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HP、オンデバイスAIを拡張する「HP IQ」。IT管理機能搭載で企業でも使いやすく

HP EliteBook X G2上で実行されているHP IQ

 HPは、米国ニューヨーク市において開催中の年次イベント「HP Imagine 2026」において、同社の一般法人向けPCの「EliteBook」など向けに、新しいオンデバイスAI機能「HP IQ」を搭載することを明らかにした。

 HP IQは一種のAIエージェントで、エンドユーザーのPC利用を助ける複数のAI機能を、オンデバイスで処理しながら提供する。法人向けのEliteBookシリーズ向けで、各種エンタープライズグレードの管理ツールやMicrosoft Intuneなどに対応しており、大規模な法人でITがきちんと管理しながら利用することが想定されている。

HP IQはAIエージェントなどのローカル利用への第一歩

HPが発表したHP IQ(出典: HP Imagine 2026、HP)

 HPが発表したHP IQは、オンデバイスでAI処理を行なうツールで、同社がCESにて発表した一般法人向けハイエンドPC「EliteBook X G2」などに提供される。単機能ではなく、いわゆるAIエージェントなどと呼ばれる、複数のAIモデルなどを組み合わせて複合的かつ自律的に機能が提供されるAIツールとなる。

 2023年にIntelなどがAI PCの構想を発表して以来、PCのローカルプロセッサ(CPU、GPU、NPU)を活用してAI処理を行なう取り組みは段階的に新しいソフトウェアなどを取り入れて進化してきた。

 近年ではAIエージェントやエージェント型AIに注目が集まっている。クラウドベースではAnthropicのClaude Coworkなどがあり、今後Microsoftがこの技術を応用したCopilot Coworkの提供を検討していることも発表されている。また、オンデバイスという意味ではOpenClawのようなオープンソースのツールも大きな注目を集めており、今後エージェント型AIが大きな焦点になっていくと誰もが考えている状況だ。

ローカルのプロセッサで実行されることで、追加コストやデータ漏洩のリスクなくAIが活用できる(出典: HP Imagine 2026、HP)
エンタープライズIT管理機能に対応(出典: HP Imagine 2026、HP)

 そうした中で、今回HPが発表したHP IQは、将来のエージェント型AIのローカル実行に向けた第一歩になるようなソフトウェア基盤となる。HP IQは、エンタープライズグレードの管理ツール、たとえば広く大企業で利用されているMicrosoft Intuneなどと連携可能になっており、企業のIT担当者などがきちんと管理しながら従業員にAIの機能を使わせることが可能になる。

 すでに多くの大企業では、システム管理者の許可なく従業員がChatGPTやGeminiなどのLLMに企業の文章を読み込ませる「シャドーAI」が問題になっており、きちんと管理できる状態でAIを使わせる方法に注目が集まっている状況であり、HP IQはその1つの答えになり得るソリューションだ。

オンデバイス処理することで、クラウドストレージを利用せずともAI機能が利用できる

複数の機能を実現(出典: HP Imagine 2026、HP)

 HPによれば、HP IQでは以下のような機能がオンデバイスAIとして提供される。

  • AskIQ: HP IQにテキストプロンプトや音声で質問を行ない回答を得る機能
  • 分析機能: PDF、TXT、DOCX、PPTXなどの文章ファイルをHP IQに分析させ、要約や次の指示を出せる機能
  • ノート・ナレッジ機能: 従業員がメモを取り、それをピックアップできるノート機能、さらにそれを分析させ、ほかの従業員に簡単にシェアする機能
  • ミーティング・エージェント機能: ミーティング中にメモや録音などをほかのアプリに切り替えることなく作成できる支援機能

 ノート・ナレッジ機能は、Googleが提供するNotebookLMのローカル版と言える。クラウドと同期してしまうことを理由にNotebookLMのようなサービスを利用させることができない企業にとって、有益な選択肢となる可能性がある。

HP NearSenseを利用可能(出典: HP Imagine 2026、HP)
ユニバーサルなUX/UIを利用(出典: HP Imagine 2026、HP)

 また、HP IQには「HP NearSense」と呼ばれる環境検知AIも導入される。タスクや環境に応じてほかのデバイスを見つけたり、それと接続したり、あるいはほかのデバイスと協業したりといったことをAIが自動で行なうことで、ユーザーからはシームレスにそれらとつながって使えるようになる。

 現時点ではPCとPCのファイル共有、会議室のWeb会議システムへのワンクリックログインなどが提供されるとのことだが、将来的にはHPのほかの周辺機器との連携も計画されている。たとえば、会議室にHPのPolyカメラがある場合、HP IQがそれを検知し、自動で接続して、よりよい映像を利用して会議が行なえる。あるいは、HPのプリンタがあった場合、ドライバが自動でインストールされ、利用権限が確認されて使えるようになるといったものだ。そうしたことは自動で行なわれるとHPは説明している。