加。それに引っ張られて平均単価が低く出る傾向がある。
そのため、GIGAスクールによる出荷影響が極めて少ない2026年度上期実績と比較すると、平均単価の上昇幅が大きく出ることになる。平均単価の分析には、そのあたりを考慮する必要があるだろう。額面通りに、前年比6割の価格上昇と捉えることはできない。
たとえば、GIGAスクール向けが含まれるモバイルノートの平均単価を比較すると、GIGAスクール向けの5万5,000円の端末が数多く出荷された2025年9月は8万638円であったのに対して、GIGAスクール向けの端末がほとんど実績として含まれない2026年9月は14万2,127円となり、平均単価の上昇率は76.3%にもなってしまう。
そこで、全国の主要家電量販やECサイトなどの販売情報を集計しているBCNのデータから平均単価の推移を分析してみた。量販店店頭などにおける売れ筋製品の実売価格を反映したものであり、GIGAスクール向けの案件などは含まれていない。こちらの方が市況の実態に近いといえるだろう。
結果をみると、JEITAの集計ほどの劇的な上昇率はないが、ここでも平均単価が、じわりと上昇していることが分かる。
2025年9月の平均単価は、13万6,200円であったのに対して、2026年9月の平均単価は15万3,400円となり、12.6%の上昇率となっている。種類別にみると、ノートPCは、13万2,000円であったものが15万900円へと、14.3%の上昇。デスクトップでは16万3,300円から17万5,000円へと、7.2%の上昇率となっている。
PCの平均単価は着実に上昇を続けている。BCNのデータからも、2026年1月以降、月を追うごとに平均単価が右肩上がりになっていることが分かる。
2026年10月の平均単価の集計は、10月15日までの速報値としての集計であり、平均単価が若干下落しているようにみえるが、高止まりしている状況には変わりはない。今後も、価格上昇が続くとの見方が支配的であり、これがPC需要低迷の長期化につながることを懸念する声も出ている。






















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