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GeForceのエンコーダがこっそり強化。同時セッション数が3から5に

これは、OBSで6本の同時記録を行なったところ。従来は4本でこのエラーが出ていた

 Tom's Hardware誌などが伝えるところによると、GeForceシリーズに内蔵される動画ハードウェアアクセラレータのNVENCの仕様がこっそりと強化され、同時エンコードセッション数がこれまでの3から5になった。

NVENCのサポートページの情報Max # of concurrent sessionsが最大同時記録数

 通常のエンコーダの使い方では問題になりにくいのであまり知られていないのだが、実はこれまでGeForceシリーズのNVENCで対応可能な同時エンコードセッション数は3だった。つまり、配信や録画などは同時に3つまでしかできない。

 これはGeForceシリーズにのみ課せられたソフトウェア的な制約で、同じNVENCを搭載する業務用のQuadroやNVIDIA RTXシリーズでは、古い製品を除き最大セッション数に制限はない。おそらく、多数の同時セッションを利用するのは業務用途のみということでNVIDIAがそういった制限をGeForceにかけているものと思われる。

 この同時セッション数は3月の上旬の時点までは3だったことは筆者も確認している。しかし、3月下旬のある時点でサポートページの情報が更新され、この数が5に増えた。実際に手元の環境で確認したところ、5本(フルHD、H.264、8,000kbps、CBR)のストリームの同時記録ができたが、6本の同時記録ではエラーが出た。これも、3月上旬時点では4本の同時記録でエラーが出ていた。直近のGeForceドライバで制約が緩和されたようだ。

GeForce RTX 4080で5本の同時記録を行なった際のタスクマネージャー。NVENCの性能的にはまだ余裕があるようだ

 前述の通り、一般的な配信や動画収録にはあまり影響のない話だが、配信しながら、配信とは異なる設定でローカル録画し、かつ配信上で縮小表示しているワイプやゲーム画面などを、オリジナル解像度のままローカル録画できるOBSのSource Recordプラグインなどを利用しているユーザーには、歓迎される強化と言える。

 なお、RadeonやIntel CPU内蔵GPUについては、当初からこういった制約はない。